悪魔の証明?証明したろーじゃんか!
「これこれ、藤吾や。
我を謀るのかや?
悪戯は、大概にせねばのぅ」
あ、信じてくれてないや。
困ったなぁ。
これって、アレじゃん。
悪魔の証明ってヤツだよね。
ヒルデガルデさんはダンジョン穴を、見ることも触ることも出来ない。
なのに、そこに在ることを証明しないとダメな訳で・・・出来るかぁっ!
頭を抱えたくなったのだが、ふと気付いた。
確か俺がダンジョン穴を潜ってコチラへ来た時、ヒルデガルデさんは、それが分かったってたよな?
なんだか、魔術的な力で感知しているらしい。
ならさぁ、一度、自室へ戻って帰って来たら良いんじゃね?
そう考え、ダンジョン穴へ触れて自室へと移動。
移動の意思が有れば、触るだけで移動できるのは便利だ。
自室に戻ると、コチラでは時間が経って無かった。
あ、これさぁ、時差ボケてのに、なるんじゃね?
海外なんて行ったこと無いからさ、実際にはなったことはない。
けど、アレって活動時間のズレから発生するんだよな。
思いっきし一緒じゃんね。
ま、それでも行くんだけどね。
オバ様なヒルデガルデさんも、話してたら結構面白いしさ。
話してる最中に出されたお茶も、まぁまぁ美味かったしね。
あ、お茶かぁ。
確か、冷蔵庫へペットボトルのお茶とジュースが入ってたよな。
買い置きのクッキーも有ったか?
ウチではココ○ッツサブレが定番で常備されてる。
母さんが好きで、5袋は必ずストックされてんだよなぁ。
どんだけ好きなんやねん!
とりあえず、台所へと。
部屋からリュックを持って来たから、それへ入れる。
ふむ。
シュガースティックと胡椒が入った小袋も持って行ってみるか。
ファンタジーの定番だと、高値で売れるヤツだからな。
一応は言語理解っう魔術を覚えさせて貰った訳だし、多少の礼になれば良いだろう。
あ、そだ。
アノ魔術って、コッチでも有効なのか?
スマフォでサイトを開くと、英語で書かれた箇所が普通に読めた。
っか、あらゆるサイトの文字が読めるし、他国の動画内容が理解できる。
中東の文字が読めて、動画で流れる言葉が理解できたんだだが?
スゲ!
っかさぁ。
家の外から聞こえる、鳥や猫の鳴き声の意味が分かるんだが?
え?
もしかして、動物とも意思疎通可能?
近所の飼い猫が庭へ来ていたから、ちょっと声を掛けてみた。
「ミーア、また来たのか?」ってね。
コイツって、姉貴や妹の和美には懐いているんだよなぁ。
俺には、お情け的に擦り寄り通り過ぎるんだわ。
たまには触らせて欲しいんだが?
『にゃんにゃ、藤吾かにゃ?
小百合か和美はいにゃいのかにゃん?』
「ああ、2人は出掛けてるから数日は居ないぞ」って返したらさ。
『そうにゃんだ。
仕方ないにゃぁ』った後、一瞬硬直して・・・フギャ!ってね。
あ、驚いて毛が逆立って、飛び上がったよ。
尻尾がフワフワに膨らんでんだが、モフらせて貰えんかなぁ?
『にゃんで、吾輩の言ってる意味が分かるにゃん!
あり得にゃいにゃんね!』
うーん、コイツ、こんなキャラだったんだなぁ。
自分のことを吾輩呼びかぁ。
夏○ 漱石は正しかったんだなぁ。
「なんのことかな?
それより、俺、用事あるから」
窓越しだったから放置して2階へと。
『待つにゃー
説明するにゃー』
なーんも聞こえません。
っか、動物との意思疎通も可能なのかぁ。
チート過ぎね?
さて、自室に戻った訳だが・・・そのまま戻るのも芸がない。
昔、百均で買ったチャッちいオルゴールが棚にな。
それを取って、穴へ手を入れる。
それをヒルデガルデさんの後ろにある、チェストの上へと置いた。
向こうが時間停止中に、物を置いたのを気付かれるかの実験だ。
後は、棚に置かれている小物を机へと移動させる。
元々有った品を移動させて、気付かれるかだな。
さて、ちと小細工したが、アチラへ行きますかね。




