さて、食うもん食ったし、一休みぃ、一休み。
で、会計を済ませてから外へ。
結構、店内へ居たなぁ。
夕方近くになってるや。
俺は路地裏へと入り、転移門へと。
ヒルデガルデさん館の客室へとな。
食事も摂ったし、ちと寝るかな?
うーん。
部屋のベッドがなぁ。
この世界のベッドとしては、上等な部類なんだろう。
だが、かなり寝難いんですけど?
ちと、このベッドで寝るのはイヤかな。
だが、自宅へ戻って寝ると、アチラ側だけ時が進み、コチラでは、時々が流れない。
そうなれば、いつまでも出掛けられないぞ、っと。
だからさ、ベッドを創ってみました。
俺たちの世界で、1番寝心地が良いベッドを選定。
色々と有ったが、際物を除くとベッドは枠であり、肝はマットレスとなったよ。
ってもな、ベッド自体にも細工を。
なんと、小型サスペンション付きのベッドだ。
別にマットレスへのみスプリングを仕込む必要はあるまい?
で、マットレスへはスプリング!てぇのが定番なのかな?
だが、世の中にはウォーターベッドなる物がある。
スプリングが全てでは無いのだよ。
ん?
ならウォーターベッドにするのか?
それでは面白くない。
なにせ、この世界には魔術、いや、魔法があるんだからな。
今の俺は、魔術師のように術式へ縛られることはない。
理に繋がってるから、俺の意思を理、経由にて反映できるからな。
だからシンデレラへ出て来た魔女みたいに、カボチャを馬車へ変えることも可能だ。
っか、物質は不用で、精霊力を集めて創り出せるんだがな。
物を構成している粒子なんだが、コレは霊子からできている。
霊子を測ったり、認識する術は発見できてないため、現代人には知られてないがな。
素粒子とか色々と知られてはいるが、あくまでも、コチラは物質だ。
物質の概念から外れた霊子を認識する術が、発見されるのは先になるだろう。
で、なにが言いたいかと言うとだ。
素粒子などを構成する霊子を意図的に操れば、物が0から生み出せる、っうことだな。
魔術でチマチマ金属を創り出すなんぞしなくても良い訳だ。
だが、無理なこともある。
それは、シンデレラの魔女さんが、ネズミを御者に変身させたヤツだ。
アレ、本当に無理だから。
さっき語ったように、万物を構成する霊子を精霊力にて操り物を創る訳だが、霊子は意思に影響されるんだよ。
ネズミとは言え、生き物には意思がある。
植物にだって、多少は存在するんだぜ。
そんな意思は霊子への影響がな。
生き物の影響下へある霊子を、外部から干渉して操ることなどできない。
だから、ネズミを御者へ変化させることもな。
そう言う意味では、変化魔術がスキンを纏う形なのは、当然だと言える。
生き物の姿を変えることは、その生き物が有する霊子を操ること。
それが不可能なんだから、出来るハズがないわな。
だが、無生物ならば創造できる訳でな。
水属性の液体金属を。
こちら命精霊力および樹精霊力を帯びております。
水と同じような感じなので、水の上へ漂っているかのような寝心地なのです。
剥き出しの液体金属は、マットレスの形を保ち崩れません。
なので、液体金属の上へ直接寝れます。
そして、そしてですよ。
この液体金属は、一定温度を保つのです。
36.5度へ魔法で指定したから、その温度ですね。
で、マットレスへ寝た人の温度も、その温度へ保とうとします。
つまり、いつも適温なのです。
これへ、高級羽毛布団を創造して、っと。
さて、寝ますかね。
「・・・・と・・これ・・ごや、お・・
いい加減に起きんかぁっ!」
うわっ!
ビックたぁっ!
ん?
ヒルデガルデさん?
寝起きにヒルデガルデさんは、眼福です。
「ふぁー
ビックリさせないで下さいよ。
まったく」
「ソナタが起きぬのが、悪いのであろ!
いつまで寝ておるつもりじゃ!」
え?
いつまで、って?
「今、いつなんです?」って聞いたらな。
「皆、朝食を終えておるわえ。
いい加減に起きんか!」って返された。
アレぇ?
夕方になる前だったよな。
何時間寝たんだよ、俺ぇっ!




