防御魔術ったらさぁ、これっしょ!魔力盾ぇ、発動ぉ!
覚えた防御魔術は数種類ある。
空気の層で、物理攻撃や魔術攻撃を緩和する魔術とかな。
他にも、地水火風のソレゾレにて壁を作ったりね。
闇系は、ブラックホールみたいな感じで、敵を吸い込み放逐するヤツや、触れたら砂塵と化すヤツね。
えらい物騒やな。
まぁ、普通は魔力不足で発動しないみたいだ。
適合者も、滅多に現れないらしい。
ん?
俺?
普通に使えますが?
ただ、それらはココで試すのは不味いだろう。
時を止めて検証するのは何時でもできるから、ヒルデガルデさんの前で試してみるかな。
で、先ほどのバリアと、なる訳だ。
光の盾みたいなヤツらしく、ガ○ダムのビームシールドみたいな感じかな?
コレはロマンだ。
ワクワクが、止まらないってな!
こんなカッコ良いシールド魔術なら、ヒルデガルデさんにも見せるしかないっしょ!
「ちょっと防御魔術を試してみますね」っとな。
「ふむ。
あまり危ない術を、ココで使うでないぞえ」
心配顔で告げられました。
信用ないなぁ、もぅ。
「大丈夫ですよ。
盾を出すだけですから」ったらな。
「ああ、魔力盾か。
なれば大丈夫であろ」ってな。
まぁ、防御の魔術だからね、危なくはないだろうさ。
っても、先ほどの例みたいな、防御魔術?的なのもあるが。
俺は魔術を構成している術式を意識する。
なんとなくだが、術式が感じられるようになって来てんだわ。
理解している訳でも、解析できている訳ではない。
ただ、魔力の流れで、何をしようしているかが感じられるだけだ。
そんなんでもな、術式の矛盾や不要箇所とか、阻害している箇所がなぁ。
気に入らないから、そんな箇所を直してみた。
うん、なんかスッキリと魔力が通るようになったぞ。
さっきの出来損ない術式は、意外とストレスだったんだよね。
アレさぁ、ワザと魔術効率を下げてたんじゃないかなぁ。
意図的な感じがしたしね。
まぁ良いや、さて、発動させるかな。
そう思い術式を発動。
おおぅ。
青白い銀色?てぇ感じの光が、目の前へ展開される。
コレ、結構、綺麗だなぁ。
俺が盾を展開すると、ヒルデガルデさんが諦めたようにな。
「やはり、藤吾じゃな」っと。
いや、どゆ意味?
俺が首を傾げると、ヒルデガルデさんがな。
「色々と滅茶苦茶じゃが、まず、なぜ手の平から術が発動しておらん?
魔力盾は、手の平を起点に魔力を展開するものじゃぞ。
次に、なぜ高品質な水晶のような盾なのじゃ?
魔力盾は、手の平から魔力を放出し続けることで展開する物じゃ。
そのように安定した展開を維持できる物ではないぞぇ。
最後に、なんじゃ、その異常な持続時間は?
魔力盾の維持には、大量の魔力が必要なのじゃぞ。
ゆえに熟練者でも数分維持できれば良い方じゃ。
なぜ魔力盾で、そのような異様なことが出来るかのぅ」
そう告げて、ため息を。
うん、さっきから、ため息ばかりですね。
お疲れなんでしょうか?
「いや、この魔力盾って、ワザと魔力効率を下げるようになってましたよ。
あまりに気持ち悪いから、そんな箇所を直してみたんです」ったらな、なんか仰天された。
「なんじゃとぉ!
魔術式を解析し修正したと言うのかえ!」ってね。
だからさ。
「いやいや。
解析した訳ではありませんって。
魔力を術式へ流すと、気持ち悪い箇所が感じられましてね。
流しながら確認したら意味の無い術式や流れが悪い箇所、それにワザと邪魔している箇所が分かったんです。
そんな箇所を消したり直しただけですから。
別に術式を理解した訳ではなく、魔力の通りを良くしただけですよ」
そう告げたらな、ヒルデガルデがアゴが外れるほどに驚いてね。
どったんだろ?
「そ、ソナタは、感覚で魔術式を改修したと、申すのかや?
今までも滅茶苦茶じゃったが、出鱈目過ぎぬかえ?」
いや、そんなこと言われましてもねぇ。
照れますなぁ。




