そだ、変化魔術で変身だ!え?ダメ?なんでよ?
あ、そうだ!
「変化の魔術があるじゃないですか!
アレで、元の姿を模せば良いんじゃないんです?」ったらな。
「我には変化魔術の適正がないゆえ、使えぬぞえ」って言われたよ。
仕方ないなぁ。
「なら僕がヒルデガルデさんへ、変化魔術を掛けますよ。
それなら問題ないでしょ?」
だよね?
「問題、大有りじゃわい!
変化魔術は、術者自身にしか掛けれぬ術じゃぞ。
どうやって、我に掛けるつもりなのじゃ?」
あれ?
おかしいなぁ?
俺さぁ、作り出した石人形へ変化の魔術を掛けて成功してるよね?
「いや。
自分以外へも掛けれますけど?」ったらな。
「そんな訳あるまい。
誰かへ試したのかえ?」
そう返されたからさ。
「はい。
ちょっと試して、できましたけど?」
するとな。
「なんじゃとぉ!
誰に掛けたのじゃ!
肉体を変化させる術じゃから、危険だとは思わなんだのかや!」
いや、オコですが、この世界の人って、変化魔術を勘違いしてる?
「いやいや。
変化魔術は、肉体変化の魔術では無いですからね!
アレは、服みたいに外装を纏う魔術なんです。
だから自分より小さくは、なれないんですよ。
それに試したのは、僕が作った石人形へです。
キチンと発動したので、肉体変化では無いですよ。
変化を纏った石人形を斬ったら、中は石でささたしね」
「な、なんと!
無機物へ術を掛けれたのかや!?
そんな話し聞いたことも無いわえ」
ビックリしてますね。
まぁ、常識が覆ることなど珍しくはないからな。
そうじゃ無ければ、ガリレオなどの言葉は今でも嘘あつかいだろうさ。
「ふむ。
ならば、変化魔術を掛けて貰うのも、手ではあるのぅ。
じゃが、何時までも術を掛けっぱなしとは行くまい。
そう考えると、今の状況を説明し、周知した方が良いじゃろう」
うーん。
俺、っうか、転移門の力場範囲内なら、術が解けることはない。
そして、転移門の力場範囲は広がっているし、さらには、複数作り出した転移門が、あちこちへ設置されている状態だ。
え?
何時の間に、そんなことをしたのか?って?
いや、俺はしてないぞ。
転移門が勝手にしてるみたいだ。
まぁ、元々、俺の制御下にないからな、不思議では無いわさ。
で、ヒルデガルデさんが呼び鈴を鳴らす。
したら年寄りメイドさんが現れたんだがな。
「おやおや。
お嬢、若返って、まぁ。
それで、なにか、ご用でしょうか?」
いや、婆さん?
えらい反応が淡白やね?
普通、若返ってたら驚かんかねぇ?
それは、ヒルデガルデさんも思ったようだ。
「ソナタ、驚かんのかや?」
そう尋ねたらさ。
「いやいや、驚いておりますよ。
まぁ、そこな坊が、なにやらしたのでしょうな。
朝から色々と騒がせてくれておりますからなぁ。
不思議はありませんでしょう」
あ、俺のせいだと、バレてーらぁ。
つか、俺は坊あつかいかよ!
「ふむ。
そのように理解したのじゃな。
まぁ、間違えてはおらぬ。
それでじゃ。
このようになったゆえ、庵の者らへ周知しておこうかとのぅ。
リバーウッズとドラグスケールへは明日以降に向かうでな、そこで説明しようわえ。
その際は、何時ものように庵を頼むぞえ」
「畏まりました。
では、皆へ周知して参りますゆえ。
終わりましたら、報告へ参ります。
ついでに茶など持ってまいりましょうか?」
そう告げる老婆メイドさんへ、ヒルデガルデさんがな。
「そうじゃな、頼もうわえ。
藤吾へも出してやってくりゃれ」
「畏まりました」
カテーシーをして下がるメイドさん。
いや、カテーシーなんかを実際に見るのは初めてだぜ!
しかし、これから何をしようかな?
あ、新陳代謝以外の防御魔術を使ってねーや。
試してみるべきだろうな。
さて、どの術を使うかな?
このバリアみたいなのは、どうだ?
やはりバリアはロマンっしょ!
良し!
バリア魔術の検証だっ!




