表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/203

オバ様とのお話し、だよ?

「ふむ。

 日本語かぇ?

 それが、ソナタが話しておった言語かや?」


そのようなことをな。

不思議なことを言う。


「今、アナタが話しておられる言葉が、日本語ですよね?」ったらな。


「ふむ?

 我は、この辺りで共通語として使われている「バルファル語」で話しておったぞ。

 まぁ今は、我の種族語である「シルファーナ語」で喋っおるがのぅ」


はぁ?

ますます訳が分からん?


オバ様は、確かに日本語を・・・まてよ?

オバ様と話しが通じ始めた時って、何があった?


「あっ!

 もしかして、爆発した本が原因か!?」


あの現象が発生した直後から、意思の疎通が可能になっている。

そう考えると、原因は、あの本だとしか考えられない。


「ほぅ、意外と冷静ではないか。

 理知的だとも言えようか?

 ふむ、本に適合しただけはあるようだな」


そうオバ様がな。

適合?どう言う意味なのだろうか?


聞こうと思い、話し掛ける段階で気付いた。

俺、オバ様の名前知らないや。


だから、先に名乗らないのは失礼だと気付いた訳で・・・


「色々と尋ねたいことがありますが、その前に名乗りますね。

 僕は、渡部 藤吾(わたべ とうご)と言います。

 渡部が家名で、名が藤吾です。

 お招きいただき、ありがとうございます」


そう告げて、頭を下げる。


「ほぅ。

 家名持ちかぇ?

 しかし、家名が先に来るとは面妖な。

 ソナタらの世界では、それが普通なのかぇ?」


まぁ、家名が先に来る国は、地球でも珍しかったハズだ。

なので。


「いえ、僕の国は、そうですが、珍しい部類のハズですよ」


そう答えておいた。


「ほぅほぅ。

 それは面白い。


 うむ、色々と尋ねたい所ではあるが、まずは名乗るべきであろうな。


 我は、ヒルデガルデ。

 ヒルデガルデ・フォン・アルマデスである。

 見ての通りシルファーナ族であり、トルトゥーナ皇国のアルマデス子爵家三女じゃ。


 この地には遺跡探索に来ておってな。

 遺跡には、古代文明の遺物が多く眠っており、太古の魔術などが知れる場合がのぅ。


 我は魔術研究家でな。

 それらの知識を求め、この地へ庵りを築いておる訳じゃて。


 でな、先程、ソナタへ渡した本なのじゃが。

 アレは、我が作り出した魔術書じゃ。


 効果は言語理解でなぁ。


 色々と術式を組み入れ過ぎてしまってのぅ。

 書に適合できる者が居らなんだのじゃ。


 アレは素養も必要なのじゃが、何よりも学術的な鍛錬が必要でなぁ。

 まぁ、素養なければ、鍛錬しても身に付かんのじゃがな。

 だが我には素養自体がなく、使用できなんだのじゃよ。


 しかし・・・アレが容易く発動するとは、ソナタは学者か何かかぇ?」


うぇっ!

一気に話されて、なんとか理解したが・・・ちょっと勘弁して欲しい。

女性とのトークは、中々にハードルが高いかも。


まぁ、とりあえずは問い掛けに返すかな。


「いえ、学者ではないです。

 学徒と言うか生徒ですから、まだまだ未熟者ですよ」


そう告げたらビックリしている。

そして感嘆したようにさ。


「それはそれは、ソナタの国では、貴族教育が行き届いているとみえる」


ん?

貴族?

あれ?

俺って、貴族だと思われてる?


「あのですね。

 誤解があるみたいなので告げますが、僕は一般庶民の子ですね。

 中流家庭じゃないかなぁーなんて、願望を持ってるくらいの、ごく一般的な家の子ですから」


とてもでは無いが、貴族などとは呼べないだろう。


「はて?面妖な?

 ソナタはワタベと言う家名が有るのではなかったかぇ?

 貴族でも無いのに、家名があると申のかや?」


あー、アレか?

家名は、貴族のみ名乗れるってヤツかねぇ?


「それなのですが、僕の国では国民の全員が家名を持っているんです。

 大昔には、家名が無い人も居ましたが、今は居ませんね。


 それに国には一般庶民しか居ません。

 貴族制度では無いので」


そう告げたら、信じられないって顔で見られたよ。

まぁ、この世界では、そうなんだろーなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ