探索系魔術を習得したぜっ!いざ、起動ってな!
ま、問題ないなら良いや。
それよりさぁ、せっかく習得したんだから、使ってみるべきっしょ!
覚えたのは、熱源探知、生命探知、音探査、匂い探査、振動感知の5種類だ。
1つ1つを試しても良いが、まどろっこしいぜっ!
こんなんはさぁ、全部だよ、全部ってな!
覚えた探知系魔術を、一気に起動ってな!
うっはー!
5種類の魔術陣が展開され絡み合う。
こりゃぁ、綺麗だな、っと。
っか、ん?
魔術陣が展開されてんのに、探知情報が全く来ないんですが。
あれぇ?
んでさぁ、魔力の流れを確認してみるとな、俺ではなく転移門へ陣から魔力がな。
えっ?
どゆこと?
したらな、転移門から俺へとビジョンがね。
これって、地図?
平面図ではなく、立体的な地図がさ。
しかも、生物だけでなく、家具、いや、物質の位置っうか物が半透明で見えるんですが?
見たい場所を注視すると、そこがズームアップされる。
ん?
いきなり視点が変わった?
あ、ヒルデガルデさんだ。
どうしたのかと思うと、ヒルデガルデさんが話し掛けて来たよ。
「藤吾や、どうしたのじゃ?
いきなり黙り込んでおるが、何かあったのかえ?」
わー、これ、コチラが意識を向けるべき方向へ、視点切り替えしてくれたのか?
ビックリ!
「いや、あのですね。
探知魔術を試してみたんですよ」
「ほほぅ。
して、どの魔術をじゃな?」
そう聞かれたらからさぁ、素直に答えましたよ。
「とりあえず、ぜんぶ起動してみました」ってね。
「はぁ?
いや、聞き間違いかえ?
すべてを起動したと、聞こえたのじゃが?」
「はい、そう言いましたけど」ったらな。
「なんと無謀なことをするのじゃ!
大事ないかえ?」
なんかヒルデガルデさんが焦ってるんだが・・・俺、何か不味いことした?
「え?
別に何もないですけど?」
どったんだろ?
「はぁ?
いや、ソナタが規格外とは言え人のハズじゃ。
人じゃよな?」
なんで人かを尋ねるかねぇ。
失敬なっ!
「人に決まっているじゃないですか!
酷いですよ!」
ほんとうに、もぅ!
「ならば、なぜ無事なのじゃ?」
いや、どゆこと?
「探知魔術で得る情報は莫大となる。
じゃから、普通は一系統、多くて2系統の魔術しか使わぬ。
5系統の魔術を同時に使用したりすれば、人のキャパシティを超えてしまうでな。
下手したら廃人じゃ。
なのに、問題ないじゃと?」
あれ?
俺、危なかったの?
思わず冷や汗がタラリってな。
これ、転移門に救われた?
「実はですね、魔術陣から探知情報を直接得てないんです」ったら、不思議そうな目でみられたよ。
いや、訳分からんよね。
俺も分からん。
「いや、その、あのですね」
「ハッキリせんかっ!」
「はいいっ!」
思わず、反射的に敬礼を。
いや、なぜに敬礼?
「魔術陣が得たと思われる情報は、魔力となり転移門へ吸い込まれたもよう。
私は、魔法陣から一切情報を得られておりません、サー!」
「なんなんじゃ、その話し方は?
普通に話さんかい」
ちょっとオコみたいです。
「ちょっと緊張しましたので」
「ソナタは緊張すると、あのような話し方になるのかえ?」
そんなに不思議かねぇ。
「しかし探索系魔術から、一切情報を得られぬのなら、覚え損じゃのぅ」
やれやれ、っう感じでね。
「いやいや、探索系魔術からは直接情報を得てませんが、転移門から情報を纏めた感じで受け取ってますよ」
「はぁ?
なんじゃ、それは?」
「いや、僕にも良く分からないんですが、辺りの情報が立体的な地図として見れてますね。
半透明で視界を邪魔しませんし。
ん?
もしかして、コレって脳内へ展開されてる?
拡大縮小も出来るし、視点切り替えも一瞬だ。
上から俯瞰して見れるし・・・
あ、複数出せるみたいだ。
これスゲ!
高性能過ぎね?」
思わず熱中しましたよ。
仕方ないよね。
「あー、なんじぁ。
うむ、藤吾じゃからのぅ。
有り得んことは、有り得ないのが藤吾じゃてのぅ。
そう思わんと、やってられんわい」
なんか仰っておられますが?
どったんだろね?




