さて、邂逅と行こうかな、大丈夫かなぁ?
行くとは決めたが、さて、どのようにするかな。
まぁ、建屋の中とか、庭先へ出るのは止めた方が良いだろう。
まぁ、常識的にもそうだが、俺がされたらイヤだしな。
だってなぁ、自宅に見知らぬ人が無断で立ち入ったら、誰でもイヤだろ?
それが庭先でもさ。
自分がされてイヤならしない。
これは常識だ。
まぁ、チュン国の人はしそうだけどな。
集落へ繋がる道側も避けた方が良いだろう。
何処から来たって話しになった際、矛盾が生じそうだ。
つまり俺が、この地へ降り立った場所が良いんじゃね?
ただアソコは、かなり遠い。
だから、アチラ方向で建屋に近く、さらに安全そうな所がベストだろう。
小屋からは集落近くへ流れていた川が見えた。
川向こうには道が在るのを上空から確認できている。
橋が架かっていたら、集落まで楽に行けるんだろうな。
ただ建屋近くの川辺には、小型のワニみたいなのがな。
危なくて近寄れないだろう。
だから、そちら方向へ行くのは厳禁だな。
そうなると、移動できる場所は限られるか。
そう考え、決めた場所へと穴を潜り出る。
昨夜振りに、ダンジョン内へと来た訳だが・・・ここ、明らかに別の世界だよな?
俺の追尾型ダンジョンが特別なのか、それとも、他のダンジョンも実は別世界に通じているのか・・・まぁ、今、考えることでは、無いか。
入った場所からは、あの建屋が見える。
それでも200m以上は離れているだろうな。
俺が建屋を確認し、そちらへ歩き始めるて暫くすると、建屋の裏口から人が出て来た。
なにやら慌てているみたいだ。
そして、現れた人の表情は険しい。
あの温和そうなエルフなオバ様が、キッっと引き締まった顔でコチラを見てるんだが?
俺、何かしたっけか?
で、俺を見た途端に戸惑ったような顔に。
どうも予想外な事態に遭遇したっと言う感じか?
なんだろな?
何やら話しかけて来たが、当然分からない。
「済みません。
どうも言葉が違うみたいで分からないんですが」
通じないとは分かってはいるんだが、俺は日本語しか話せないからなぁ。
まぁ、英語が話せたとしても通じないだろうけどさ。
したらな、オバ様が困ったような顔で、頬へ手を当ててる。
そして、何かを思い付いたような顔に。
一緒に建屋から出て来たメイドさん2人の内、1人へ何かを告げる。
すると、言われたメイドさんは建屋へと。
どうしたんだろ?
そう思ってると、オバ様が手招いている。
こっちに来いってか?
一応は危険では無さそうだが、何があるか分からない。
だからダンジョン穴を、直ぐに触れられる場所に設置しておく。
俺が動くと、俺との相対的距離を保ちつつ移動してくれるからな。
さっき試したんだが、軽く接触し移動の意思があれば、元の世界へと戻れるんだよ。
なので危ない場合は、即座に戻れるようにな。
退避可能準備はできているから、俺はオバ様の方へと。
すると、着いて来いて感じでな、オバ様は建屋へとね。
俺は戸惑いながらオバ様の後へと続く。
建屋へと入り通された場所は、オバ様達が居たリビングだった。
先程とは違うのは、机の上へ薄い本が置いてある所か?
紅色の表紙へは、幾何学模様が描かれている。
オバ様は、その本を取ると、俺へと手渡して来た。
なんだろな?
不審に思いつつも受け取り、本を開くと・・・
バシュッ!っう音と共に本が爆発したぁっ!
んじゃ、こりゃぁっ!
青白い爆炎が俺を一瞬包んだような?
いや、熱くも痛くもなく、衝撃も無かったんだが?
幻覚か?
「ふむ。
適合したみたいじゃのぅ。
珍しい」
そのような声が。
え?誰?
俺以外にも日本人が、コチラへ来ているのか?
俺は、慌てて辺りを見回す。
したらオバ様が呆れたように。
「何を、慌てておるのじゃ?
落ち着くが良い」ってな。
へ?
いやいや。
「いや、なんで日本語喋ってるんです?
さっきまで、話せていませんでしたよね?」
思わず突っ込んだ俺は、悪く無いハズだ。
だよな?