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え?エリクサー?違います!ケーキです!

フォーさんの説明を聞いて、ヒルデガルデさんが仰天してる。

そして、服の袖下に隠れていた前腕を出す。


ん?

包帯が巻かれているんだが?


その包帯の上から触って確認しているみたいだ。

どうしたんだろ?


「治っておるのか?」

そう告げてから、包帯を外す。


「なっ!

 火傷後まで、綺麗に消えておるぞ。

 あのケロイドは治らぬハズ。


 跡形もないではないか。

 コレは凄いぞえ!」


結構、酷い怪我だったんだろうか?

しかし、なんで怪我を?


「怪我してたんですか?」ったらな。

「先般、遺跡探索しておったら罠に掛かってのぅ。

 幸い、前腕を少し切って火傷を負うた程度でな。


 まぁ、命には別状ない程度じゃ」


いや、危ないなぁ、をい!


「ま、まぁ。

 治って良かったじゃないですか。


 それでですね。

 他にもケーキ有りますが、食べます?」


誤魔化した?

それがなにか?


まぁ、こんなので、誤魔化せるハズも・・・


「おおっ!

 コレだけの品を造った店の菓子であろ?

 それは、是非とも食したいぞぇ!」


あ、食い付いた。


「そうでしょ、そうでしょうとも。

 では、次のケーキを出しますね」


さて、何を出すかなぁ。

うーん。

大量に買い過ぎたかな?


そうだ!

ザッハトルテにしよう!


前に読んだ小説に出てたんだよね。

なんでも、チョコレートケーキの王様らしい。


オーストリアのウィーンで生まれたチョコレートケーキらしく、その味は極上なんだとか。

濃厚なチョコレートの味わいとアプリコットジャムの酸味が絶妙なバランスを保つらしいな。


小説の作者は、高速のサービスエリアで土産として買ったらしい。

そんな土産品でもチョコがクドくないのに濃厚で、なんか分からないがジャムみたいなのが、味を引き立ていたらしい。


いや、それさぁ、アプリコットジャムじゃね?


食テロ気質な作者が絶賛しててね、できたらケーキ屋で買いたい、って書いてたなぁ。

食べれたんだろうか?


そんな前情報を知ってたザッハトルテだぞ。

そらぁ、食ってみるしかないっしょ!


俺は自分の部屋へ置いているキャリアーから、転移門越しにケーキを取り出す。

うん、動いているのは俺だけ。

他は、時間停止中ってな。


キャリアーからザッハトルテを取り出して、魔術で切り分けてから皆の皿へと。


魔術で浮かせ、魔術で切り分け、魔術で漂わせて各皿へと。

うん。

魔術って便利!


あ、いや、違った。

これってさぁ、魔法なんだっけ?


まぁ、どっちでも良いや。

兎に角、便利です。


各皿へと配膳を終えたので、転移門を離す。

したらな。


「そいか、そうじゃな。

 さて、どんな菓子か気になるのぅ。

 さぁ、早よ出すのじゃ!」


そう言うのでね。


「既に出してますよ」ってな!


「なにを言って・・・

 本当じゃのぅ?

 いつの間に?

 あ、そうか。

 ソナタは、時が止められたわえ」


勝手に合点してくれたみたいだ。


「しかし・・・

 この皿に乗っておるのは菓子なのかえ?

 炭ではのうて?」


なんてこと言うんですかぁっ!

っても、チョコがない世界で、真っ黒な代物を皿に乗せられ供されればなぁ。


「これはチョコレートって言う菓子を使っているんです。

 これも、冷えてた方が美味いですよね」


そう言って、何気なくケーキを冷やす。


「なっ!

 藤吾、待つのじゃ。

 あやぁ、遅かったかぁ」


「そうやなぁ。

 大量に精霊力が込められておるや。

 しかし、黒い菓子かや?


 妾は人が食す物に詳しゅうないのやがの。

 黒い食べ物は、一般的なのかや?」


あ、しまった!

普通に冷やす積もりで、やっちゃったよ。

これ、トリップ案件ですね、分かります。


でもなぁ、これすると味が増すんだよね。

ん?ワザと?

なんのことでしょう?


「コチラでは分かりませんが、僕の世界では一般的ですね。

 皆さん、不安みたいだから、僕が先に食べますね」


そう告げ、フォークで切り分け口へと。

んじゃぁ、これ!

ウメぇっ!

堪らんぞいっ!ってなっ!

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