この美食、美味なる原因を、追求せよ!ってね。
皆が食べ進めると、当然だか無くなる訳でな。
ヒルデガルデさんは空の皿を、しばしカツン、カツンとフォークで刺してたよ。
だが、ハッとした感じで、空になった皿を見ている。
なんだか悲しそうやね。
「いつの間にか無くなっておるのじゃが?」
いやいや!
「シッカリと、食べらてましたよ?
で、どうでした?」
そんなん聞いてみる。
っかぁ、カツンカツン五月蝿いなぁ、もう!
精霊さんたちは、まだ空の皿をフォークで突いています。
うん、トリップ中やね、放っておこう、そうしよう。
「うむ、実に美味かった。
美味かったのじゃかの。
本当に、大丈夫なのかえ?」
精霊さん達をみながらね。
確かに異様だよね、あれ。
「まぁ、陶然となるほどに美味かったですからねぇ。
って、ん?」
アレぇ?
待てよ?
ケーキ屋の喫茶スペースでケーキを食べてた客って、普通に食ってたよな?
同種のケーキを食べてた人も居たしさ。
もしかして、店で買った時とは違ってる?
え?
なにが違うって、言うんだろ?
「ほぅ?
なにやら思い至ったのかのぅ?」
そう確認されたが、ハッキリとは分からない。
「いや、買った店で菓子が食べれるんですけどね。
そこで食べてる人たちは、普通に食べてたんですよ。
僕たちが食べていたのと同じ菓子を食べっていた人も居ましたし。
元のケーキとは、何か変わってしまった?
いや、何かしたか?
俺?」
思わず考え込んでしまった。
最近の癖で考えごとをする際には、自然に転移門へ触れている。
いや、天位門から俺へ接触する感じか?
だから時は止まっている状態だ。
この状態で考えるのだから、時間は気にしなくとも良い。
まずは事実確認からだな。
1.ケーキ屋のケーキが原因ではないこと。
これはケーキ屋の喫茶スペースで、客が普通に食べていたことから、間違いないだろう。
2.転移門で移動させたことが、原因ではないこと。
コレなんだが、食べ物を移動させたのはケーキが初めてではない。
母さん大好き「ココ○ッツサブレ」も、コチラへ持ち込んでいる。
俺も数枚摘んだが、いつもの味だった。
転移門で移動させたら美味くなるなら、ココ○ッツサブレも同様になるハズだ。
そうなると、コレら以外が原因になる訳なんだが・・・
俺、何かしたか?
思い出せ、思い出すんだ。
後は、魔術でカットした?
いや、カットしただけで、アレだけ美味くなるか?
後は・・・
ハッ!
「もしや・・・
魔術でケーキを冷やしたから?
可能としたら、それしか無いが、それで美味くなるのか?」
そう呟くとヒルデガルデさんがな。
「む?
藤吾、今、何と申したのじゃ」ってな。
あ、転移門は俺の考えが纏まった時点で、俺から離れてる。
俺の思考に反応してんのか、コレ?
ますます謎な存在だよなぁ。
「えーっと、魔術でケーキを冷やした、ことですか?」ったらな。
「聞き間違えではなかったようじゃのぅ。
我は冷気を操る魔本を、藤吾へ渡してないはずじゃ。
何故に魔術が操れるのじゃ?」
不思議そうに聞かれたら、答えてあげるのが、世の情け、ってなぁ!
「精霊召喚の魔本で、10種類の属性精霊召喚が可能になったじゃないですか。
で、実際に精霊召喚したら、各属性の精霊力が分かるようになったんですよね。
そしたら、魔力属性も判別できるようになったので、その魔力を使って魔術を試したんです。
色々と試して使えるようになった1つが、物を冷やす魔術ですね」
そう告げたらさぁ。
「はぁ?
藤吾、それは魔術ではないぞぇ。
魔法と言うものじゃ。
魔術は術式を通してでしか操れるぬ。
ゆえに〔炎の矢〕と〔炎の槍〕は、別の術式が必要となるのじゃ。
単に大きさを変えるだけと思うじゃろうが、全く別物あつかいじゃてな。
藤吾は色々とした、っと言っておるが、簡単に色々できぬのが魔術でのぅ。
逆に色々できてしまうのが、魔法なんじゃよ」
あー、いつの間にか、魔法が使えるようになってたんだなぁ。
いや、マジでぇ?




