表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/203

さて、食べるべ!あ、挨拶が先?仕方ないなぁ、もぅ。

ヒルデガルデさん館の厨房へと戻る。

したらな。


「ソナタ、一瞬消えよったな?

 どこへ行っておったのじゃ?」ってねぇ。


いや、めざといなぁ。


「ケーキを綺麗に切る方法について調べてたんですよ。

 道具を作ろうと思ったんですが、魔術で綺麗に切れることが分かりましてね。

 既に切り分けましたから、乗せる皿を貰えますか?」


そう告げると、使用人の1人が用意してくれたよ。

ソコヘ切り分けたケーキを乗せる。

無論、時を止めてな。


壊す意思がなければ、停止状態だから持っても壊れない。

うん、食玩みたいやね。


12皿へ取り分けると、時止めを解く。


「いつの間にやら、菓子が皿へ盛られておるわぇ。

 さて、精霊には我らのマナーなど関係あるまい。

 ココで食すとしようかのぅ」


いや、マジで?


「食堂とかへは、移動しないんですか?」ったらな。


「この菓子はモロイのであろ?

 運んでおる間に壊れては、目も当てられんゆえにのぅ」


あ、そう言うことか。

ならさぁ。


「藤吾が運ぶのは、無しじゃぞ。

 藤吾は使用人ではない。

 我の弟子である。


 料理を切り分けるなどは、ホストが行う場合がある。

 じゃが、料理を食堂へ運ぶのは我らが行ってはならん。

 この辺りは、ハッキリさせぬとのぅ」


あー、何やら取り決め、っうか規則?があるみたいだ。

まぁ、使用人の遣ることを、ヒルデガルデさんの弟子である俺が行うと、彼女のメンツ的にマズいんだろう。


なんか、面倒だなぁ。


ああ、そうそう。

キャリヤーは、俺の部屋へ送っている。

アチラは時間が止まってからなぁ。

冷蔵庫など目じゃ無い、完全保管ってな。


ん?

いつの間にか、精霊たちが来たようだ。

いや、使用人が呼びに行ったみたいだな。


「呼ばれて来たけど、どうしたの?」

そうフォーさんがね。


そんな彼女たちへ、ヒルデガルデさんがね。


「アナタ方に来ていただいたのは、我が望んだからじゃ。

 精霊様方への挨拶が遅れ、まことに申し訳ない。

 我は、この庵の主人(あるじ)であるヒルデガルデじゃ。


 アナタ方を顕現もしくは召喚した藤吾の師匠でもある。

 こたびは、アナタ方を持て成すため、藤吾に菓子を用意させたのじゃ。

 その準備が整うたゆえ、コチラへ招させて(もろう)た訳じゃな」


「へー、そうなんだぁー

 ありがとねー」


「これ、フォー殿は。

 無作法な返答、申し訳ないやぁ。

 妾は樹精霊であるアロンタルトと申すものやでなぁ。


 ソナタの屋敷近くに生える精霊樹へ宿る精霊じゃ。

 で、コチラは水精霊のフォートナ殿。

 他の精霊は下位精霊で話せず、名もないゆえ属性での紹介に、させて貰うやえ」


そう告げると、アロンさんは精霊たちを紹介していく。

すべて聞き終えたヒルデガルデさんがな。


「丁寧な挨拶、痛み入る。


 して、つかぬことを尋ねるのじゃがな。

 アロンタルト様は、我が庵近くへ生える精霊樹へ宿られておるのじゃとか。


 ここへ顕現されておられるようじゃが、木の方は大丈夫なのじゃろうか?」


不安そうに尋ねてるな。

まぁ、魔本の素材を得ている木だ。

枯れでもしたら大事だよね。


「顕現と言いましてもや、分体顕現やでなぁ。

 本体は精霊樹の方であるのや。

 せやさかい、木が枯れることはないでなぁ」


そう教えられ、ホッとしたようだな。

さて、そろそろ食いたいなぁーっと。


ケーキへは、それぞれ小型の転移門を貼り付けてある。

だから痛むことはない。

時が止まるからな!


そして時止め前に、軽く魔術で冷やしてあります。

冷たい方が美味そうだったからね。


でもね。

このフルーツケーキって、色んな果物が、ふんだんに使ってあってさ、実に華やかで美味そうなんだよっ!

まるで、待てされた犬の如し、ってな!


わんワン、早く食べたいワン、ってな!


そんな俺の様子に、ヒルデガルデさんが苦笑しながらな。


「アナタ方を招くために用意したのじゃが、弟子が我慢できぬようじゃ。

 さて、藤吾が用意した菓子を、頂こうではないか」


そう告げられたので、直ぐにフォークを持ちましたよ。

ん?

なんか視線が集まるんだが?

ま、良いか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ