横浜、その郊外の菓子屋へ行って、みた!ん?呼び方変えろ?知らんなっ!
人通りがなく、カメラも無い路地裏へ転移門から出る。
ここが横浜かぁ。
っても、離れも、離れ。
海からも離れている。
街中だから、緑がないんですが?
俺が住む町は緑が豊かだからなぁ。
コレが都会と言うヤツか?
誰だ!
俺の住む町が、田舎だってるのはっ!
そうなんだがよっ!
路地裏を出て菓子屋へ。
え?
せめてケーキ屋、出来たらスイーツ専門店って呼べ?
そんなシャレた呼び方なんざぁ、知らんなぁ。
そんな、たわいもない事を考えながら、路地裏から出る。
少し先に例の店が見えたよ。
先ほどケーキを選んで居た客が居たが、今は減ったみたいだ。
俺が店の前へ行くと、自動ドアが俺のために開いてくれる。
入店を知らせるチャイムが鳴ると、店員さんがな。
「いらっしゃい、まっ、せぇー」
いや、独特なイントネーションやなっ!
店へ入り、ショーケースの前へと。
色々とあるな。
買うのは良いが、持ち帰るのが大変そうだ。
「色々買いたいが、量を買うとケーキが形崩れするなぁ」ったらさ。
「お返しいただくのが前提ですが、ケーキ持ち運び用のキャリヤーを、ご用意しております。
車輪付きで電動アシストが付いておりますので、この近辺ならば楽々運べますので」
まぁ、近所から買いに来たのが前提だはなぁ。
「ふーん。
それ、どんなのか見せて貰うこと出来るかなぁ?」
「良いですよ。
少々お待ちください」って、奥へ引っ込んだ。
まぁ、他にも店員が居て接客してんだがな。
奥へ向かった店員が、ほどなく帰って来る。
後ろに箱型の代物を引き連れてな。
一応は、手を添えているが、牽いている感じには見えない。
自動で動いてるのか?アレ。
「コチラになります。
左右共に3車輪を三角形に配置しているタイプですね。
この形式だと階段も上がれますので。
サスペンションが所々へ配置されており、内部への振動を抑えます。
だから品物が痛むことを防げるんですよ」
へー
結構、凄い品だよね、これ。
高いんじゃね?
「確かに、コレなら形崩れさせずに運べそうですね。
でも、高いんじゃないんですか?
盗まれません?」ったらな。
「ほほほっ。
今時、そんな割に合わないことする人は居ませんよ。
昔では無いんですから」
あーねぇ。
あの災害の後、罰則がなぁ。
何せ盗みを働き捕まったら、右腕切断だからな。
あ、詐欺も同様だ。
いや、コチラは声帯を潰されるから、さらに厳しいかも。
コレってさぁ、国際法だからね。
国外に逃げても、捕まったらアウト。
下手に逃げたら、捕縛じゃ無く、生死不問で犯人を追えるらしい。
今では犯人討伐を生業にしている専門家が居るんだとさ。
まぁ、普通に生活していれば、問題ないんだけどさ。
「まぁ、当然発信機が付いてますよね?」
「当然、付いております」
だよね。
200年前には、個人所有の発信機であるAirTagが売られていたらしい。
碁石ほどの大きさだったんだと。
デケェなぁ。
今はヘアピンほどの大きさで、探知範囲は人工衛星が網羅出来る場所全て。
しかも十数年は継続使用可能なんだよ。
無論、個人でも買えるぞ。
昔と違い、電池の容量と質が向上。
特に放電を防ぐ技術が進み、持ちが良くなっているんだ。
そして、多分だが・・・
「発信機、アチコチへ埋め込んでます?」
「それはもぅ、タップリと」
ですよねぇ。
「こんなに高性能なら欲しくなるかも。
どこで売っているんです?」ったら、笑わられた。
なぜに?
「お客様。
買われて、何に使われるんです?
コレ、ケーキなどの壊れ物搬送に特化した物ですよ?」
あ、言われてみたら、確かに。
「そっかぁ。
買っても、使い道がないなぁ」って、思わず頭を掻く。
「ふふ。
面白い、お兄さんですねぇ。
それで、どうされます?
あ、キャリヤーの貸し出しは、ホールケーキ3個以上をお買い上げの場合に限りますからね」
まぁ、単品購入者へ貸し出してたら、キャリヤーが足りんわなっ!




