っしゃぁっ!現ナマをゲットだ、ぜぇいっ!
「ん?
まぁ、無いこともないが?
何故だね?」
っか、いくらでも金は創れるからなっ!
それでも魔力次第だから、普通は大量には創れない。
だが、俺は転移門から流れて来る膨大な力がある。
なので無尽蔵に生み出すことが可能なんだよ。
「なら、また売りに来ていただけませんかね?」
そんなことを聞いて来るんだが?
「確約はできんな。
取り引き相手が、必ず売ってくれるとも限らんし。
まぁ、手に入って、ココら辺へ来ることがあれば、寄らせて貰うが?」
ちと、戸惑いながら告げるとな。
「それで構いやせん。
いやぁ、多少なりと金が手に入り助かったんですわ。
今は金の取り合いでしてね。
手に入らず頭を抱えてたんですわ。
前からもでしたが、ここ最近は、特に酷くてねぇ。
入手の可能性が少しでもあるなら、可能性を上げておきたいですからなぁ。
なので期待を掛けてではないですが、オマケして2千5百万円で買い取りやしょう。
そちらのジュラルミンケースへ入れれば、良いですかね?」
あら?
50万も上げてくれたよ。
貴金属不足とは聞いたが、ココまで深刻とはね。
まぁ、日本近くの滅んだ大国が悪い。
貴金属を溜め込んでいたそうなんだが、原発や各施設がな。
さらにダムが決壊して、汚染された水が国土を。
貴金属は全て汚染されて危険であり、再利用は厳しいらしい。
国に住めなくなった者たちが、他国へと。
だが、あまりにマナーが悪過ぎ、犯罪も増加。
ゴキブリ並みに忌避され、各国から追い出されてなぁ。
今はシベリアの端へ避難地が用意されて、ソコで暮らしているらしい。
っか、ソコって犯罪大国で、アチコチの国へ犯罪者を送り出して問題になってるって聞いたんだが?
災害復興が終わり、世の中が安定して来た今、討伐が検討されているらしい。
まぁ、クズ共の話しは良いか。
兎に角、今の時代は貴金属不足。
金以外もな。
まぁ、他は出すつもりは無いが、今度は銀やプラチナも持ち込んで良いかもな。
そんなことを考えていると、奥へ入っていた店主が帰って来た。
「代金を入れて来たよ。
確認するかね?」
そう言って、ジュラルミンケースを買い取り台の上へ。
俺は転移門に触れ、時を止める。
そして、ジュラルミンケースを開けると、紙幣を数えはじめた。
紙幣は新札ではない。
だから、紙帯で纏められてもないからな。
丁寧に数えましたよ、なにか?
キッチリ2千5百枚あったので、ジュラルミンケースへと戻す。
そしてケースを閉じた後で、体から転移門を離した。
そして、時はぁ、動きだす!ってな!
「いや、結構だ。
店主を信用しよう」
そう告げてみる。
まぁ、キッチリ確認したがなっ!
「ほぅ?
良いので?」
「ふっ。
持ち帰れば分かることだ。
不備がアレば、2度とココへ来ないだけ。
それでは、店主は困るのであろう?」ったらな。
「旦那にゃぁ、敵いませんなぁ。
まぁ、その通りなんですがね。
で、お願いってか、希望なんですが」
ん?
「もし、銀とか、プラチナなどのレアメタルを手に入れたら、お願いできないかと。
金も不足していますが、そちらも枯渇気味でして。
お持ちいただければ、勉強いたしますので」
手揉みしながらニコヤカにな。
俺は、ちょっと引きながら。
「流石に約束はできんな。
レアメタルは希少ゆえにレアなのだろ?
そうそう、手には入らんだろうに」
呆れたように告げてやる。
まぁ、魔術で創り出せるんだがなっ!
「それは、そうなんですがね。
商人の感と言えば良いんでしょうか?
旦那なら、ドコからか手に入れて来そう、そう思えましてなぁ」
いや、確かに手に入れられるけどさぁ。
店主、おそろしい、オッサン!
「う、うむ。
まぁ、手に入るか分からないが、手に入ったら持って来よう。
ただ、手に入っても量は多くはないだろう。
それは容認して欲しいのだがな」
「それは、もう、はい」
うわぁ、凄く嬉しそう。
早まったか?
「では、また来る」
そう告げ、店を後にするのだった。




