精製お願いしゃーす!え?ダメなの?なぜにぃ!?
しかし、魔術で金を作り出すってさぁ。
この世界、頭おかしいぞっと。
良いぞ、もっとやれ!ってな。
なら、早速だけど頼むかな。
「ヒルデガルデさん」
「我は、せぬぞ」
なんですとぉ!
俺が驚いているとな、ヒルデガルデさんが、ため息を吐いてさ。
「のぅ、藤吾や。
今、我はソナタへ教える魔本を選定しておる。
複製本がない場合は、複写しながらのぅ。
当然、魔力は減っておる訳じゃ。
石から金を精製するとなれば、当然ながら莫大な魔力が要る訳じゃぞ。
それを、今の我へヤレと?」
あー、なかなかに鬼畜ですね。
うん、無理だね。
「ほれ、岩石精製と鉱石錬成および金属変性の魔本じゃ。
これで術式を習得するが良い。
岩石精製で適度な石を魔力から精製し、鉱石錬成にて金まで錬成するのじゃな。
それにより純度が高い金を生み出せるのじゃが、そんな鉱石が自然界に存在するハズが無いでのぅ。
ゆえに、金属変性にて金を形成しインゴットにするが良かろう。
どうせソナタのことじゃ、時を止めてやるのじゃろ?
なれば時間なども、どうでもなるであろうからの」
そんなん言われるからさ。
「あの〜、ヒルデガルデさん?」
「なんじゃ?」
「魔本に適正無ければ、術式習得できないのでは?」
だよね?
「藤吾じゃから、大丈夫じゃろ?
ほれ、はよ習得せぬか」
なんか釈然としないんですが!
まぁ、やるかね。
で、俺は受け取った魔本を開いていく訳なんだがね。
うん、分かってた。
全て習得できましたが、なにか?
俺、実は、どこぞの主人公?
ヒーロー的な何かだったり?
止めよう、俺は高2だ、厨2ではない。
ん?
似たようなもん?
んな訳、あるかぁー!
いや、無いよね?
「やはり習得しよったか。
流吾じゃな」
いや、その呼び方さぁ、止めません?
「習得できたなら、早めに精霊様を持て成す菓子を買って来て欲しいのじゃが。
頼めるかのぅ?」
まぁ、色々お世話になってるし、騒ぎの原因は俺だしな。
今も、俺のために魔本を用意してくれているんだ、コレくらいはなぁ。
「分かりました、行って来ます」ってから、転移門へ触れる。
2つの世界が凍結したように止まる。
動くのは、俺だけだな。
さて、習得した魔術を使うか。
っても、ここは不味いだろう。
確か、精霊召喚した場所の近くに洞窟があったな。
奥まで見えなかったが、アソコはどうだろう?
自宅でも良いけど、重量で床が抜ける可能性もな。
そう考えると、外が良いだろう。
だが、俺の世界だと見付かる可能性があるからなぁ。
そうなるとコチラの世界なんだが、コチラは治安が悪そうだから、盗まれる可能性がある。
なので、洞窟内で作るつもりなんだよ。
転移門を洞窟付近へ作る。
その転移門を動かして内部を確認すると、結構な深さが有ったよ。
で、手前にさ、熊さんが居を構えてらっしゃった。
あれ、人が突破するのは無理だな。
奥の方では崩落したみたいで、洞窟が遮断されていたよ。
結構な規模が隔離されたみたいだ。
転移門を動かし、問題なさそうな場所を探す。
適度な大きさのホールを見付けたので、そこで作業だな。
転移門で移動するが、転移門からは離れない。
そうすれば、世界は動かないからな。
俺は精霊召喚と同じように、手へ魔力球を。
両手へ、それぞれ作った魔力球を合わせ思念を乗せ術式を発動!
ホールへトランク位の石ブロックが現れた。
「良し!」
ん?
なんで小石大じゃ無いのかって?
そりゃ、大きいので作って、それを合成した方が楽だからさ。
なら、もっと大きくしたらって?
いや、洞窟の大きさ的にさぁ。
それに、金は銀2個、銀は鉄2個、鉄は銅2個で、銅が石2個必要なんだ。
同一種を集めて精製した方が楽だとおもうからさ、金1つ精製するには石が16個必要な訳で、ココへ、それだけの数を出すとなるとな。
しかし、作った石の場所への移動も面倒かも。
あ、転移門を動かして、転移門越しに作業すれば良くね?
ん?
アレ、なら外で作業して、出来たのをコチラへ移動させれば・・・
良し!
気付いた俺、エライ!ダメかなぁ?




