魔本?渡されたから、使いましたけど?
メイドさんが部屋から出て行って、しばらくすると館内が騒がしくなったような。
そしてヒルデガルデさんは、額へ手を当てて溜息を。
どったんだろ?
「どうされたんです?」ったらな。
「どうもこうも無いわえ!
精霊を招くなんぞ、したことも無いからのぅ。
さて、どうしたものか?
そうじゃ、藤吾の菓子ならば!
アレを持って来るのじゃ!」
そんなん言うんですが?
「無理!
アレ、家の買い置きだから、コレ以上持ち出したら怒られるから!
買いに行っても良いけど、僕、そんなに、お金を持ってないし」
高2の財力なんて、無いようなものです。
「換金も難しいのじゃったか?
ふむ、ではの。
この魔本を使ってみよ」
そう言って、1冊の魔本を俺へと。
なんだろね?
「なんです、これ?」
そう言いながら本を開くと爆発した。
あ、魔本に適合したら爆発して、術式が読者へ付与されるんだった。
忘れてたわっ!
あー、ビックリしたぁー
それで俺、何を会得したんだ?
そう思うと、習得した術式が脳裏へと。
自然に術式の意味が理解でき・・・マジ?
「ほぅ?
習得できたようじゃのぅ。
流石は藤吾じゃ、流吾じゃな」
変に略すなぁっ!
「変化の術って、何ですかぁ!
え?
人族に限り姿を変えられる?
衣服も自由自在?
ただし自分より小さな者にはなれないのか?
あー、ねぇ。
これ、あれだ、アレ。
魔力で外皮を纏うように、ゲームなどで言うスキンみたいの纏う感じか?
そらぁ、外殻っうか、外皮みたいなのを纏えば、どんな容姿にもなれるわな。
って、え?
このスキンって、防刃防打撃に魔力耐性が高く、防具としても優秀?
状態異常系の関与に対しては、全て防いでくれる?
最強防具じゃねーかぁ!
最強、最強かぁ。
とりあえず、シ○ワちゃんにでもなってみるか?」
ガタイがデカく、筋肉ムキムキなコワモテ。
多少は残っていたデータから復元された、タ○ミネ○タ○と言う映画は、数年前に大ブレイクしたんだよなぁ。
200年以上前の映画を復元した物なのに、凄いよな!
そんな映画の主人公的敵キャラを演じたシ○ワちゃん。
本名不明。
シ○ワちゃんとしか分からないが、あの大男には憧れがな。
まぁ、筋肉が付き難い俺は、細マッチョにしかなれないんだが。
そんな俺でも、この魔術を使えばシ○ワちゃんに。
良し、やるか!
「へーんしん、シ○ワちゃん!」って、術式を発動。
あ、しまった!
自分じゃ、自分の姿を確認できないや!
「と、藤吾ぉ!
なんと言う者へ変化しておるのじゃっ!
オーガ、かえ!?」
ん?
オーガ?
範○ 裕○郎?
あ、鬼のことか?
まぁ、そう見えないことも無いかなぁ。
「違いますよ!
僕の世界の映画・・・観劇俳優さんです。
結構、有名な方なんですよ」
「ほへぇ。
そんな鬼のような、大男が、かえ?
3m以上ありそうなんじゃが。
デカいのぅ」
あ、大きさ間違えた!
慌てて解除し、再度、変化を。
2m以下へ抑えたんだがな。
「それでも、十分デカいわっ!
こんな人間が彷徨いておるなら、ソナタの世界も十分危険じゃな」
「いやいや。
居ないことも無いですが、こんな感じの人は多くないですからね!」
このスキン、声もシ○ワちゃんになっています。
さて、名前を[アーロン・ネッガ]にでもして、アチラで金策するかな。
でも、売る物をどうするか、だな。
「ふむ?
今度は、なにを悩んでおるのじゃ?」
そう問われたのでな。
「いや、あのですね。
アチラにて金を稼ぐには換金が1番なんですが、何を換金するかをですね。
金とか有れば、簡単なんですけど」
「はぁ?
あんなので良いのかえ?」
いや、あんなの、ってさぁ
「変性魔術が使える魔術師ならば、容易く手に入る代物なんじゃが?」
「え?
どうやって、です?」
錬金術でも使うのか?
「いや。
道に転がっておる石を二つ持ち合成変性するとじゃ、銅や錫などの下位鉱石になるのじゃ。
そのような下位鉱石から同種を二つ持ち変性させると、鉄ができるでな。
更に鉄からは銀、銀からは金が。
金からはプラチナと言うように、金属の階位を上げれるでのぅ」
はぁ?
それって、チート過ぎませんかねっ!




