行くべきか、行かざるべきか。
起きた俺は台所へ。
社宅だとかで安く借りれている賃貸住宅らしいのだが、2階建住宅は贅沢だったんだぞ、とは、父さんの話しだ。
大昔の話しにはなるが、課税政治家が蔓延していた時代は人が多く、更に外人も多く、住宅不足だったらしい。
今では人口が激減し、さらに、あらゆる外国人の入国と滞在が規制されている。
まぁ、大地震に大津波、某国の原子炉および核施設?の事故で、世界的に人口が減っているらしいのだが。
人類滅亡の危機とか言われた時代を生き延びた人々は、過去の文明を取り戻したそうな。
そう、今の時代だな。
発達したAI技術にロボット工学発展にて生まれた機器などが、人手不足を賄っている。
文明の維持に必死だった時代には、愚かな政治家や官僚に役人は台頭しない。
いや目立たないらしい。
酷いヤツは居るが、国政に関与するほどにはな。
国力を落とす愚かな者が台頭するなどはないみたいだ。
だが、平和になると、そんな馬鹿が現れるらしい。
うん、今、惨殺され続けているヤツらだな。
人口が減ってるんだからさ、無闇矢鱈に殺すなよ。
困ったヤツが居たものだ。
話しがそれたから、戻そう。
何が言いたいかと言うと、人口が減ったことから土地は余っている、ってことだ。
労働力はロボット工学で生み出された機器が行う。
そのため、人は肉体労働よりは知的産業かサービス業に従事する感じかな。
家の親父もサービス業らしい。
仕事内容は教えてくれないから知らないがな。
まぁ、社宅を用意できる程度の会社ではあるのだろう。
そんな感じだから、中流未満の我が家でも俺に個室が与えられる賃貸に入れる訳だ。
っても、ローテクな中古物件だがな。
セレブな住宅では、ロボット家政婦なども完備されているらしいからな。
それに比べれば、我が家などは古い家屋だと言えるかな。
2階の自室から降りて台所に来た訳だが、年末の大掃除で綺麗に片付いている。
食材あるよな?
まぁ、無ければコンビニかな。
冷蔵庫を覗くと、ハムが数本にレタスとキャベツにトマトがある。
卵と牛乳も有るな、後は野菜ジュースかぁ。
この野菜ジュースは、栄養は有るけど不味いんだよなぁ。
野菜不足になる冬になると、必ず冷蔵庫へストックされる品だ。
まぁ、仕方ない。
そして冷蔵庫には、グラタンとパスタかぁ。
棚には食パンとバケットが。
面倒だから、冷凍グラタンで良いかな。
俺は冷凍庫から冷凍グラタンを取り出して電子レンジへと。
数分待てば出来上がりだ。
アチチチチッ。
でも美味い。
美味いが・・・足らん!
ハムを出して軽く焼いて食べる。
肉は必須なのです。
あと野菜は必須かな。
仕方ないから野菜ジュースがを飲んで・・・うん、牛乳で割ろう。
飲み終えたら片付けて2階へと。
別に自室でなくとも良いのだが、なんとなくな。
床へ新聞を敷き、玄関から持って来た靴を履く。
ダンジョン穴を見て、移動先の状態を確認。
ん?
意識したら、穴先の景色が変わる?
これって、穴をコチラから操作できてる、てことか?
っても、アチラ側は時間が止まっているらしく、写真や絵画を見る感じでしか、アチラを伺えない。
だが、これってアチラへ行かなくても探索できるのでは?
行ってみても良いが、どんな危険があるか分からない。
俺は一般人であり、単なる高校2年生だ。
部活はしておらず、帰宅部ってヤツだな。
人並みの運動神経はあるが、武道を習ったことは無いし、喧嘩もしたことはない。
そんな俺が、状態の分からない世界へ行く。
ちと、無謀かなぁ。
まぁ、一応は、アチラを伺える訳だから、確認しますかね。
そう考え、穴に映る景色を変えて行く。
暫く景色を動かして行くとログハウスらしき建物がな。
畑もあり、家畜もいるな。
ダンジョンには知的生命体は居ないって話しではなかったのか?
それだと、あの施設に対する説明にならんのだが?
その建屋の中へ穴を進める。
うん、人らしき姿が。
女性が3人。
メイドさん2人に、ワンピース姿の女性だな。
あのワンピースの女性、耳が尖ってるな。
あれか?
エルフってヤツか?
マジかぁ!
アチラへ行って接触するべきだろうか?
実に悩ましい。
さて、どうしよう?




