準備完了!火精霊ぇ召喚!こわくなぁ〜い、こわく無いよ、ほんとだよ?
ま、まぁ、なんとかさ、精霊力を感じられた訳で・・・
これで精霊力を制御可能になったハズだ。
だよな?
なので、さっそく召喚をな。
「火精霊、召喚!」
召喚時の精霊力を絞り、穏やかな感じに。
ん?待てよ?
コレって、いわゆる1つのデザートみたいな物?
釣り糸にて垂らした針に付いた餌では?
ならば、甘露なぁ甘露なぁ、甘く蕩けるスイーツのような精霊力をイメージ!
さて、どうなるかな?
いつもと同じく爆発が。
で、火精霊が現れたんだが・・・
現れた瞬間に、驚いたように飛び退ったよ。
けど、一定範囲からは離れないみたいだ。
コチラを伺うように見ているんだが・・・
「ほぅ、これは?」
「ちょっと、予想外かな?」
2人が発した言葉で、2人に気付いたらしい火精霊が、ビク!ビクッとね。
かなり動揺して、オドオドしてるんだけどさ。
なんだろ?
っか、召喚された精霊は術式に囚われて、意識して動けないんじゃないのかよっ!
「コヤツ、最下位、いや、下位の精霊かや?」
「そみたいだね。
普通は低位精霊が召喚されるのが普通だよね?
たまに最下位が、興味を持って召喚されるけどさ。
アレって、あまり意味ないから、滅多に起こらないしねぇ」
ん?
どう言うことだ?
「精霊って、存在感を得たいから召喚に応じるんじゃ無かったか?」
以前にフォーさんが、そんなこと言ってたような?
「それは、そうなんだけどね。
たださぁ。
階位が上がると、召喚中の魔力消費量が跳ね上がるんだよね。
そうなると、滞在時間が減るんだよ。
最低位なら20分〜30分かな。
生まれたばかりなら1時間の滞在が、可能かもね。
まぁ、意思が薄弱か、確立されてないから、制御困難だけどさ。
で、低位だと、5分〜10分程度。
最下位だと、2、3分かな。
下位だと、1分以下だからね。
最下位以上だと、滞在時間が限られるからさ、滅多に召喚へ応じないハズなんだよ」
へー、そんなんなってたんだね。
ん?
なら、なんで下位精霊が召喚に応じたんだ?
「でも、実際に下位精霊が召喚に応じてるよね?」
そう言うとな。
「ちと待つのや」って、アロンさんが黙る。
何かに集中しているみたいだな。
しばらく待つと、アロンさんが呆れたようにな。
「渡部殿や」
ん?
なんだろ?
「召喚に用いた精霊力へ、何か細工せなんだかや?」ってな。
それを聞いたフォーさんが、不思議そうにな。
「アロンちゃん?
念話してたみたいだけど、何かあったの?」
そう尋ねると。
「そこな下級精霊へ、なにゆえ召喚へ応じたのか問うてみたのや。
したらの。
穏やかで優しげな精霊力が現れ、その精霊力から甘く芳しい甘露な香りを感じたそうやえ。
惹かれて、つい召喚に乗ってしもうたそうや。
したら、召喚先に膨大で渦巻くような、様々な力を纏う存在がのぅ。
慌てて飛び退いたら、自分より上位の精霊が居る。
しかも、予想していた滞在時間を過ぎても帰れない。
そう怯えておるのやが?」
あー、その存在って、俺のことですね?
知りたくありませんでした!
大丈夫、大丈夫だよ?
怖くない、恐くなぁーい。
俺、普通の高校生だからさ。
ダメかなぁ?
「ダメやな」
「うん、そだね」
あれ?
「ハッ!
精霊って、心を読めるのかぁ!」
「そんな訳なかろうや」
「だよ。
ワーちゃん、思い切り声に出してたしさ」
あ、マジですか?
そんな遣り取りしてたら、召喚した火精霊の警戒が解けたんだが?
っか、笑ってる?
「ほら、ワーちゃんがバカなこと言ってるから、笑われたじゃん。
まぁ、警戒が解けたみたいだけどね」
まぁ、終わり良ければ、すべて良し!ってね。
「じゃぁ、送還しようか?」ったらな。
なんか首を左右に振ってんだが?
再びワーさんが念話をね。
したらさぁ。
「せっかく、コチラへ来れたので、しばらく滞在したいそうやでなぁ。
どうするのや?」
いや、どうする?って、どうしよう?




