精霊を召喚するのも、色々と大変なのです、ふぅ。
「そのですねぇ、フォーさんたちは、その遣り方知りません?」ったらな。
「呼ばれる側の妾たちが、知るハズあるまい?」って言われたよ。
ま、そうだよなぁ。
「そうなると、困ったなぁ。
魔力は、なんとなく分かるようになって来たけど、完全じゃないし。
精霊力なんて、全く分からないからなぁ」
俺が腕組みして悩んでいるとな。
「いや、ワーちゃんさぁ。
精霊召喚の魔本で、魔術を身に付けたんだよね?
アレってさ、術式を使用者の精神に移し込むらしいよ。
だから、自然と使い方が分かるんだってさ。
そもそも召喚と送還は対だから、送還の仕方も分かるんじゃないの?」
そんなん言われた訳だが、そうなのか?
そういやぁ、召喚については意識してたが、送還については考えて無かったかも。
そう考えた瞬間、送還の遣り方が頭に浮かんだよ。
なるほど、その術式へ魔力を流すと、召喚した精霊を精霊界へ送り返せる訳だ。
ん?
どんな術式か?だって?
俺に分かる訳ないじゃん。
スマフォユーザにさ、スマフォのハードとソフトに対する仕組みを説明しろ、ってるようなもんだぞ。
ユーザに過ぎない俺が、術式の仕組みなんぞ、分かるハズないだろ?
ま、送還の遣り方は分かったからな、次は召喚場所か。
俺が、この世界へ来た最初の場所付近は荒地になっていた。
アッチ方面へ向かえば、召喚しても大丈夫な場所があるだろうよ。
そう思い、当たりを付けた場所へと。
「おや?
そんなに離れてない場所へ、良い空き地があったものやなぁ」
「そだね。
でもさ、ワーちゃんって、まるで分かってたように歩いて無かった?」
そう聞かれたからさ、転移門の仕組みを教える。
まぁ、分かってることだけだけどさ。
「そんな方法があるんならさぁ、その転移門で移動すれば良かったじゃん。
楽だし速かったんじゃない?」
フォーさんが、不思議そうにな。
「いやいや。
それだと、お二人を置き去りにしちゃうじゃないですか」
そう告げるとな。
「おや?
妾たちを気遣ってくれたのかや?
それは、嬉しいやぁ。
じゃがのぅ、妾たちは渡部殿に顕現いただいた身ゆえ、渡部殿の力場内であれば、何処であろうと側へ瞬時に移動できるでな。
今後そのような気遣いは、無用やでなぁ」
あ、そうなんだ。
しかし、瞬時に移動できるって、転移みたいなものかな?
便利だなぁ。
さて、お目当ての場所へ着いたよ。
ココなら火精霊を召喚しても、問題ないだろう。
「さて、召喚するかな」
そう告げるとな。
「ワーちゃん、気を付けてね」
何をだろ?
「初めての召喚だからさ、制御が甘くなると思うんだ。
呼ばれる精霊は、下位以下の精霊なんだよね」
ん?
それが、どうしたと言うんだろうな?
「精霊界の状態にもよるんだけどさ。
最低位の精霊が呼ばれることがあるんだよね。
発生してから数年も経たない存在でさ、意思もないからね。
だから慣れてないと、全く制御できないんだよ。
危ない、って思ったらさ、直ぐに送還してよね」
へー、そんなことがねぇ。
ちなみに、精霊階位について2人に尋ねたら、こんな感じだったよ。
最低位→低位→最下位→下位→中位→上位→最上位→天位→王位→帝位
帝位へは、1精霊しか就けないらしい。
全属性の精霊を統べる精霊だってさ。
王位は各属性毎に、それぞれの精霊を統べる存在ね。
だから当然、各属性に1精霊づつしか居ないぞ。
まぁ、俺には関係ない存在だけどな!
まぁ、そんな話しを聞いた後となったが、火精霊を召喚するかな。
「じゃ、召喚するよ」
「はーい」
「分かったやぁ」
2人の返答を得たから召喚を。
右掌へ魔力を集め魔力球を。
そして・・・
「火精霊、召喚!」
いや、言わなくても良いんだけどさ、なんとなくね。
放った魔力球が爆発し、火精霊が召喚された。
っかさぁ、爆発するのは、デフォルトなんですね。
なんとかならんの、これ?




