良し!精霊召喚だ!止められましたが、なにか?
アロンさんの話しでは、召喚した精霊とは意思疎通できないらしい。
残念なような、ホッとしたような、複雑な気分だ。
なにせ2人は個性的だから、一緒に居て飽きないからなぁ。
さて、館を出て結構な時間が経ったし、そろそろ本題にはいるかな。
今、召喚できる精霊は、地水火風光闇雷氷樹命の10種だ。
その内、水と樹は顕現したから除くとして、さて、どの精霊を召喚しようかな?
無難な精霊から行くべきか、それとも注意が必要な精霊からか・・・
良し、危なそうだが戦闘には役立ちそうな精霊にするか。
この先、戦うことは無い・・・避けたいんだが、この世界だと、どうなるか分からないからなぁ。
護衛になりそうな存在は欲しい所だ。
「良し、先ずは火精霊を召喚してみるかな」ったらさ、2人が凄く嫌そうな顔にな。
まぁ、アロンさんは樹精霊だから火は天敵みたいなもんか。
フォーさんも、水精霊だから相対する属性だろうしな。
「えー、何で火精霊なんだよー」
「そうであるや。
草木のある場所には、そぐわないやでなぁ」
うん、実に不満そうですね。
「火だから、扱いには気を付けないとイケナイでしょ。
だから、最初に確認して把握しないとダメかな、ってさぁ。
それに、火は攻撃力高そうだから、護衛として呼び出したいこともあると思うんだ。
だから、召喚してみないと、って思ったんだけど、ダメかなぁ?」
そう尋ねると、2人は渋々と納得してくれたよ。
ただ、2人から注意がね。
「呼び出すのは良いのや。
せやけど、ココではダメやでなぁ。
草木が多いゆえ、炎上してしまうわぇ」
「そだよ。
まぁ、召喚に慣れて制御可能になれば、そんなことも無くなるだろうけどさ。
でも、最初は避けた方が良いね。
あ!
間違っても、両手召喚しちゃダメだからね!
威力が高くなり過ぎて危ないよ!」
「そうであるや。
意思のない精霊やでなぁ。
渡部殿の制御を外れる危険もあろうや。
そう考えるとのぅ、先に解除について知っておいた方が、良いやもな」
2人からアドバイスがね。
でも変だなぁ。
「ねぇ」
「なんであろうや?」
「なにかな?」
「召喚した精霊って、時間が経つと召喚解除されて消えるんじゃなかったけ?」
そう聞いた気がするんだけど?
「普通は、そうやなぁ」
「ワーちゃんは普通じゃ無いから、違うよ?」
普通じゃ無い、っーなぁ!
「のぅ、渡部殿や」
ん?
「はい、どうしました?」
「召喚された精霊が、コチラへ止まれる時間に制限があるのは、何故か分かるかや?」
そう尋ねられた訳だが・・・はて?
「精霊として、コチラへ来る制約とかがあるんじゃないですか?」ったらな。
「違う、違う。
そうだったら、僕が顕現や召喚されてないのに、滞在できるハズないでしょ」
そう、フォーさんに返されたよ。
まぁ、確かに言われてみたら、そうだわな。
「のう、渡部殿や。
精霊召喚は、通常魔力にて召喚するのやで。
ゆえに、召喚に使われた魔力が尽きると、精霊はコチラへ存在できずに精霊界へ戻るのや」
あ、なるほど。
ん?
では、何で俺は解除しないと?
「ワーちゃんさぁ、分かってないみたいだからいうけどさ。
ワーちゃんは、多分、精霊力で召喚するからね。
しかも、常時供給するから、精霊力が尽きないと思うんだよ」
「そうであるなぁ。
今も妾へ精霊力が供給されておるゆぇ。
本来は体内魔力で足りず、周囲から魔素などを集め召喚するものやのじゃがのぅ。
アレは技術が必須やて、渡部殿には出来てはおらぬやろ?
っと、言うことはや、己自身の力で妾たちを顕現し、維持し続けておる訳やな」
むーん、無自覚なんだけど、そうなのか?
全く負担になって無いんだが?
「えーっと、その供給とやらを絶てば良いんですかね?」
そう尋ねたらさ。
「できるの?」って、フォーさんに聞かれたよ。
いや、出来るの?って、遣り方知らんがなぁ。




