する?しちゃう?精霊召喚術習得!
『ワーちゃんが、精霊召喚の魔本を習得できるのは、当たり前じゃんね。
様々な力の中には精霊力があって、全属性が揃ってんだもん。
精霊力の量もハンパないんだしさ。
それで習得できないハズないじゃんか』
いや、フォーさん?
居たんですねぇ。
「あー、マジかぁ」
「ん?藤吾。
どうしたのじゃ?」
俺の声に、ヒルデガルデさんが反応して尋ねて来たよ。
だから、フォーさんから聞いた話しをね。
「いや、あのですね。
水精霊のフォーさんが、習得できて当たり前だと」
「ほぅ?
それは、何故じゃ?」
興味深げにな。
「僕が転移門から得ている力なんですが、精霊力もあるんですよね」
「そう言う話しであったな」
「そうなんですが、その精霊力は属性全てが揃っているらしいんですよね」
「なんじゃ!無茶苦茶過ぎぬかえっ!」
仰天してますね、そうなるよなぁ。
「それに量もハンパないらしく・・・」
『質もだよ』
「はぁ?
質もぉ?」
「あー、その、なんじゃ。
藤吾は、量質共に優れた全属性の精霊力を持っておる、そう言うことかえ?」
まぁ、そうなるんだろーなぁ。
「そ、そうみたいですね。
フォーさんの話しでは、ですが」
『ぶーっ!
嘘言わないよ、フォーちゃんはっ!』
いや、別に疑った訳では無いんだが。
単に、現実逃避したいだけなんです。
けど、現実なんだよね、これ。
「なるほどのぅ。
魔本が適合する訳じゃ。
では、残りの魔本も使うが良い。
しかし、コレだけの精霊を召喚できる者など、今まで居らなんだぞえ。
規格外にも程があるじゃろ」
そんな呆れたように言われてもさぁ。
大体、コレは俺の力と言うより、転移門の力だし。
しかし、どうなってんだ、俺?
ちょっと、怖くなったんだが。
それからはヒルデガルデさんに従い、全ての魔本を開いて習得した。
したらな。
「出来るとは聞いたが、本当にできるとはのぅ。
人伝に聞いたら信じぬであろうな。
さて藤吾や。
外へ出て、精霊召喚を試してみるが良い。
我は、ソナタに良さそうな魔本を見繕うことにするでな」
え?
なんか変なこと言わなかった?
「なんか、僕のために魔本を見繕うって聞こえたんですが?」
そう告げるとな。
「その通りであるぞ。
我が家には魔本の原本が500冊以上あるのじゃがな、複製本は百数種類程度しか用意してはおらぬ。
じゃから、藤吾には魔本の複製を手伝って貰わねばのぅ。
しかし、普通は生活魔本や初級魔術から習得するものなのじゃが・・・
そうじゃ!
それらも習得せねばなるまい!
さーて、何を覚えさせるかのぅ」
いや、何気に楽しんでないっすか?
「いや、あの、ヒルデガルデさん?」
あーあ、行っちゃったよ。
なんかさぁ、どんどん人間離れさせられてる気がするのは、気のせいか?
ヒルデガルデさんとメイドさん2人が居なくなると、使用人の方々が現れて片付け始めた。
他にも人が居たんだね。
コレらの人はシルファーナ人ではなく、コチラの現地人みたいだ。
さっき確認した集落へ居た人たちに似てるからな。
まぁ、服はお仕着せらしく、集落へ居た人たちの服より上等だ。
態度も洗練されていて、礼儀正しいみたいだな。
そんな人たちに一礼して、俺は外へと。
さて、精霊が召喚できるようになったらしいんだが、どうやれば良いんだろ?
そう思っていると、何となく遣り方が頭に浮かんできた。
便利だな、をいっ!
あー、魔力を手の平へ集めて球状に?
魔力を集める?
どうやって?
まぁ、頭に浮かぶ感覚を真似てみるか。
うわっ!
なんか、ゾクゾクっか、ゾワゾワって、すんだが!
体内を何かが這いずるような?
キモっ!
あ、右腕を伝い手の平へ。
え?
コレが魔力なのか?
手の平から青白い霧状の炎が。
それが渦巻き球状へ。
出来たかぁ。
コレが魔力球なんだなぁ。
ん?
両手で可能?
そんな知識が頭に浮かぶ。
なら、試してみるか。
あ、本当にできたや。
コレを合わせて召喚すると、より強力で長持ちする精霊として召喚可能と?
なら、するしかないっしょ!




