正月そうそう、世間様は大混乱でございます。
日本っと言うか、世界の未来に不安を抱いたのだがな。
あー、っと。
別に働くのを禁止するつもりは無いし、技術の伝承や継承に研鑽は推奨するらしい。
特別補助金も出すしな。
ただ、富の一角集中は許さないし、不正もさせない。
まぁ、万が一したら亜空間だしなっ!
で、衣食住の保証は国が行うため、最低限の生活は働かなくても行える。
あ、全て現物支給だから、切り詰めて金銭を稼ぐことは不可能だからなっ!
各家庭へはアンドロイドが派遣され、家事代行を行うようにするらしい。
逆に家事を含め、習いたいことはアンドロイドが教えるらしいぞ。
だから、やりたい事を見付けて、それへ従事する者達がな。
色んな文化が花開く未来になるそうな。
日本へ出稼ぎに来ていた外国人たちなんだかな、自国も日本と同様になったため帰国するらしい。
観光客は来るが、迷惑行為をする度に亜空間へと短期投獄される。
しかも頻度に応じて、亜空間環境が劣悪化して行く訳だ。
最後には隔離されて戻れなくなるんだが、そんなバカなことをするヤツって・・・居るのかよっ!
未来線の中には、そんなバカが複数居るらしい。
いや、1人でも信じられんのに、複数ってさぁ。
まぁ、未来の話だ。
現在は正月番組返上で、今回の事態を特番にて放送している。
幾人ものアナウンサーやレポーターが各地を飛び回り、消えた人々が居るかを調べているみたいだ。
いや、消えたのに居るとは、こわ如何に?
警察どころか、自衛官も駆り出されての大捜査が始まっているらしい。
いや、誰が消えたか分からんからなぁ。
中には家族どころか、親族浪等が全て消えたケースもさ。
いやさぁ、一族全てが、不正収入に関わっていたからな。
親が居ないと子供が路頭に迷うので、一族全員で亜空間世界へとね。
まぁ、滅んだ世界の廃墟となった村を内包した村だが、質素に生活するなら十分だろ。
っか、そんな感じで亜空間隔離してんだから、調べても分からんわなぁ。
あ、そうそう。
政治家や官僚に役人とかを殺しまくっていたヤツね。
アイツも力場を没収して亜空間へ隔離しときました。
むろん1人だぞ、っと。
信じられんことに、ヤツは自分を殺人鬼だと思ってないみたいだ。
いや、何十人殺した、え?100人超えてる!?
十分な多量殺人鬼やんね。
そんなんと、他人は一緒にできませんから。
先ほどの家族ではないが、ある程度は罪が軽い輩は同一亜空間世界へと。
そこで新たな人生を模索してくださいな。
思考時間停止を交えながらテレビを見ていると、不意にスマフォが。
んーっとぉ、姉貴?
どったんだろね?
「もしもし?」
「あ、藤吾、ねーちゃんだよ」
あ、知ってる。
スマフォへ名前出てっし。
「なんか有ったの?
旅先から姉さんが電話するってさぁ、珍しくね?」ったらな、なんか呆れられた。
「アンタねぇ。
今、世間様は大騒ぎなんだけど?」
うん、知ってる。
で?
「テレビ見てたから知ってるけど?
でも公共機関に問題ないみたいだし。
あ、ホテルに何か問題でも?」
旅行を切り上げて帰って来るとか?
「いや、そっちは問題ないわね。
っか、知り合いが神隠しにあってないか、確認してんのよ。
アンタもしときなさい。
それと、母さんが電話欲しいって。
大丈夫か心配してたわよ。
掛けときなさい。
良いわね。
じゃ、私は他にも電話するから、アンタも確認電話しときなさいよ!
またね」って切れた。
ふぅ。
相変わらず、嵐のような姉である。
しかし、そうかぁ、確認ねぇ。
そらぁ、普通は誰が消えたか分からんわな。
まぁ、張本人である俺には分かるんだが、普通は安否確認くらいはするか。
仕方ないから、まずは母へと電話を。
数コールで繋がる。
ハヤっ!
「藤吾?
藤吾よね?」
「ん?
いや、確認しなくても僕だよ。
姉貴から電話が有ってさぁ」
いやぁ、それからは、母の怒涛のお喋りが。
参ったわい。




