さて、夕食ですか、さいですか、で、何でるの?
皆が席へ着くと料理がな。
何が出てくるのかは、調べてないから知らん!
ん?
俺が出さないのか?って?
いや、まともな調理が出来るメイドなアンドロイドさん達が居るんだぜ。
なんで俺が作らなならんのさ。
まずは水差しと、水が入ったコップが配膳された。
超軟水で、日本酒の仕込み水として杜氏垂涎となるような水だ。
これ、宮殿内の蛇口を捻ると、蛇口が有る場所なら何処でも手に入るからな。
精霊力から精製してっから、水道管も要らんし。
ちなみに、水を流した先には浄化魔法を仕込んでいます。
汚物や水は精霊力へ還元されるため、下水管なんぞ不用だぞっと。
まぁ、有用な物とかは亜空間ボックスへ送られるからね。
コチラは分解されずに回収可能だ。
誤って大事な指輪を落としても、無事に回収できるってことだな、うん。
で、厨房の蛇口には、硬度を調整する機構を備え付けてある。
料理によっては、軟水でなく硬水が良い場合もな。
それに対応するためだ。
そんな厨房の蛇口から出した超軟水を一口。
うむ、美味い!
もう一杯!
うん、実に身体に馴染むと言うか、染み渡る。
硬水を飲んだ時のギシッとした違和感など皆無だ。
「こ、これ、水なんだよね?
え?
水って、こんなんだったけ?」
ドルマンドルさんが戸惑ってんなぁ。
「いや、この水に違和感を与えたような水しか、飲んだことがないですわね」
アサァーラァさんが、戸惑いながらな。
だからさ。
「お二人が仰っているのは、硬水でしょうね。
飲むと軋むような、ギシッっとした感じがしますよねぇ。
だから硬水って言われています」
「硬水と軟水ですの?
同じ水ですのに、不思議ですわね」
あー、知識が無ければ、そうだろうね。
「ミネラルと言われる成分の多寡にて、軟水と硬水がですね」
そのように、軟水と硬水の説明を。
アサァーラァさんは、興味深げに聞き入っていたんだが、ドルマンドルさんは、頭から煙が出る幻視がな。
難し過ぎたか?
そんな俺たちの席へ料理が配膳された。
オムライスかぁ。
しかもタンポポオムライスタイプではない。
オーソドックスタイプだ。
このオーソドックスタイプを食べさせる店が減ってんだよなぁ。
在っても、薄焼き卵で巻いた、なんちゃってタイプとかさぁ。
オムレツが洋食の基礎と呼ばれるそうだが、オーソドックスタイプのオムライスは、その上を行くと思う。
まずは基本のチキンライス。
この出来が完成品の品質を左右する。
ベタついてはならない。
かと言って、チャーハンみたいなパラパラは、論外だ。
程よくシットリとした食感が良いだろう。
しかも、塩胡椒とケチャップだけの味付けは論外だ。
プロなら、工夫を凝らすべきだろう。
その点、メイドなアンドロイドさん達は分かっていり。
手作りケチャップへ、爽やかさを出すハーブを追加。
美味くも爽やかたる演出を。
鶏肉は程よく火が通り、具材のバランスも良い。
こんなチキンライスを卵で包む訳だが、外側は香ばしく焼け、チキンライスを包む箇所は半熟である。
香ばしい焼き卵皮をスプーンで破ると、トロリとした半熟卵の部分が。
それをチキンライスと共に掬い、口の中へ放り込めば、嗚呼!
んでな。
上へケチャップは掛かっていない。
ソースは別皿で!っうヤツだな。
やるな、をい!
ケチャップが2種類にオーロラソースかぁ。
ちと味見を。
あ、辛っ!
ケチャップの一つは、辛味を付けたタイプだ。
だが、スッと辛味が引くタイプだな。
ケチャップの旨みと酸味に、実に合っている。
これをオムライスへと。
ファっ!
マジか、これ。
卵の甘味と旨みが増したぞ?
あー、この辛味で、味を強調した感じか?
次のケチャップは、っと。
コチラは香辛料と酸味が強いタイプ?
オムライスへ付けると、後口がサッパリだな。
後で使うタイプだろう。
で、オーロラソースだが。
うーん、マイルドぉー
うん、コレが1番好きかも。
オーロラソースで食べ進め、たまに辛いソースで。
締めに最後のケチャップで。
うん、これで行こう、そうしよう!




