お二人様、リビングへ、ご案内なのです!
2人がホールの装飾に魅入り埒が明かない。
なのでな。
パンパン!って手を叩き、2人の意識をコチラへとな。
「少なくとも、3日はココへ滞在ささますからね。
後でも見れますから、とりあえず移動しましょう」
師匠は、魔法の発動および行使は可能となっている。
明日には、様々な魔法を更に扱えるようになるだろう。
その後は、魔法で精霊力を操る訓練に入って貰う。
これはセリアムにも難しい技術なので、俺が教えるつもりだ。
最終的には、精霊力から物質を創りだせるようにな。
これが出来ると、物質不足などを起こすことは無くなるから、ヒルデガルデさんの生活も楽になるだろうさ。
まぁ、アカシックレコード情報を得るのは無理だから、自分が知る範囲で、ならだけどな。
廊下を歩きながら、そんなスケジュールを告げるとな。
「いや、藤吾や。
我は普通のシルファーナ種ぞ。
そんな人外じみたこと、出来るとは思えぬのじゃが?」
そんなん言うんですが?
「いやいやいや。
師匠は先祖返りして、エンシェントハイエルフ並になっていますからね!
アロンタルトさんと、同様の力を持っていますから。
だから精霊力を操れるハズだし、物質化も魔法で可能なんですよ」
まぁ、この技術は確立された技法が存在しない。
論理派であるヒルデガルデさんが苦手とする分野かな。
技術は知識の積み重ねで発展するものだ。
だから、前知識のないことを、技術化して身に付けるのは困難なんだよ。
だから身に付けるのに苦労する訳だ。
いや、それでも、俺のサポートがあったして、1日で習得するのは異様なのだがな。
っか、オーデットさんは、ヒルデガルデさんが試行錯誤しているのを見て、直ぐにできるようになるらしい。
コレだから感覚派の天然はっ!
先の話しはボカシつつ、スケジュールを話している内に、リビングへとな。
扉が自動的に開いてくれる。
自動ドア?
ある意味、そうです。
アンドロイドなメイドさんが、俺たちが来たのを察知して開いてくれていますから。
機械がセンサー感知にてドアを開けるのが自動ドアだ。
屋敷内ネットワークから情報を得た機械であるアンドロイドなメイドさんが、ドアを開けるんだから、自動ドアだよな。
ん?
なんか違う?
なにが?
部屋へ入ると、皆さん気付いて下さいません。
うん、映画に夢中なんですね。
分かりました。
だから、この映画が終わったら、一旦止めるように指示をな。
いや、映画を観るためにセリアム界へ来たんじゃ無いですからね!
部屋へ入ると、師匠とオーデットさんから、ため息が。
「ほふぅ。
ホールや廊下も凄かったのじゃが、ココは、また格別じゃのぅ。
しかも室内へ滝や小川が流れ、草花や樹木が、かや?
それが景観を損なわずに配置されておる。
水が流れおるに、湿気はなく、快適な風が舞う。
自然とは明らかに違うが、室内にも関わらず自然を感じさせよるわい」
オーデットさんは言葉が出ないみたいで、コクコクと頷くばかりだな。
そんなんしてると、映画が終わったみたいだ。
あ、ちなみに言葉や文字は、テンさんが翻訳してっからな。
まぁ、翻訳っうか、概念を念話みたいに伝えている。
だから言葉や文字は日本語なのに、コチラの言葉へと。
それに、この世界の言葉は、セリアム界の言葉へ統一されているから、彼らは違う言葉へ興味津々だったりな。
まぁ、セリアムが言語を統一化したからなんだがな。
ダイダラは独自の言葉があったのだが、ダイダラ界で無数の言葉が乱立しており意識疎通がなぁ。
まぁ、念話できるヤツらは、それでも良かったんだが、色々と困ることが。
ただ、バハラキ界へ行くと全てセリアム語となる訳だ。
そうなると、嫌でもセリアム語をな。
で、それがダイダラ界にも浸透してしまい、今ではダイダラ界やデェーヴァ界もセリアム語が主体となっているそうだぞ。
さて、次の映画が始まらない、って騒ぎだしたから、行きますかねぇ。
ふぅ。