なんだ!この、人集りはぁっ!
さて、入りますかね、は、良いのだがな。
なんなんだ、アノ人集りは?
ヤーヤマーサ様の館前に、何故か人集りがさ。
入るのに邪魔なんですが?
「済みません、通していただけますか?」ったらな。
「ん?
ココへ入る気かね?」って、聞かれたんだが、ハテ?
「ええ、ヤーヤマーサ様に招かれますからね。
それが?」
ほんと、なんだろね?
「いや、入れないのだが?
どうやって入る気かね?」
ん?
入れない?
「ヤーヤマーサ様に招かれた方ですか?」ったらな、キョトンとした顔でな。
「いや?
だが、別に敷地内へ入るくらい構わんだろ?
変わった建築様式なので、近くでみたいのだよ」
そげなことをな。
ンな訳あるかぁっ!
「女神様の館へ不法侵入ですか?
廃屋になるまで放置してた方々がです?
勝手に入れるなら、廃屋になる前に直せたハズですよね?
ましてや、荒れ果てた廃屋状態になった屋敷を放置しないハズです。
行わなかった理由は、ヤーヤマーサ様の館へ無断で立ち入るのは不敬だと思った、だからだと聞きましたが?」
俺が問い掛けるとな。
「うむ。
やはり、女神様の座す場所だからなぁ」
頭、大丈夫か、コヤツ。
「なら、なんで立ち入ろうとしたんです?
ヤーヤマーサ様の座す場所へ無断に立ち入るのは、ダメなんですよね。
廃屋時はダメで、建て替えたら大丈夫とか言わないでくださいよ?
私がキレますからね」
消滅させちゃうぞ、っと。
ん?
せめて亜空間隔離にしときなさい?
うーん。
まぁ、殺すのはなしだな、うん。
いや、ハクさん。
慌てなくても、ハクさんの世界へは送らないから。
小規模な亜空間世界へでも押し込んでおけば良いだろう。
したらな、ハッとした顔でな。
「あ。
女神様の座所であったわいっ!
不味いマズイ。
あまりに変わった建築物であったで、我を忘れてしもうたわえ。
入れぬようになっており、助かったぞい」
ふぃっ、っう感じで、額から吹き出した冷や汗を拭っている。
ああ、単なる建築バカなのか。
珍しい建屋を目にして、我を忘れたらしい。
うーん。
アムズたち、って純朴だけど考えなしみたいだ。
っか、己の技量向上にしか考えない、職人バカばっかりみたいなんだよなぁ。
まぁ、だから争いが無い世界なんだが。
なんか、毒気が抜かれたんですが?
俺の指摘が効いたのか、館の門前から人が離れる。
コレなら通れるな。
俺はヒルデガルデさんとオーデットさんを伴い、門前へと。
館は門前まで来るとライトアップされており、玄関を含めて照らされている。
そのため、屋敷がクッキリと見えるんだよねぇ。
コレは防犯っと言うより、廃屋でなくなったことを、周りへ周知させるために行っているんだわ。
俺の世界なら明るくしての防犯を兼ねるのだろう。
だが、結界隔離した館へ、招かれた者以外が立ち入ることなどできないからな。
既に最強たる防犯設備があるため、防犯と言う意味合いはないからね。
俺たちが門前へと行くと、門が自動で開く。
まぁ、門は無くても、結界で弾くから入れないんだがな。
見栄えも必要だろうしね。
で、門を潜って敷地内へと入ったんだがな。
俺たち3人は当然入れたんだが、なぜか後ろで立ち往生している方が。
あの〜そこの男神?
アータ、なにしとんの?
「うぬ。
本当に入れぬのだな。
皆の者。
今、見た通り、許可ない者はヤーヤマーサ邸へは立ち入ることはできぬ。
周知するように。
さて、ちと検証とはいえ、立ち入ろうとし失礼した。
では、我は、これで」
そう告げて、颯爽と去って行く。
コレ、どっちだ?
本当に検証し、周囲に事実を知らしめて、颯爽と去ったのか。
それとも。
実は入ろうととし入れず、誤魔化しつつ、速攻で逃げたのか。
あ?
後者?
は?
あんにゃろーっ!
ボコって・・・ん?ヤメロ?なんで?
はぁ?
ヤーヤマーサ様の弟?
しかも歳が離れ過ぎており、ヤーヤマーサ様は知らない?
あーねぇ。
セリアムは不老。
で、そんなセリアムでも夫婦となる者も。
ヤーヤマーサ様の両親もだな。
で、数百年から数千年の単位で子供がな。
スパン長いな、をい!
で、姉ちゃんが心配になって確認を。
できたら、一目会いたいなぁ、かぁ。
ふぅ。
ヤーヤマーサ様へ告げた方が良いのか、これ?




