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実は、古のセリアム著作の原本は希少品なんですよ?

フリーズしていたアサァーラァさんが、なんとか解凍されたみたいだな。

良かった、良かった。


したらな。


「あのぉ〜師匠。

 この手記って崩壊仕掛けていて、魔法で扱わないと崩れる感じだったんですけど?


 え?

 手で持っても問題ない?


 いや、新品?

 でも、内容は、以前と・・・違う!

 欠落箇所が修復されてるわっ!


 え?

 新品に戻したら、記載が消えるのでは?

 それに、欠落した箇所は失われているから戻らないわよね?


 師匠!

 どう遣ったんですかぁ!」


うん、落ち着こうか?

迫って来ないでぇー


「落ち着こうか。

 別に記載を消さなくても、紙質とインク質を良好にすれば良いだけだよね。


 欠落部は、精霊力から素粒子を創造してから、物質を創り出せば良いんだしね。

 失われた箇所だって、全てアカシックレコードへ記録されてるからさぁ。

 そこから情報を引き出せるでしょ?


 それを時を戻すタイミングで行えば良いだけなんだよ。

 ね、出来るでしょ?」ったらな。


「ヤーヤマーサ様」って、俺じゃなく、ヤーヤマーサ様へな。


「なんじゃえ?」

そうヤーヤマーサ様が仰ったらさぁ。


「師匠が告げた意味が理解できない。

 いや、理性が理解を拒むのですが、ヤーヤマーサ様は、理解されておられますか?」って。


いや、酷くね?

したらさぁ。


「無茶を申すでない」って。


いや、ちょっ!


「良いことを教えよう。

 そのような場合は、藤吾様だから、っと、思うのじゃ。

 または、流吾でも良い。


 深く考えると、藤吾様の無茶に精神がヤラれるでな。

 バハラキ界にて、藤吾様へ魔術を伝授した彼の師の言葉じゃ。

 よほど苦労したのじゃろうて」


い、いや、ヤーヤマーサ様?

それ、広めなくて良いですからね?


したらな。


「そうなんですね!

 勉強になります!

 理解不能になったら、流吾師匠って思うことにしますね!」

「それが良かろうて」


いや、良く無いからねっ!


「それよりも、その手記は凄いね。

 欠落箇所には、正しい解体の仕方や、味付けに使える植物が載ってるみたいだし。


 まぁ、ダシを取ることは、書いてないみたいだけど」


「ダシ?ですか?」


あー

この世界には、出汁と言う概念がないみたいだ。


うーん。

古のセリアムもダシらしき物は使ってはいたが、明確には定義していない。

手記にも書いてないみたいだ。


まぁ、雑書きした紙には書いてたみたいだが、流石にソレへ保存の魔法など付与しないからなぁ。

経年劣化にて風化してしまっているよ。


彼さぁ、後世へ知識を残す気は無かったみたいだ。

だから、彼著の書物は異様に少ない。


っか、魔法で作本すれば容易く作れるのに、面倒ってね。

知り合いからの頼みで、渋々作ったヤツしかね。


その書物の原本は既にない。

複製本は有るんだが、内容を改竄されていてな。

最早、別物だと言えよう。


だから、アサァーラァさんが持つ手記が、唯一の彼オリジナル著書だとも言えるだろう。


しかし、出汁かぁ。

料理には、欠かせないんだがなぁ。


「出汁は、料理には欠かせない物なんですよ。

 旨みの塊だともいえますね。

 料理へ味の深みとかコクを与えるとも言えます。


 出汁の有無は、料理の質を左右すると考えて良いでしょう」


思わず力説をな。

あまりに力説するから、周りが引いている。

酷くね?


「そ、そうなんですね。

 それで、そのダシって、どんな物なんです?」


まぁ、出汁っと言われても、全く知らない人には分からんわな。


「出汁も色々とあるですけど、簡単に言えば食材から旨みを抽出した物です。

 大半は長時間、食材を煮出して旨みを煮出しますね。


 その食材も天日で干して乾燥させたり、煮出す前に香ばしく焼き上げたりもします。


 まぁ、僕の世界には魔術や魔法がないから、手間暇掛けないとダメなんですけどね。

 コチラでは、魔法で旨みを抽出できるから、楽ですよねぇ。


 ほら、こんな感じに骨から旨み成分を分離すれば、直ぐですよ」


「わぁ!

 ソレがダシなんですね!

 やってみますね!」


アサァーラァさんが、真似て出汁を抽出したよ。

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