現在、女神様が解体中なんですよ?手際よいなっ!
アサァーラァさんが、倒した雌鹿を亜空間へ収納して出し、浄化した後に内臓を結界にて包み亜空間へと。
いや、亜空間の使い方、上手いなっ!
結界ごと亜空間へ入れたから、内容物ごと亜空間へと入ったみたいだ。
結界で包んでなかったら、内容物が雌鹿の死体内部へ残り、肉が台無しになっていただろう。
こんな遣り方、気付かんかったんですが!
そして、外へ内臓を出すと、結界を解いてから亜空間へと。
結界ごととは言え、生物は亜空間では生きられないから、全て死滅。
そして結界を解いてから亜空間へ入れると、不用物が亜空間外へと。
それを浄化した後、再び内臓を結界で包み、生理食塩水みたいな水で隅々まで洗浄を。
その後で浄化していた。
この洗浄を行うと、コビリ付いて内臓の一部みたいな扱いとなる不用物が剥がれ、浄化にて消えるのだとか。
マジかぁ!
なんで、こんなこと、知ってるんだろ?
ん?
古のセリアムが、料理のためで無く、素材の洗浄と浄化として書き記していたらしい。
なにやら、薬剤の素材になるらしいな。
マジかぁ!
アサァーラァさんは、古のセリアムを師と仰ぎ、彼の文献を探しては習得したみたいだ。
だがセリアムの一般的な考えでは、古のセリアムは異端であり、一部の狂信者以外には受け入れられていない。
ヤーヤマーサ様も、彼を快くは思っていないみたいだしな。
まぉ、ヤーヤマーサ様の場合、彼との面識もあり、迷惑も被っているから、仕方ないがな。
とは言え、実力だけは、認めていたみたいだ。
「師匠。
内臓は、こんな感じで良い?
しかし、これ、食べれるんだね。
ビックリだよ」
はて?
そんなん言ってるが、なんで内臓が食べれることを?
「良く、内臓が食べれることを知っていましたね」ったらな。
「知らなかったよ?
起きたら師匠が内臓で、何かを作ってたからさぁ。
多分、食べれるのかなぁって」
はい?
つまり、俺が料理してたから、食べられると?
凄い判断力だなぁ。
「それに、部位によっては薬剤として使います。
ならば、食べることも可能かなぁーて」
まぁ、薬にするなら、口に入れる訳だ。
なら、身体の害になるハズもない。
ただ、内臓はシッカリと洗浄浄化しなければ危険。
そう、古のセリアムが残した本へと。
それを忠実にに守り、内臓の処置をしたみたい。
内臓の処理と並行して、解体も魔法で行っている。
皮を剥ぎ洗浄浄化し、魔法で鞣す。
肉は骨から剥ぎ、ブロック化してから結界で包み、内部を乳酸菌入り生理食塩水にて満たしている。
それを低温に維持しているみたいだな。
アレって、肉の熟成だよな。
なんで知ってる?
はい?
この方法も、古のエルフが残した技法?
美味い肉が食いたく、個人的に行っていたらしい。
アサァーラァさんは、彼が過ごしたとされる遺跡を訪れ、彼の手記を手に入れている。
遺跡と言うか、迷宮だな。
日本風に言えばダンジョンか?
人と言うか、セリアム嫌いだった彼は、来訪者を好ましく思ってなかったみたいだ。
だから、ある程度の実力がなければ、彼の下へは辿り着けなかったらしい。
まあ、彼が生きていた頃は、罠か魔法生物や、人型魔法絡繰が徘徊する程度だったんだがな。
今では、外部から入り込んだ獣が棲みつき、最深部の居住区へ辿り着く着くのは、容易ではない。
そんな遺跡を踏破し、居住区まで行ったみたいなんだよな。
保存する魔法にて、当時の状態を保っており、アサァーラァさんは、そこで様々な知識を得たらしい。
ただ残念なことに、血抜きを含む解体の知識が書かれた書物は無かったみたいだ。
実はアサァーラァさんは、肉の熟成を試したことがな。
血抜きせずに、内臓の汚れが付いた肉で。
そんな肉で熟成したら、そらぁ腐るだろ?
まぁ、腐った訳でな。
だから2度と試して無かったみたいなんだが・・・
「むっふぅ。
やはり、古の老師は偉大だった!
僕がポカしただけだった!
あの手記は、出鱈目じなかった!」
なんか、感動してますが?
はて?




