え?教えて?良いけど、まずは狩りからかな?え?狩っちゃダメ?なんで!?
しかし、女神様が料理を習いたいかぁ。
完全に予想外だな。
こう言う面白味があるから、未来を聞かなくて正解だ。
なんでもかんでも知れたら、楽しくないからな。
だから、未来情報は絞ってんだよ。
危機的未来や、不味いことが起こる以外は、伝えて貰わないようにしてんだわ。
だからさ、当然、アサァーラァさんが俺へ料理を習いたいなんてぇのは、知る訳がない訳でな。
「まぁ、良いですけど。
ですが、セリアム界もですが、全世界が料理技術が壊滅的なんですよねぇ。
食材自体がダメダメなので、食材確保から初めないとダメなんです。
そのため、生き物を殺めたり、解体したりも必要なんです。
できますか?」ったら、キョトンとされた。
あれ?
なんで?
「藤吾様。
セリアムは確かに食せぬが、アムズを指導する場合もありますのじゃ。
ゆえに、幼少期に狩りを仕込まれまする。
解体もですなぁ。
アサァーラァは、全ての課程を早々に終えましてのぅ。
容易く習得した弊害か、興味を持つことが見付かぬでなぁ。
で、引き篭もって、不貞寝しておった訳なのですじゃ」
あー、天才過ぎたんですね、分かりました。
古のセリアムさん並みの天才な訳だ。
彼は自分で造り出すことに楽しみを見出したが、誰でも出来る訳ではないからなぁ。
「なら、ちょっと狩ってみましょうか。
実地で教えた方が良いでしょうから」
そう、俺が告げたらな、ヤーヤマーサ様がね。
「藤吾様。
ちょっと待って貰えぬかえ。
先ほど、飛びウサギを狩ったばかりであるぞ。
その肉は余っておるであろう。
無益な殺生は容認しかねるわえ」
そのようにな。
だからさ。
「いやいや。
狩った獲物は、亜空間で保管しますからね。
時を止めてある空間ですから、食材は劣化しません。
だから無駄にはならないんですよ」
このインベントリみたいな亜空間であるファースト君。
自我が存在します。
ま、本人はAIだと言い切り、自我とは認めないが。
頑固かっ!
だから、時止め以外にも時加速まで行えます。
これ、ファースト独自の力みたいだ。
ただ時加速は、ファースト内でしか使用できないみたいだがな。
さらに、ファーストが認めた物しか入らない。
食材を突っ込むと、寄生虫や病原菌に毒素など、食材に不用な品は弾かれる。
下手な洗浄や浄化よりも確かだ。
そんな説明も、ついでにな。
「本当に藤吾様は、なんでも有りなのであるなぁ。
しかし、食材を入れるだけで綺麗に出来るならば、洗浄や浄化は不用だったのでは?」
まぁ、そうなんだけどさ。
「僕だけの食材なら不用ですね。
ですが、アムズさん達へは洗浄と浄化について教える必要があったため、あえて行った訳です。
つまり、アサァーラァさんへ、それを教えるために狩りたいんですよ。
まぁ、アサァーラァさんに、食材を保管する術が有れば、アサァーラァさんに保管して貰いたいんですけどね。
そうすれば、ご自分で色々と試行錯誤可能となりますから」
そう告げたらな。
「え?
保管庫なら、僕も持ってるよ?
世界の外に空間を作って、ソコヘ保管するんだよね?」
そんなん言い始めたんですが?
俺は思わずヤーヤマーサ様を見てしまう。
したら、ヤーヤマーサ様が驚愕顔で、アサァーラァさんを見てんな。
ヤーヤマーサ様にとっても予想外だったみたいだ。
どうなってんだ?
だからさ。
「保管庫って、そんな技術をどうやって身に付けたんです?
次元が虚無の海に理に、繋がるように浮かんでいると、知ってたり?」
そう確認したらな。
「?
虚無の海?
なに、それ?
次元は、すべての世界を内包する領域かな?
理に全てが繋がってるらしいのは知ってたけど、理に繋がって浮いてるの?
ふーん。
お爺ちゃまの書記より、詳しいのかなぁ?」
お爺ちゃまの書記?
なんだろ?
ん?
古のセリアムが残した書記ぃ!
マジかぁっ!