え?なに、この女神さまぁ!?
俺が、コレからのことを考えようとし、時が止まる寸前でな。
「なに、コレ、なに、コレぇっ!
凄い、凄いよ、コレ!
これ、どう言うの?」
「美味、美味しいと言いたいのかのぅ?
そう言えば、アサァーラァは、物を食べたことが無かったのじゃったか?」
ヤーヤマーサ様がアサァーラァ様へとね。
「だって、食べなくても生きて行けるじゃん。
食べても楽しくない、って聞いてたしぃ」
「それは、まことじゃぞ。
この料理が特別なのじゃ。
このように美味き代物を作る方法を、そこへ居られる藤吾様へアムズらへ伝授していただきたくてな。
それで、コチラへ来ていただいておる訳じゃて」
そうヤーヤマーサ様が説明したらな、俺をジィィッと見てな。
「凄い力場。
隠しているから気付かなかったけど、意識したら分かったわ。
私たちセリアムなんか、歯牙にも掛ける必要もないほどの強者。
恐ろしいわね」
あー、テンさん?
念入りに隠蔽したんじゃ無かったの?
え?
この女神様が特別?
古のセリアムクラスのポテンシャルを秘めているらしい。
ただ、彼とは違い、あの異常な情熱は、持ち合わせてないのだとか。
だが、やりたいことに目覚めると、おそらくは、のめり込むことにな。
したらな。
「あのー」って。
「ん?
藤吾様に、なにか用かえ?
妾がお招きしておるゆえ、失礼なきようにのぅ」
すかさず、ヤーヤマーサ様が牽制を。
いや、そがぁに警戒せんでもさ。
「分かってるわよっ!
それで、ですね。
この、美味しい?って言うんですか?
これを作る遣り方を、教えてください!」
そう言って、深々とお辞儀をな。
うや、意外と礼儀正しいし、素直そう?
「元々、アムズさん達へ、それを教えに来ていますから、構いませんけど?
なんで習いたいんです?」
そう尋ねたらさ。
「私、こんなに楽しい?
そう!
楽しいってこと、初めてなんです!
芸術とか、物を造るとか、あんまり。
て、言うか合わないしぃ。
勉強なんて、訳分かんないから。
理解は出来ても、なんのためにするのか、理解出来ないから。
でも、美味しい?は、楽しいの!
だから、楽しいを作りたいわ!
だから、だからね!
私、楽しいを作る遣り方を、知りたいんです!」
あー、この子(遥かに歳上)って、遣りたいことが見つからなかったから、不貞寝してた、ってパターンかな?
結構な才能が有りそうなのに、勿体無い。
このセリアム界って世界、いや、セリアムたちは、恵まれた環境に不老で飲食不用なこともあり、モノを強制することはない。
本人が、その気にならないと、遣れることがなかったりするんだ。
昔は芸術や建築、服飾などなど、様々なことに興味を持ち、積極的に活動していたセリアムもいる。
だが、永遠に近い生を持て余し、全てに興味を失い隠遁するセリアムもな。
セリアムたちは、睡眠も不用なのだが、活動を休止することは可能だ。
睡眠と言うよりは、仮死状態だろうか?
外部からの刺激には反応するので、なにか有れば覚醒する。
そう、アラァーサァさんが、外部から人の騒めきにて半覚醒となり、料理の香りに誘い出されるように目覚めたようにな。
しかし、不老が羨ましいとか昔は思っていたが、永遠に生きる、てえのも結構、苦痛なのかも。
まぁ、俺にはテンさんに、ハク。
それに亜空間のファーストもな。
彼らは不滅の存在だし、結構、色々してるから飽きない。
っか、ファーストとハクが、ハクの世界でヤンチャするからさ。
時々、テンさんと俺がフォローした後で叱ったりさ。
でも懲りずに、また変なことをさ。
っか、テンさんが、地球のアニメを2人に見せたのが、絶対に悪いと、おれは思うんだよ、うん。
二足歩行兵器は要らないし、二足歩行の巨大ヌコを造ろうと画策したりな。
いや、哺乳類が居らんでしょうがっ!
代わりに亀が二足歩行してたりな。
他国に、そんなアニメキャラが存在した噂があるが、それか?
まぁ、こんなんだから、俺が暇することは無いだろうなっ!