さぁ、狩りの時間だ!っか、狩り?なのか?
バカ者ラングエルが時止めにて固まった後、皆は俺の話しを信じたみたいだ。
っか、実際に時を止めて見せてるし、信じるしかないのだろう。
まぁ、苛立っていたバカが、足を軽く鳴らしており、足が宙に浮いた状態で止まってからなぁ。
あの状態で止まることなど、まぁ、出来ないわな。
「さて、ちょっと邪魔が入りましたが、皆さんには狩りをして貰います。
順番に一頭づつです。
気を付けていただきたいことは、腹を狙わないことです。
内臓を傷付けたら、内臓へ含まる内臓物が肉を汚して台無しになります。
皆さんは魔法で狩ると思いますので、なるべく早く苦しまないように倒しください。
これも無駄に血の巡りを良くさせるのを防ぐためです。
血抜きに影響しますから、素早くお願いしますね」
イメージは暗殺かな。
狩人が息を潜め悟られ無いように近付き、一瞬で屠る。
サイレントキラーみたいななをするベテランが居るらしい。
彼いわく、あまり暴れさせると、肉質が落ちるのだとか。
だから素早く急所を断つのが良いらしい。
狙いは首の動脈か脳だってさ。
まぁ、脳を好んで食べる方も居るらしく、そう言う方からは不評らしいのだがな。
脳は食べたことが無いんだが、美味いのか?
ある本では、羊の脳がフグの白子へ代わる品だとされていた。
フグの白子は食べたが、あまり美味いとはな。
まぁ、鮮度の問題だろう。
なぜか?
タラの白子を何度か食べたが、それはそれは、美味い物だったからだ。
ただ、鮮度が落ちた代物は、食えた物では無かった。
で、さっきのフグの白子は、タラの白子に劣る。
勝ると言われているのにだ。
コレは、鮮度が落ちているか、調理がダメだったのだろう。
で、俺がなんで食べたことがあるのか?
父さんの弟である叔父さんがな、たまに競馬とかで勝つと、食べ歩きへ俺を付き合わせるんだよ。
彼女は居らず、どちらかと言うと女性は苦手みたいだ。
友人とも疎遠らしく、1人で食べ歩くのもつまらない。
甥の俺なら、気楽に連れ回せれる、ってね。
まぁ、美味い物が食えるから良いけどさぁ。
当然、姉貴や妹からクレームが入るんだが、お喋り厳禁なら同行を許すが、破ったら二度目は無いし、今後、土産も無し!
って言われたら黙っていた。
いやいや、口から産まれたような2人だぞ。
お喋り厳禁って、拷問に近いからなっ!
話しが逸れたから戻そう。
それで1人目が獲物をな。
えーっとぉ、そう来たか。
一見、何も無いように見える。
まぁ、俺は索敵して草むらへ、ウサギのような生き物が居るのに気付いていたがな。
で、そのウサギの脳だけが凍る。
っか、怖っ!
当然、即死です。
ウサギは、自分が攻撃されたことを、死んだ後も気付かなかっただろう。
「おぅ。
それ、飛びウサギだろ!
その毛皮と翼は、服飾系のヤツらに人気なんだよなぁ」
「だろ?
俺も服飾系に手を出してからさ、たまに狩るんだよ。
こうして脳を凍らせると、素材が無駄にならないんだ」
そんなん言ってる彼へな。
「では、狩った獲物を血抜きしてください。
水の魔術で血を操り、体内から除去するイメージですね。
首の動脈を切ると、血が流れ易くなりますよ」
そう告げたらさ。
「そっかぁ。
血が肉の味を下げるんだけか?
そんなん知らんかったよ」
そう告げながら、ウサギから血を素早く抜いて行く。
で、途中で慌てて止めたよ。
「ストップ!
それ以上は抜かないでくださいね。
干からびてしまいますから」
うわぁ、魔法って、パねぇわっ!
危うくウサギのミイラが出来るとこだったよ。
「血抜きが終わったので解体ですが、一旦浄化しましょう。
後、虫を除去するため、水魔法で覆って丸洗いします。
毛の隅々まで水流で浚うよう、丁寧にお願いしますね」
そう告げたらさ。
「おぅ、任せとけって。
そこら辺は、狩りしてるヤツらならやるからさ。
それしないと、死骸から虫が移って来たりして、酷い目に合うことがあるからなぁ。
まぁ、魔法で対処可能だけど、虫に集られるのはゴメンだからな」
そう告げて処置を。
いやぁ、彼が1番手で良かったよ。
楽だわぁ。