屋台料理で良いっすか?え?味をみないと決められない?食いたいだけやろぅ!
軽く時間を止めて考えたので、その内容をヤーヤマーサ様へとな。
「料理ですが、気楽に食べ歩きができる物が良いですがね。
僕の世界では、屋台料理と言われている料理なんですけど」
ん?
そう言えば、リバーウッズには食べ物の屋台が見当たらなかったような?
はい?
バハラキには、料理を提供する屋台はない?
はぁ?
なんでさぁ?
基本バハラキでは、寄生虫の問題が有り生の料理はない。
例外は果物だが、その果物も皮を剥かないと食べないらしい。
なら、火を使った料理なら?
まず、炭を使う文化がない。
薪を使うなら、店舗で行わなければ、火災の原因になりかねないため許可されない。
火が使えないなら、出来た物を売ることになるが、冷めた物を屋台で買うなら、料理屋か宿屋へ行くだろう。
あ、宿屋は飯屋を兼ねてるからな。
それに保存技術が未発達であるため、屋外で作り置き料理を提供すると、食中毒の危険性もある。
ゆえに、屋台料理屋などは、バハラキには存在のだとか。
だから当然ながら。
「屋台料理であるか?
屋台では、料理が提供できなんだハズじゃが?
ハテ?」
まぁ、そうなるわな。
「僕の世界では、火を扱う技術が発達しています。
なので、屋台で火を扱えるのです。
そのため、屋台で提供する料理も発展したのですよ」
「ほぅ。
つまりはじゃ、このような場にて提供する料理、っと言う訳じゃな?
して、どんな料理なのじゃろか?」
興味津々なんですね、分かりました。
「そうですねぇ、串料理が良いかな、っと。
シンプルだし、コチラでの料理との比較もし易いですから。
むろん創造して出しますから調理はしませんよ。
私は料理人ではないので」
まぁ、アカシックレコード経由で、調理技能はインストールみたいに習得したりしているのだがな。
だが、実際に作ったことはない。
まぁ、できるだろうけどさ。
「ふむ。
出来たら調理しておるところを、アムズらへ見せたかったのじゃが、無理も言えぬわなぁ。
それで、その串料理とは、どのような物なのじゃ?」
いや、ヤーヤマーサ様?
キラキラ目で、わくわく、ってしながら言われてもですね。
なんか、この女神様、食いしん坊キャラになってないか?
「あー、その、食べたい訳ですね?」
「おや、話しが早いのぅ。
不思議な話しなのじゃが、少食である妾が、なぜか幾らでも食べれるような気がするのじゃ。
そうなると、美味なる料理に興味がのぅ」
あーねぇ。
テンさんが、余分な胃物はエネルギーへ変換し、ヤーヤマーサ様の力場へと移してるからなぁ。
そらぁ、幾らでも食べれるだろうよ。
まぁ、そうしないと、少食なヤーヤマーサ様が食べれないからさぁ。
皆が食べてるのに、1人だけ無しは可哀想じゃん。
だから行った処置なんだが、どうやら味をしめたみたいです。
「ふぅ、分かりましたよ。
では、まずは試食しましょうか。
ちょっと、ここへテーブルを設置しますね」
そう告げてから、広場の端へテーブルを。
胸より下辺りであり、立って物を取るには丁度よい高さかな。
そのテーブルの上へ、予定していた串料理を。
塩胡椒味の牛串。
豚バラ肉のタレ串。
鳥ハラミのタレ串。
鳥ネギ串に豚葱串。
椎茸串。
キュウリ串。
コレらを皿へ盛り、テーブルへと。
うん、肉を焼いた良い香りが。
料理の香りと言うのは、ある意味では暴力的だ。
その香りで胃袋を掴まれてしまう。
例えば、ウナギは煙で食わせる、なんて話しもある。
それは、ウナギを焼く香ばしい香りにて、客を呼び込むことを示していたりな。
いや、そのな。
試食であり、まだ売る訳ではない。
まぁ、セリアム界には金銭がないため、単純に配ることになる訳なんだが、それでも、まだ配る段階ではない。
無いんだが・・・
なんかさぁ、香りに釣られて、広場に居たアムズたちが寄って来てんだが?
どうすんべぇ?




