師匠?魔法が使いたい?なら力場を渡しますね。
呆れたようにヒルデガルデさんがね。
「藤吾や、ソナタは、何を言っておるのじゃ?
力場を造るには膨大な力が必要じゃと、ソナタが告げたのじゃろうに」
困ったようにな。
だからさ。
「そうですよ?
だから、膨大なエネルギーを持つテンさんなら可能なんですけど?
僕はテンさんの他に2つの力場を持っていますから。
まぁ、セリアム界などを含めるなら数は増えますが、バハラキ星を含むギュルヒュアイヤーは、1つの空間としてカウントしていますがね」
そう告げたらさ。
「バハラキ星?
ギュルヒュアイヤー?
それは、何であるや?」
不思議そうにね。
あーねぇ。
そうだったわい。
ヒルデガルデさんの世界では、星の概念がね。
ガリレオ・ガリレイの時代ではないが、天動説が信じられている。
世界の端は滝っうヤツだね。
面倒だけど軽く説明し、ヒルデガルデさんが目を回し、オーデットさんが能面になったりしたがな。
つまり、ヒルデガルデさん達が住んでいる星の名がバハラキ星であり、テンさんが内包した時空がギュルヒュアイヤーなんだよ。
まぁ、ギュルヒュアイヤーは滅んだ時空の総称だから、正しくは、その一部なんだけどさ。
「つまり、藤吾様は力場を造り出せるだけではなく、貸与可能と?」
ヤーヤマーサ様が真剣な顔で。
だからさ。
「正確には、僕ではなくテンさん。
僕に憑依した力場ですがね。
まぁ、ここの時空はテンさんの中だから、テンさんなら自由に出来ますから」
そう告げたらさ。
「では、頼めば」なんて言い始めたからさ。
「ヒルデガルデさんは、僕の師匠だから特別です!
他の方は、絶対に行いません!
安易に力場を譲渡すると、問題が発生しますからね。
だから行いませんよ」
そう釘を刺しておいた。
ヤーヤマーサ様的には、ランピアル界の親しい者や、バハラキ星にて親しくしている者へ、与えたかったみたいだ。
だが、下手に俺が力場付与できることを広めれば、面倒事へ発展するのは、目に見えてるからな。
「そうでありますや」
実に残念そうにね。
そんな顔しても、ダメですよ。
「藤吾や、本当に力場を?」
そう尋ねてくるからさ。
「ただし!
最初は極小の力場からです!
そうしないと、ヒルデガルデさんが制御できませんからね。
そんな極小の力場でも、魔法は発動できます。
だから、そのレベルから始めましょう。
慣れたら、力場を大きくして行きましょう。
力場が大きくなれば、様々な属性も操れるようになりますから。
なーに、ヒルデガルデさんは、シルファーナ種なんですから、時間は十分にあります。
それに新陳代謝魔法で若返ったことで、寿命も伸びてるんです。
気楽に遣れば、その内に、って、ん?」
「藤吾?
どうしたのじゃ?」
いやいやいや。
この人も、十分チートやんね。
テンさんからさ、近未来情報がさ。
なんと、1週間でトートガラムさんと同等の力場を手に入れるってさ。
しかも、複数の属性が扱えるようにもなるみたいだ。
まぁ、その未来は告げない方が良いみたいだ。
本人が知ると、習得が遅れ。
あ?
「そうですね。
適切な鍛錬を行うと力場拡張が早まりますが、無理すると遅くなります。
適切な食事に睡眠が、必須ですね。
無茶しても、結果は悪化しますから」
あー、ふぅ。
このアドバイスで、習得期間が一週間から3日に変わる?
つまり、無茶したから、一週間に伸びたってか?
この人も、大概だよなぁ。
普通はさ、ヒルデガルデさんと同じシルファーナ種の魔術師であっても、習得するのに最短で一年掛かるんだよ。
下手したら数年どころか、数十年だ。
それを数日って、アータさぁ。
まぁ、とりあえず亜空間力場を、ヒルデガルデさんへ付与しますかね。
テンさんが、小石程度の力場を創り出す。
それをヒルデガルデへとな。
「む?
何が?」
わー
早速分かるんだぁ。
お流石です!




