ようやくセリアム界へ移動です。そこぉ!ニヨニヨしないっ!
「あー
ヤーヤマーサ様?
そろそろ移動しません?」
穴を開けっ放しだしね。
まぁ、関係ない者には見えないように、テンさんがしてるけどね!
それよりもさぁ、ドルマンドルさんが、コチラをチラッチラッって見てるんですが?
なんだか、非常にぃ、気になります!
それをヒルデガルデさんが、ニヨニヨと見て・・・ヤーヤマーサ様と教皇様もかい!
おばちゃんかぁ!
あ、おばちゃんだったか?
怖いから言わんけど。
オーデットさんと司教様に大司祭様が、呆れたように3人を見ている。
っかさぁ、ドルマンドルさんの状態に気付いたトートガラムさんが、ギッっう感じで睨んで来るんですが?
もーイヤ!
「皆が行かないなら、僕1人で行きますからね。
来なかったら、穴を閉じますから」
そう告げたらな。
「ふぅ。
藤吾は、せっかちじゃのぅ。
分かったわえ、行こうかのぅ。
して藤吾や」
ん?
「藤吾の好みとする女子は、どのような者なのじゃ?」
何をブッ込んで来ますかね、この師匠はぁ!
「師匠でないことは、確かですよ!
さぁ、行った、行ったぁ!」
「むぅ、釣れないのぅ」
含み笑いでね。
ん?
なんか、言葉のニュアンスが違ったような?
はい?
上手いこと釣れなかった?
連れないじゃ、ないのかよっ!
で、なんやかんや有りつつ、穴を通ってセリアム界へと。
学び舎前の広場です。
学び舎にて催すイベントにて使用される広場で、今は閑散としている。
まぁ、端のベンチで寛いでいる者たちも居るがな。
「さて、なんか時間が掛かったような気がしますが、セリアム界の首都であるセータリアへ来ましたよ。
学び舎前の広場ですが、これから、どうしましょう?」
俺はヤーヤマーサ様に請われて来ただけだ。
だから俺的にはノープランなんだよ。
「ハイハイハイはーい!」って師匠がね。
「ヒルデガルデさん、なんでしょう?」
「我は、学び舎で色々と学びたいのじゃ!
よかろうか?」
え?
なぜ、俺に聞く?
「僕に権限はないですからね。
ヤーヤマーサ様。
ヒルデガルデさん達が、学び舎を使う許可をですね」
「ん?
学び舎は、万人に開かれておるぞえ。
じゃから許可を得るなど不用じゃ。
行って学びたいことを、受付のパペットへ告げるが良い。
暇をしておるセリアムへ連絡が行き、承諾されれば講師として来よう。
して、何を学びたいのじゃ?」
そう問われたヒルデガルデさんがな。
「魔法です!
ぜひ、魔法の使い方をですね!」
「あー
それは、ちと難しいやものぅ」
そう言われ、首を傾げるヒルデガルデさん。
あーねぇ。
魔法をあつかうには、まずは力場を得て制御できないとダメなんだよ。
ヒルデガルデさん達の世界では、力場を得ている者は居ない。
まぁ、俺は除くがな。
だからヒルデガルデさんが魔法を習得するには、自分用の力場を構築するか得なければならないんだ。
実は、アムズの中には、たまに力場を持たず産まれる子供がな。
そのような場合は、力場を得るための修行を行わせる訳だ。
だからヒルデガルデさんも、この修行を行えば、力場を得られるかもしれない。
だがなぁ。
「ヒルデガルデさん、ちょっと待ったぁ!
ヒルデガルデさんが、力場を造るのは、無理ですからねっ!」
思わず、待ったをね。
「なぜじゃ?」
不思議そうに。
「ヒルデガルデさんは、セリアム界の神力に耐えられません。
そのため、テンさんが適切になるように制御しています。
ですが、力場を構成するには、その神力が大量に必要なんです。
ですから、セリアム界での習得方法では、力場を得られませんからね」
「な、なんと!」
ヒルデガルデさん、絶句。
「うーむぅ。
力場が得られぬのであれば、魔法は無理じやのぅ」
ヤーヤマーサ様が、困ったようにな。
「そんなぁ」
あーあ、悄気ちゃったよ。
仕方ない。
「ふぅ。
ヒルデガルデさん。
力場、要ります?」ってみた。
「はぁ?
ソナタは、何を言っておるのじゃ?」
正気か?っう目で見られたんですが、酷くね?