ガチムチ髭面オヤジの正体はぁ、親バカ、娘バカ、溺愛オヤジでしたぁ!
「なるほどのぅ。
まぁ、仕方ないとも言えるが・・・
相も変わらず、姪が絡むとポンコツじゃのぅ、ソナタは」
そう呆れたようにね。
ちなみにドルマンドルさんの両親は居ない。
母親はドルマンドルさんを産んだ時に。
父親は、彼女が5歳の時、病でな。
兄の家へ居候していたトートガラムさんがドルマンドルさんを引き取り、彼女を育てることに。
当時の彼はヒルデガルデさんの世界にて、デェーヴァ出現地帯にて、討伐や拠点防御の任務に就くことが多かったらしい。
ヤーヤマーサ様は時々、そのような場所を視察!?
なにしとんのっ!!
その際の護衛に抜擢されており、ヤーヤマーサ様との知己を得たそうだ。
トートガラムさんの兄が病に倒れた際、前線から身を引く彼をヤーヤマーサ様が従者へ抜擢。
普段はランピアル界での待機を命じたらしい。
まぁ、普段は鍛錬とドルマンドルさんの世話くらいだし、知り合いから家政婦さんを紹介して貰い、家事を任せているがな。
あー
結婚しないトートガラムさんに周囲が気を回し、彼に恋慕する娘さんを家政婦として紹介したみたいだ。
今は内縁の妻状態であり、ドルマンドルさんが独立したら結婚するみたい。
で、2人にとってドルマンドルさんは娘みたいな存在であり、目に入れても痛くない、っうほどに可愛がっているそうな。
あー
親バカで、娘バカな、溺愛オヤジな訳ね。
そらぁ、取り乱すわなぁ。
「まぁ良い。
事情は分かったでな。
それで重傷者は、どうなっておる?」
「そちらは治癒魔術にて応急手当を行いました。
今、治癒院へ、使いの者を行かせております」
ランピアルたちも魔法は使える。
各々が力場を有しているからな。
だが、得手不得手があり、どんな魔法でも使える訳ではない。
まぁ、ここら辺がランピアル界へ住まう者の限界だろう。
「あー
治癒院の方には申し訳ないですが、無駄足になりますね」ったらさ。
「ぬ?
間に合わぬと?
一応、手当はしてあるのだが?」
少し不満気なトートガラムさん。
いや、違うからね。
「あのですね。
全員を治癒しときましたから。
ついでに、ドルマンドルさんの傷も治しておきましたよ」
そう告げたらね。
「はて?
私の怪我は治してあるのですが?」
不思議そうにね。
だからさ。
「いやいや。
傷痕を残しちゃダメでしょう。
女性の肌は綺麗でないと」っといた。
いやねぇ。
戦ったからか、訓練でなのか。
体に無数の傷がね。
だから全て消しときました。
「はい?
アナタは、何を仰って・・・手の甲にあった古傷がない?
え?
どう言うこと?」
俺は、彼女の前に姿見を。
前にマロンさん達の前へ出した姿見だな。
イキナリ現れた姿見に驚いたみたいだが、さらに自分の姿を見てさらにな。
「額の傷が消えてる?
え?
嘘ぉ!」
あー
結構、お転婆だったみたいだね、彼女。
額の傷痕は、小さい頃に木から落ちた時に負った傷が残ったものだ。
彼女のトレードマークみたいになっていたみたいだが、彼女自身は内心嫌がっていたりする。
彼女のコンプレックスでもあったみたいだぞ。
その傷痕が消えて、思わず涙ぐんでいる。
あー
トートガラムさん?
別に泣かせた訳では無いですからね。
「ふぅ。
女性がぁ!
顔に傷痕を残して、それをトレードマークっわれて喜ぶかっ!
武人の勲章的な傷などしらん!
男性と女性は違うんだ!
顔に傷痕を残して喜ぶ女性などおらんわっ!」
思わず怒鳴り付けてしまったよ。
そこんとこのデリカシー皆無みたいだな、このオヤジ。
「む?
口に出しておったか?」
「俺はアカシックレコードの情報を得られるからなっ!
アンタの考えることなど、アカシックレコード経由で知れるわっ!
ちいたぁ、デリカシーっうもんを覚えろやぁっ!」
何故か腹が立ったので、ついな。
「ふむ。
藤吾が、そこまで熱くなるのは、珍しいわえ?
その娘が絡んだからかや」
はい?
ヒルデガルデさん、何言っとんの?




