よろしい!では、説明しよう!あぁ、理解されるって、素晴らしい!!
そう説明しているとな。
「その話しは、本当であろうや?
この世界は滅びぬと?」って、ヤーヤマーサ様がね。
そう言えば、セリアムとダイダラは、この世界が元の世界から隔離されたことに気付いていたんだけか。
ダイダラ陣営は、終末だとヤケになっている。
けど。
セリアム陣営は、冷静に状況を把握中だったか。
「世界が隔離されたことには、気付いていたんでしたけ?」
「うむ。
ソレは把握しておりましたのぅ。
ただ世界が、どのように変貌するのか?
ソレを見定めようと、調べておりましたゆえ」
「まぁ、滅びも変貌もしませんよ。
テンさん、って言う力場が、この世界を隔離して内包しましたから。
そうで無かったら、この世界のは消滅していました。
非常に運が良いですよね」
うーん。
ヒルデガルデさん?
いや、オーデットさん達も?
流吾呟き、止めて貰えません?
しかしさぁ、話しが通じる、ってぇ、素晴らしい!!
「しかし、藤吾様?
そのテンさんとやらが童らの世界を内包して、虚無の海を漂っておるならば、藤吾様は、どのようにして、この世界へ?」
うん、理解してからの質問!
実に素晴らしい!!
「実は、理に属せずに虚無の海を漂っていると、いずれは消滅します。
だから理に繋がる必要が有ったんです。
理へ接続するには、存在する物質を介してでも良いのですが、それだと繋がりが弱く、いずれかは消滅します。
だけど、生物、特に知的生命体を介せば強固な繋がりを得られ、消滅しなくなるんです。
全ての事象は、理が管理するアカシックレコードにて管理されており、全てはアカシックレコード経由にて理へも接続可能です。
まぁ、可能なだけで、普通は無理ですがね。
で、生き物の記憶は全てアカシックレコードへ存在します。
その貯められた記録とは、各々が強固に繋がっており、記録を記憶として引き出して使っているんです。
皆さんも同様ですよ。
ただ、新たに理へ接続する前は、アカシックレコードから切り離されていましたけどね。
テンさんが世界を凍結させ、時が止まってたから問題無かったですけど」
あの状態で、この世界が稼動してたら、どうなってたんだろ?
ん?
パラレルワールドで分かるが、調べるのは、お勧めしない?
かなり悲惨?
あ、結構です、はい。
「もしや、その理へ再接続する先に選ばれたのが、藤吾様?」
ほぅ、流石はセリアムの女神様だね。
それに気付きますか。
「選ばれた、って言うのは大袈裟ですけどね。
たまたまテンさんが接続し易い位置へ居たのが、僕だっただけです。
ぶっちゃけ、誰でも良かったんですよ。
本当に偶々なんですよねぇ」
まぁ、ダンジョン騒ぎでも分かるように、虚無に漂う空間への接続が起こり易い状態ではあった。
だが、別に俺の世界や俺の時間軸でなくても、テンさんへ接続できる者が居るかもしれない。
過去に神隠しとかあったが、一部は隔離空間へ行って、そのまま居着いてるからな。
大災害が起こる前の世界でも、そんなことが有ったらしい。
明治以前もだが、それ以降でもだ。
太平洋戦争中に隔離空間へ接続できた者が、家族揃って逃げ出したりさ。
そこでは村が造られており、時々、孤児などを拾っては村人にしていたみたいだ。
初代接続者が身罷り、俺たちの世界へは来れなくなっているみたいだが、理とは強固に接続できているから、あの世界が消えることは無いかな。
このように、どの世界の、どの時間軸であろうと、虚無へ漂う隔離空間と繋がる可能性は、ある訳だ。
まぁ、俺が特別ではない、ってことだな。
「つまり、僕は選ばれた者などではなく、たまたまテンさんと接続してしまった一般人なんです。
接続前は、保護者に養われる高校生でしたし。
あ、高校生は、学び舎へ通う学徒のことです。
まぁ、学徒ではなく、生徒なんですがね」
そう説明を終えたんだが、理解したのはヤーヤマーサ様だけだった。
他の皆?
精霊様方々以外は、全員彫像化していますが?
あ、精霊様方々は、端から聞いていません!
まぁ、無理しないだけ賢いだろうね!




