表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/203

セリアム界へ酪農?え?俺が教えんの?いや、料理を振る舞え?マジでぇ!?

「セリアム界へ酪農を、ですか?

 ですが、酪農を行う者が居ますかね?」


育てなくとも、手軽に手に入る環境なんだからな。

そんな苦労をする者など、居るのだろうか?


「そこなのじゃよ」


え?

どこ?


いきなり、訳が分からぬことを言うヤーヤマーサ様。

困ったものだ。


「食材が、如何に大事であるかを、まずは知らねばならん!

 そうせねば、わざわざ作ろうとする者はおらんじゃろう。


 そこでじゃ!

 藤吾様へセリアム界へ来ていただき、アムズらへ料理を振る舞って欲しいのじゃ。


 キャツらが食しておる物体が、如何に不味いのか!

 それを、如何に美味く食せるようにできるのか!

 キャツらへ、知らしめて欲しいのじゃよ」


うーむぅ。

アムズは、生で果物や野菜を食べるか、魔法で加熱して食べるくらいしかしない。

まぁ、魔法で浄化して食すため、危険はないんだがな。


塩を振るくらいはするが、基本的に食材の侭だ。

簡単に食材が手に入るため、保存の概念もない。

気温も一定で、常に温暖だしな。


保存せずとも食材が溢れ、簡単に手に入る弊害でな、香辛料などもない。

いや、存在はするし、簡単に入手可能なんだが、誰も使おうとしないんだ。

いや、思い付かない、った方が良いだろう。


彼らにしたら、食べることは生きるための作業にしか過ぎない。

美味しくするなど、元々、彼らの概念には無いんだよ。


だから、如何に魔法を駆使して物を作るか。

より素晴らしい物を、如何にして作り出せるか。

そこにしか思考は向かない訳だ。


だが、美味い食事が素晴らしいとしったら?

ソレには技術が必要と知ったなら?


凝り性な彼らは、のめり込むだろうな。

下手したら、俺の世界を超える料理が生まれる可能もある。


まぁ、俺が調理方法や調理器具を提供し、様々な料理を食べさせたらな。


そうだ!

畜産ドラゴンを復活させて、彼らに任せてはどうだろう?

他にも、滅んだが世界には素晴らしい食材が存在した。


だが、世話の手間が大変で、環境に左右される食材が多い。

だがな、セリアム界ならば、神力と強化された精霊力が、その難易度を緩和してくれる。


凝り性なアムズならば、ソレらを育てることも可能だろう。


俺は精霊力から物を創り出すことは可能だ。

だが、それは既に存在している物だけだ。

いや、ソレをベースに、多少のアレンジは出来る。

だが、それでも、ベース範囲を超えることはないんだよ。


けどな、アムズへ任せれば、オリジナルを超える食材を産み出す可能性がさ。

そうなれば、その新たな食材はアカシックレコードへと記録される。


アカシックレコードへ記録されれば、俺は何時でも精霊力から、その食材を創造できる訳だ。


アムズたちには魔法がある。

品種改良の概念や遣り方を教えたら、魔法で色々と試すだろう。

新たなる食材が産み出されちゃう?

コレは否応なしに期待が膨らむと言うものだ。


そんなことを思ってるとな。


「実はのぅ。

 童は食べると言うことは、したことがある。

 このような、美食ではないがな。


 ハッキリ言って不味い。

 苦痛でもあったわえ。


 しかしアムズたちが招いてくれるでな。

 仕方なしに食しておったのじゃが・・・

 もう、あんな代物を食いとうないのじゃ!


 藤吾様よ。

 頼み申しますゆえ、なんとかしてたもれ!」


あー

年に数回ほど、女神様方々への感謝を込めて酒宴が開かれるらしい。


ああ、酒は有る?

う〜ん、これは・・・


自然発酵の雑味ある酒ですか、さいですか。

酒を醸造する技術はないみたいだな。


あー

下処理や適切な解体をせずに、調味料は塩のみ?

しかも、生か、焼くしか、調理方法がない。


え?

そんなんで、感謝の酒宴を開くの?

マジでぇ?

そんなん、ある意味、女神様方々への冒涜やんね。


っか、セリアムって大人だなぁ。

不味いけど、わざわざ用意してくれたからって、我慢して食べてるらしい。


まぁ、料理って、そんな物って思ってたらしいんだがな。

女神様方々は優しい。

男神様方々は、食わなくとも問題ないからさ、わざわざ食べようとはしないもん。


しかし、ヤーヤマーサ様は、俺の料理を食べて我慢できなくなったみたいだ。

ま、仕方ないやね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ