入室、失礼します。ん?その意味?え?意味ってぇ!?
直ぐにヒルデガルデさんの部屋へと。
まぁ、隣りだしな。
っても、部屋が広いから、その分、廊下を歩く距離がある。
だから多少は歩くんだがな。
ヒルデガルデさんの部屋前で、マロンさんがドアをノック。
「マロンです。
ただいま戻りました。
藤吾様が居られましたので、お連れいたしました」
そう告げると、室内から応えがな。
「ふむ。
今回は居ったようじゃな。
入るが良い」
そう告げられたのでな。
「入室、失礼します」ってから入る。
したら、キョトンって顔でヒルデガルデさんに見られた。
なんだ?
「入室が失礼なのかや?」ってさ。
あれ?
そう言えば、定例句で使っていたけど、なんで失礼?
部屋へ入る場合に使う言葉だけど?
ん?
相手に迷惑でないか、または失礼で無いかを、立ち入り許可として告げる?
いや、それだとさぁ。
ノックが、それにならないか?
え?
別の解釈もある?
個人の部屋は、室内へ居る人物なパーソナルスペースと化しているようなもの。
そこへ侵入する訳だ。
だから、アナタの領域へ立ち入ります。
失礼しますね?っうことらしい。
あ、コッチなら納得だわ。
自分が理解したからさ。
「これ、僕の世界で入室時に告げる定例句なんですよ。
室内って、部屋に居る人たちの領域じゃないですか。
そこへ立ち入る訳ですから、皆さんの領域へ立ち入りますよ、失礼いたしますね。
ま、こう言う意味ですかね」
そう告げるとな、ヒルデガルデさんが、関心したようにさ。
「ほぅ。
藤吾の世界では入室に、そこまでの配慮を?」
そんなことを言うからさ。
「いえ、主に僕の国の文化ですね。
配慮と言う言葉を知らない国もあります。
公共の場で大声で騒ぐのが文化で、それを僕の国が容認しない、って非難したりですね。
まぁ、大災害で滅んだんですが、避難区域で犯罪国家を築いてますよ。
確か・・・近々、世界的に組織した軍で攻め滅ぼす話しになってたハズですがね」
今の世界では核兵器どころか、原子炉を造ることさえ違法となる。
コレは日本で、ではない。
世界的に、で、でな。
違反がバレれば、殲滅対象となるんだ。
まぁ、発射されなかったミサイルや原子炉、他のソレ関係の施設が、大災害にて放射能を撒き散らしたからなぁ。
人が住む領域が、それで狭まったのは仕方ないだろう。
だからこそ核に対する忌避感が、今の時代は強いんだ。
なのに、なんで手を付けるかねぇ。
まだ研究段階ではあるが、核兵器を造ろうとしてんだと。
バカなのか?
まぁ、バカなんだろう。
世界のアチコチで騒ぎを起こし、避難区域と言われる場所へ押し込められても、まだ反省できないみたいだし。
まぁ、滅んでも仕方ないのでは?
「ほぅ。
我は礼儀正しく素晴らしい文化だて感心したのじゃが、逆に迷惑千万な輩も居る、っと言う訳じゃな。
まぁ、人は千差万別ゆえに、仕方ないなやもなぁ」
呆れ果てたようにな。
「まぁ、僕の国での挨拶については、コレくらいで。
それで、僕をお呼びだったとか?
何かありましたか?」
そう尋ねたんだがな。
「ふむ。
そうであったな。
いやな、ここでの作業は終わったであろ?
精霊様方々も、見たい物は見たらしいわえ。
まぁ、帰りにも寄るでな。
それで、明日の朝には、ドラグスケールへと向かおうかと思っておる。
ゆえに、藤吾の都合も聞いておこうかとのぅ」
まぁ、別にココですることも無い。
それに、ココへ来るのは一瞬だしな。
明日の朝に出立しても、問題ないだろう。
「僕は別に構いませんよ。
僕だけなら、いつでもココへ来れますし」ったらな。
「そうじゃったか。
藤吾には、転移門?であったか?
それで転移可能であったのぅ。
実に羨ましい話しじゃて」
そう言うんだが、本当はハクさん経由なら皆で転移可能だ。
だが、転移で移動ばかりしていては、旅の醍醐味が台無しだからなぁ。
ここは、“身体強化”と“地走り”の魔法で移動しますかね。




