さぁ、皆さん!着席!ん?ヤーヤマーサ様?新語は要らんですよっ!
普段は食事を摂らない龍族の方々だが、テーブルの上へ用意した料理に、目が釘付けです。
っか、料理の香りにさ、操られるかの如く、ふらふらってね。
テーブルの前へ来たら、食べずに俺を見る。
うん。
お預け食らった犬みたい。
ヤーヤマーサ様は宙を舞い、コチラへと。
俺の席の隣りへとな。
「実に美味そうであるが・・・いつの間に用意なされたのや?」
実に不思議そうにな。
「ちょっと時を止めて、精霊力を使用して創造してみました。
まぁ、一瞬って感じですかね?」
コレが俗に言う、藤吾の一瞬クッキングだな。
ん?
言わない?
マジでぇ?
「まぁ、せっかく用意したんですから、食べましょ」ってみた。
「ふぅ。
まったく藤吾様は、神外であらされるなぁ」
いや、ヤーヤマーサ様?
人外は聞いたことあるけど、神外って、アータ。
え?
それって、人どころか、神からも外れてるってこと?
納得いかん!
いや、待てよ?
人なんだから、神外だよね。
そーかぁ、納得だわ。
「コレは、コチラの世界の料理ではなく、僕の世界に存在する料理を模して作りました。
ご賞味ください」ってみた。
したらな。
「あー
そのじゃな。
どんな物か、説明して頂けないであろうや。
龍たちもじゃが、妾も普段は食事をせぬでな。
食べ物自体に疎いのじゃ」
あ、そかぁ。
セリアム種クラスになると、力場からエネルギーを得るから食事は不用なんだったわ。
代わりに力場へエネルギーを貯める必要があるが、セリアム界に満ちる神力が、常に力場へ流れ込んでいるから、セリアムたちが何かする必要は無いからな。
それなら仕方ないかな。
俺はヤーヤマーサ様へ料理の説明を。
「まずば、メイン料理からですね。
数を揃えてありますが、食べれなかったら残してください。
残ったのは精霊力へ還元しますから」
そう告げたら、なんかさぁ、ため息を吐かれたんだが?
なんだろ?
「物質を精霊力へ還元であるか?
そんなこと、考えたことも無いわえ。
っと言うか、普通はできぬであろうよ」
呆れたようにさ。
それは異なことを。
「いやいや。
この料理は、精霊力を使って創造したって言いましたよね?」
だよね?
「なら、精霊力へ戻せるのも道理ではないですか。
別に不思議ではないかと?」ってみた。
したらな。
「いやいやいや!
そもそもの話し、精霊力から物を創り出せることが、おかしいのですじゃ!
そんなこと、セリアムには出来ませぬ。
ましてや、ダイダラやホルトザにも!
藤吾様だからこそ、成し得てえられるのですからの!
一緒にされても、困りまする!」
そかなぁ?
頑張れば出来るんじゃね?
ん?
操れるエネルギー量が違い過ぎるから無理?
そなの?
じゃさぁ、ヤーヤマーサ様の力場のエネルギー量を増したら出来る?
あ、ダメ?
力場には制御するAI的な存在が必須であり、さらに精霊力を扱うには、最低でもアカシックレコードへのアクセスが必要?
そうなると、ヤーヤマーサ様では力場を制御できない?
そなんだぁ。
最悪、ヤーヤマーサ様が滅ぶ?
そらぁアカン、ヤツやー
ダメだね。
まぁ、そんなことより説明だな。
「料理は冷めたり温かくなったりしないよう、コチラで制御してますから、ゆっくり聞いてください」
「 」
ん?
ヤーヤマーサ様が、ボソリって何か言ったような?
ま、良いか。
「これは竜田揚げと言って、肉を甘ジョッパく味付けして、油で揚げた料理となります」ったらな、即座に質問が。
「油で揚げる?とは?なんであろうや?」ってさ。
あー
揚げるって調理法が無いのかぁ。
まぁ、油が貴重品だから、そんな調理法が生まれてないみたいだ。
セリアムたちは食事をしない。
だから料理もしない訳だ。
だから調理法はヒルデガルデさん達の世界にある遣り方しか知らないんだね。
そらぁ、仕方ないかぁ。
面倒だけど、都度説明するかね。




