そうだ、また、説明しちゃおう、人が変わるから、仕方ないのです、ふう。
龍種へ弱みを見せることになるため、祭事の実態を知らせる訳にはいかない。
だから、詳しくは語れないんだが、実は祭事は行う必要は無くなっている。
転移門が世界を内包した際に、各世界へ一定量の精霊力を与えるようにしてるからな。
だから、無理に精霊力を導く必要はないんだ。
だが、そうなるとセリアムは、この世界と決別する可能性があるんだよなぁ。
そうなると、ダイダラと対峙する存在が無くなってしまう訳だ。
ダイダラは、精霊力を取り込まなくて良くなっても、この世界への干渉を止めないだろう。
何故ならば、ダイダラにとって、この世界は遊び場みたいな場所だからだ。
自分たちよりも遥かに弱い存在を痛ぶって遊ぶ。
そんなヤツらが大半だ。
まぁ、たまに慈愛に満ちた存在とかも現れるが、そんなのは稀だからな。
大半は悪戯好きで、生き物を虐めるのが大好きな、最低ななさヤツが多い。
滅ぼしても良いんじゃね、これ?
ってもなぁ。
ダイダラ界から現れるのは、力ある者たちだけだ。
平民に相当する存在は、結構朴訥で穏やからしい。
そんな彼らも、一律で滅ぼすのか?
つまり、○民○や民○○に○明○が悪どいから、日本を滅ぼせ!ったら、やる?
国民全て皆殺しじゃぁー!って、ならんでしょ。
まぁ、悪どい奴らだけ皆殺しは良いけどね。
「正直、僕らが巻き込まれないなら、首を突っ込む気はありませんでした。
しかし、ある程度は介入しないと、僕らが巻き込まれると分かったので、仕方なしにですね。
僕は基本的に中立です。
スタンスは、ホルトザ連中と同じですね。
ヤツらは、この世界には無関心ですが、この世界が乱れるとホルトザ界も影響を受けます。
基本、他の世界は、この世界の派生なんですよ。
この世界が滅びたら、アナタたちのセリアム界を含め、全て滅びますから」
まぁ、俺の世界は成り立ちが異なるから、影響を受けないがな!
「そ、それは、まことなのかえ!?
そんな話しは、聞いたことも無いのやが?」
相当驚いてるな。
まぁ、このような情報は、アカシックレコードから情報を得られない限り、知ることは出来ないからなぁ。
「それは、そうでしょうね。
理の記録とも言えるアカシックレコードからしか得られない情報です。
巨大な力場ならアカシックレコードから情報を探ることが可能ですが、膨大力なしではアカシックレコードを感じることもできません。
普通は知ることはできないですから」
ヤーヤマーサ様が畏怖の籠った目で見て来るんですが?
どったの?
「そのアカシックレコードとやらへは、藤吾様ほどの力がないと繋がりを得ることも出来ぬのやなぁ」ってね。
なんか勘違いしてるぞ、っと。
「僕の力ではないですから。
僕へ取り憑いた力場のです。
僕は転移門って呼んでますけどね。
でも、アレ?
ダンジョンじゃなかったから、転移門に呼び方変えたんだけど、転移門じゃないよね。
呼び方変えた方が良いのか?
あ、済みません、ちょっと考えご・・・
時、止まってらぁ。
ふぅ。
動かして良いから。
この転移門が、独自にアカシックレコードへアクセスしています。
アカシックレコードは、情報のルツボみたいな場所なんです。
僕では、必要な情報を探し出して得ることは出来ませんから」
そう告げるとな。
「妾らとは、そもそも次元が違うのやなぁ。
藤吾様は、素晴らしいのぅ」
いや、話し聞いてた?
「あの〜
僕の力ではなく、転移門のですね」ったらさ。
「いやいや。
その転移門とやらから情報を受け取れるのは、藤吾様だけであろうに。
つまり、それは藤吾様の、お力と、言うことであろ?
妾らセリアムも、力場を得て活動する者。
その力場が大きい種が、セリアムでありダイダラやホルトザである。
次いで、ランピアルとデェーヴァであるなぁ。
仙人など他にも居るが、力は劣る。
じゃが皆、力場は己の力としておりまする。
ゆえに、藤吾様のソレも、藤吾様のお力かと」
えー、そう言う理屈になんの?
マジでぇ!?




