星崩壊未来となる危機だったそうですよ?
そう告げるとな、転移門がさぁ。
「あ″?
なん、だ、とぉ?
マジ言ってる?」
思わずな。
は?
「セムラナート様へ話した時点で、そちらの未来が参照可能になったぁ?
未来は、分岐点に触れないと分からない場合があるから、全てを知れる訳ではない?
っうことは、さっきまで分からなかった訳か。
ふぅ」
転移門の爆弾発言に思わずキレたらさ、仕方ない理由がね。
困ったもんだ。
したらさ。
「どうかしたのかね?」
そう、セムラナート様がね。
「先ほど話したヤーヤマーサ様を崇める儀式なんですが、放置したら僕も巻き込まれるそうなんですよねぇ。
最悪は、キレた僕が、ダイダラとセリアムを大量虐殺することになります。
それにランピアルとデェーヴァも巻き込まれて、種が滅ぶ寸前にですね。
そのことへ介入して来たホルトザも滅びる寸前になります。
当然、世界に影響しますから、多くの生き物や龍種全ても滅び掛けるそうですね。
まぁ、最悪の場合ですが」
そんなことは、したくも無いんだがなぁ。
ヒルデガルデさん達を虐殺されたらさ、そらぁキレるだろ。
逆にキレない自信がないよ、俺。
実はコレ、まだマシな方でな。
キレた俺と転移門が途中で喧嘩してな。
星の半分を消し飛ばす未来もある。
そうなれば当然、星は崩壊するからさ、全ての生き物は死ぬ訳だ。
むろん俺には時を巻き戻すことなど出来ない。
死んだ生き物は蘇らせれないんだよ。
まぁ、新たに創ることは可能だ。
星を元の状態にし、生き物も創造する。
だが、創造した存在は似てはいても別存在だからな。
一度失われた命は、復活させれないのさ。
え?
魂が有れば、復活可能では?
いや、生き物が宿している霊的エネルギーは、死んだら即座に霊子へと還元されるんだ。
まぁ、条件が合えば、数時間持つ場合もあるが、稀だ。
だから生き物の魂と言われる存在は、死んだら消えるんだよ。
ただし、アカシックレコードへの繋がりが残滓として残る。
これが幽霊などと呼ばれているモノだ。
この残滓を元に、魔力やら精霊力が集まり、亡霊などが生まれたりな。
だが、それは魂では無いから、勘違いしないように。
で、だ。
この星崩壊未来は、俺と転移門が気付いた時点で発生しなくなったよ。
いや、行けなくなった、が、正解か?
パラレルワールドは、全ての可能を内包する。
だから消えると言うことは無いらしい。
ただ現時点からは分岐しなくなっただけらしい。
俺が話した未来に、2人は唖然。
「いや、そんなこと、可能なのかね?」
まぁ、普通は疑うよね。
「僕は与えられた力を使うだけですが、可能ですね。
それより転移門の方がヤバいですから。
この世界は転移門の力場が創り出した空間へ内包されています。
神々や悪魔の世界を含む全次元が、一定空間全てですね。
つまり、転移門の体内へ存在する訳です。
だから転移門が保持を止めると、世界は消え去ります」
そう告げたらさ、2人して首を傾げる。
ナイス、シンクロ!
「いや、言っている意味が分からないのだが?」
困ったようにセムラナート様がな。
だからさ、この転移門が出来た経緯と俺との繋がりなどを説明。
キリガンタル様は理解できないことを悟ったみたいだ。
だが、竜種ともなれば優秀なのだろう。
セムラナート様は理解されたみたいでな。
「その、我らが世界を内包したように、この地を内包しておると?
つまり、藤吾殿が言われていることは、事実と言う実証となる。
しかも竜種と相対し全く気圧されぬとは、大した胆力と思っておったが、実は我らより上の存在とはなぁ」
うーん、ん?
いや、竜より上の存在って、アータさぁ?
え?
ヤろうと思えば、即座にヤれるだろう?
まぁ、脳と心臓を時止めするだけだからな。
そらぁ、簡単にできるよ。
でも膂力とか瞬発力を含む速さや反射神経なんかはさぁ。
身体能力的には劣るだろ?
はぁ?
マジ言ってる?
遥かに凌駕しとる、だ、とお?
既に人間じゃ無いやん。
もーやだー




