さて、移動しようかなぁ。え?ココ、気に入った?さいですか?
俺と転移門が口論しているとな。
「い、いきなり、どうした!?」って、キリガンタル様がね。
まぁ、誰も居ないのに、1人で口論を始めた訳だから、仕方ないか。
「私に憑いている力場、私が転移門っている存在がですね、自分が創った亜空間を褒めたから嫉妬しまして。
いや、だからぁ、嫉妬だろ?
っかぁ、絶対に自我あんだろ、お前!
あ、失礼しました。
また、転移門が割り込んできましてね」ったらね。
「フッ。
その転移門とやらと、随分と仲が良いようだな。
まぁ、良い。
そろそろ、移動しないかね?」
そう告げられたので、移動することに。
っか、転移門と俺、そんなに仲が良いか?
その後は、亜空間世界へと分け入る。
この世界は、俺の世界で言う白亜紀の環境だ。
だから、俺からしたら蒸し暑いハズなんだが、まったく適温です。
っかしいなぁ?
ん?
俺の周囲は、俺が快適に思える空間へ、常に調整されている?
つまり、元来の環境とは、違う訳かぁ。
したらな。
「こ、これは・・・
我らドラゴンのために誂えられたような環境下ではないか!
実に素晴らしい!」
なにやら感動してらっしゃるんですが?
まぁ、恐竜が過ごすのに適した環境だからなぁ。
恐竜みたいなドラゴンにも適しているのか?
だが、別に移動する訳でもなく、直ぐに亜空間世界から出るんだけどな!
「では、コチラの出口から出ましょう」ったらな。
「む?
移動はせぬのか?」ってさ。
だからさ。
「この亜空間世界をハブにして、移動するだけなんです。
だから、セムラナート様近くへ出口を設ければ、即座に移動可能なんですよ」
したらな。
「ふむ。
ハブ?かね?
ハブとは?」
あ、通じてなかったや。
あー、ハブ、ハブねぇ。
ん?
物事の中心であり、起点として扱われる場所などを示す?
本当かぁ?
まぁ、アカシックレコード情報なんだろーから、間違いは無いだろう。
だからさ。
「中心的な場所などを示す言葉ですね。
この亜空間世界を起点にして、瞬間的な移動を可能にしたので、ハブと呼んでみました」
そう説明しといたよ。
「ふむ。
そのような言葉がなぁ。
我も使ってみるか」
何やら関心していますね。
それよりさ、移動を。
「ココは、何だ?
ふむ、キリガンタルではないか」
あー
空間を繋げるってことは、アチラからも見える訳で。
竜種の火炎族族長である、セムラナート様が入って来ちゃいました。
この移動方法を使う時は、出入り口が関係者以外に見えないようにしないと。
え?
既にしてある?
いや、ならさぁ。
なんでセムラナート様が入って来てんだよ?
関係者であり、アチラで語ると、情報が漏洩する危険があった?
え?
いや、なんでさぁ。
パーファラーサ様の息が掛かった竜が、世話係としてセムラナート様へ仕えている?
このようなことは竜種では珍しくなく、他族間交流として行われているらしい。
まぁ、普通の竜種は、他族にあまり興味を持たず、関与もしない。
特に身分が高くなれば、交流も減る傾向にあるそうな。
では、なんでセムラナート様の所へ、パーファラーサ様から世話係が送られているのか?
ぶっちゃけると、パーファラーサ様の恋心のせいだったりする。
つまり、セムラナート様にホの字っう分け入るやね。
どうして好きになったのか?
どうやら、龍、竜、ドラゴンには、直情的な方が多く理的で冷静な方は少ないらしい。
そんな生き物であるにも関わらず、セムラナート様は沈着冷静にて思慮深い。
まぁ、別の意味では、臆病な性格とも言える。
それは、勇猛果敢な直情バカなヤツらからしたらだが。
慎重に物事を見定め的確に対処することは、当たり前の話しなんだけどなぁ。
竜は、なまじ体が丈夫だから、物事に頓着せずに行動するそうだ。
つまり、竜の中ではセムラナート様は異端児って訳だな。
で、逆に、そんな珍しい性格の彼へ反発し、次第に惹かれたのが、パーファラーサ様って訳。
いや、テンプレか?




