コーヒー、珈琲、コーヒー、一部、砂糖。え?なんのこと?
とんだ、お預けをくらったが、さてオペラを食べるかな。
あ、そうそう。
飲み物やケーキは、転移門が適切な温度をキープしています。
放置しても、食べる瞬間まで保持されるため、いつ食べても美味しいのです。
やったね!
で、オペラを切る訳なんだがな。
切られた断面から何層にもなっているのは、分かっていたんだ。
だが、グラサージュが複数層になっているのには、気付かなかったよ。
っか、ザッハトルテの時にも、グラサージュが複数層になってたよな?
このパティシエは、ケーキの表面を複数層でコーティングする癖でもあるのだろうか?
ただね。
これが切る時にパリっと。
いや、パリパリ?
ん?
パリパリパリっ?
あっ!
スポンジ層にもコーティングが!
フンワリ、パリ、パリパリっ!って!
こ、これ、切るのがさぁ、すんごーく楽しいっ!
で、切ったら口へ。
ふぁ〜っ。
口の中で噛むとさ、パリっと、ふわっと、パリって。
でぇ、コーヒーの香りがががっ!
通常のオペラは、コレでもかぁ!てな感じで甘いらしい。
で、この、オペラ。
甘さ控えめで、優しく、スッと涼やかな甘さ。
これ、和三盆の独特な甘さらしい。
普通に和菓子や洋菓子にも使用されているんだってさ。
この店で使用されている和三盆は機械研ぎらしい。
ん?
機械研ぎ?
研ぎって?
えっとぉ、砂糖はサトウキビやテンサイから、汁を絞って取り出す。
石灰乳を加え加熱し、不純物を沈殿させるらしい。
それを煮詰めて濃縮し、結晶化させる、っと。
ふむふむ。
で、遠心分離機にて結晶と蜜って呼ばれる液へ分ける、っと。
で、結晶を取り出す。
その結晶を溶かし濾過して、不純物を取り除く。
コレを繰り返して砂糖ができるらしい。
この蜜を除去することで、砂糖の品質が上がるらしいな。
で、和三盆だが、先ずは原料が〔竹糖〕っう、サトウキビらしい。
これから汁を絞り、それを煮詰めて白下糖を作るんだと。
その後は職人さんが、ひたすら白下糖を練る、っうか、研ぐらしい。
そうして蜜を白下糖から除去し、作り出されるのが和三盆らしい。
で、この店は、例の山クリ抜き農法企業から和三盆を購入しており、企業は山の中にて〔竹糖〕を育て、機械で狩り、機械で絞り、煮込み、不純物を除去した後で、人の手状の機械で砂糖を練らせる。
そうして、トコトン蜜を取り去った砂糖を、新研ぎ糖として売っている、っと。
なにせ、完全なオートメーション化にて作り出すからなぁ。
値段は安いは、味は良いはで、コチラを選ぶ店も多い。
だが、なんでも、かんでも、蜜を除去すれば良い訳ではない。
残った蜜が味わいを持つ場合もあり、和菓子屋では職人が作る和三盆が好まれているみたいだ。
だが、洋菓子、特に、この店のケーキへは、この新研ぎ糖が好まれている。
まぁ、食べてみたら納得だな。
潔く涼やかな甘さは、計算し尽くされた味の邪魔をしない。
ケーキが人工的な味だとしたら、和菓子は自然な風味を生かした味だ。
食べ物としてのコンセプトが違い過ぎる。
そのため、新研ぎ糖は洋菓子に好まれて使われるそうな。
まぁ、そんな蘊蓄は、どうでも宜し。
しかしなぁ。
口の中が、コーヒー、いや珈琲で満たされています。
いますが、新研ぎ糖を使っているとは言え、甘味と、くど味がさ。
そこで、コーヒーとなる訳ですよ。
しかし、オペラも確かに珈琲の香りが薫っていたんだが、このコーヒー、いや、珈琲の典雅な香りには。
もぅ、薫りだけで、ノックダウンされそうです。
口へ含むと、エグ味などは一切なく、絹のような滑らかさで口内を滑るように。
酸味と苦味、従来の自然な甘味が。
で、口内へ、芳醇かつ爽やかな珈琲の薫りが。
口内、鼻腔を通り、脳内まで珈琲の薫りに支配される。
で、オペラを口へ。
珈琲の共演が、いや、饗宴が、始まった。
ここは?
楽園か?
ハッ!
完全に、意識がトンだぞ!
あ。
珈琲もオペラも無い!
またかぁっ!
うん、皆んな惚けてますね。
まぁ、いつものこと、って訳で。
さて、どうしよう、これ?




