青年は決意表明する
ナイトメアの意図が読めない質問に、逃げられないように風で拘束しつつ答える。
「・・・俺は、困っている人々を助けたいとか悪は絶対に許さないとか、
そんな高尚な考えは持っていない。
昔正義の味方に助けられて憧れたっていうエピソードもない。
ただ、自分で言うのもなんだけど、もし自分に力があって近くに無理なく助けることができる人がいるのに
何もせずにその人が死んだりしてしまったら、一生後悔するくらい優しい人間なんだ俺。
んでもって俺漫画とかアニメは人並に好きだから、そーゆーヒーローものに憧れてはいる。
だから決めたんだ正義の味方になることを。
ついでにどうせなるなら負傷者を出さないカッコいいヒーローになるって決めたんだ」
その答えを聞いた彼は、・・・いや話を聴いている途中からニヤニヤと笑っていた
「・・・素晴らしいい!!!!
ああ実に素晴らしい!最初に会った時から何となく予感はありましたが、
やはりあなたは逸材だ!
他人のためではなく自分のために他人を助ける、私が描くヒーローの理想像!!!
あなたに目をかけた私の直感は正しかったようですねぇ」
そう言うと風の拘束を粉砕した
決して油断はしていなかった。むしろ全神経を集中させ彼を拘束していた。
にもかかわらず彼はいともたやすく粉砕した。
「願わくばその意志・信念が折れないことを祈っていますよ
そしてどうかなって欲しいものです。完璧な正義の味方に!」
そして彼は煙幕を張り、消えていった・・・
ちゃんとは答えてくれなかったが、その片鱗は知ることができた
なぜ彼が悪役を演じるのかを・・・