正義の味方は絶望する
「ふざけるなぁああああああ!!
殺す!!てめぇだけはぜったいに殺す!!!」
「おいおいそんなこと言っていいのかなぁ
お前の妹の生殺与奪はこっちが握っているんだぜ~
まぁ安心しろこの要求が通るまでは何もしないし、
通ったらちゃんと生きている状態で返してやるからさ
それにこれは因果応報ってやつさ」
「因果応報だとお!?」
「そうさお前がヒーロー気取りで人助けをしていたから
俺らに目を付けられて妹さんがこんな目にあった
つまりよ妹さんがこうなったのもお前のせいってことさ」
責任転嫁にもほどがあるが、今の彼にそう考える
冷静さは失われていた・・・
「・・あそうだ!
俺は優しいから妹さんを解放する別の選択肢を与えてやる
今から組織から何人か能力者を送る
で、そいつらに無抵抗に殺されてやれば解放してやる
もちろん公の場でな
仲間たちと妹の人生を君1人の命で救えるんだから
ヒーローとして本望じゃん!」
「・・・・」
彼は答えることができなかった
いくら優等生でも、いくらヒーローでも
彼はまだ社会を知らぬ高校生なのだ
妹の無残な姿を見せられて、その原因に少なからず自分が関わっていると
突きつけられた彼の心は折れかけていた
「んじゃあ明日の昼に君の高校にお邪魔するよ
そしてもし倒してしまったときの要求の期限は3日間
それまでに解散されてない時は・・・
次の犠牲者が出るだけさ~」
そう言って奴は生放送を終えた・・・