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第42話 連合軍の養成学校


聖域暦 158年3月


学園に編入して6か月が経った。


入学の目的は、この世界の状況の理解と自衛力の習得という理由だったはずだが、現状特に問題はない。


当初、ボディーガードを兼ねる目的で同伴していたスサーナであったが、カンタブリア山脈の石炭と鉄鉱石の採掘場付近に、山賊とも思える集団が出没し、そちらに偵察に出ている。



初代様から呼ばれ、執務室に来た。


「忙しくしているようだね、とりあえず座ってくれ」


その言葉と同時に、隣の役員室から唯一のメガネ女子ラウラが、二人分のお茶を持って出て来た。


「あ~ 彼女はフランク王国の潜入から戻ったラウラだ。覚えていないかも知れないが…」


「ロキ様、ラウラでございます。よろしくお願いしますわ」


メガネをくいっと持ち上げながら、明るく挨拶をしてきた。

正直、メイド服を着ていないと、記憶とは全く一致しない。


「こちらこそよろしくね」



「さて、君が出して来た起案書だが、上級神から承認が得られた」


軍隊創設に際して、注意事項は以下のようであった。

・戦闘に参加する者はこの惑星の人類に限る事。

・犠牲者について管理者は関与しない。

・5人の使徒は君の参謀や護衛とし、戦闘に参加させてはいけない。

・予算の制限は設けない。

・必要装備品は、自作するなり、下級神の可能な範囲で製作すればよい。


「思うようにやってみなさい」 


「はい。ありがとうございます」




まずは、カセレス学園内に、カセレス連合軍の養成学校を併設する事にした。

現状の3年生から、養成学校に入る事ができるとした。


今まで通り、3年生は自由に研究時間が取れるし、養成学校に入る事もできる。


養成学校に入ると、連合軍の一員として最低ランクの給料がもらえる。


冒険者としての基本的戦闘力を磨いてきた学園の生徒だが、養成学校では、装備品を担いで数Kmの行軍も可能にならなければならないため、更なる体力強化に取り組む事になる。


下級神に制作を依頼する装備品は、具体的な図面や現品が必要なので、リサイクルショップの売却できなかった書籍から、古いミリタリー雑誌を参考にした。


まず、コンバットナイフと防刃ベスト、80ℓリュック、ブーツ、ヘルメットを。

そして、18-8ステンレス剣の大小の2本は、現品で預けておいた。


他の雑誌から5本指靴下、寝袋、水筒などを選び、1000人分申請した。


少しは驚くのかと思ったのだが、『ほほ~』といいながら、雑誌の写真を眺めて楽しそうに引き受けていた。



あとは、トルヒリ村には防壁が必要だろう。

場所によっては、そう、メリダ村はいっそ連合軍駐屯所にしよう。

川が使えるし、南方向、東西方向にも有効だし、納税もされていないし。




サラによると、この世界では季節ごとの祭りが重視されているとの事。


春はスタートの時期としての意味を持つらしい。

この世界では1年のスタートが『春』なのだ。


「サラは今年23歳かな?」


「はい」



最近では、サラと一緒に寝るのには慣れてきたし、何と言っても私は子持ちだったのだから、肉体が16歳であっても、夜の生活も自然と出来るはず。問題は何もない。


お風呂に入ってから、先にベッドで横になってサラを待つ。


バスタオルを巻いたサラが、ベッドを背にして座った姿勢から、す~とベッドに潜り込んでくる。


サラの肌の上を、私の手がはい回り、バスタオルをほどき、サラが腰を浮かしてバスタオルを取り除く。



最初に抱き合って、お互いの体温を交換する。

そこから、胸…おへそ…

生きた細胞とは異なり、ホクロなど全くない理想的な肌とその質感。


最も敏感な部分を避けて、さらに下へ下とキスをして、それから戻っていく…。




日付が変わるころ、私はベッドに正座した。


「ロキさま、どうしたのですか?」


「うむ。サラもまねをしてほしい」


「はい」



お互い真っ裸の状態で正座で向かい合っている。


「すまないが、乳首を手で隠しておいてもらえるかな?」


「あぁ、はい。これでよろしいでしょうか?」


「うむ。私は女性の乳輪に弱いんだ。なんと言うか…どうしても目がそこに行ってしまうんだ。情けないことに…」


サラは笑いを堪えているが、構わず。


「おほん。え~、サラ。昨年はお世話になりました。私はもう、サラ無しでは生きていけない。そんな気持ちで一杯です。これからもよろしくお願いします」


そう言って、頭を下げた。


彼女があわてて、手をついて頭を下げようとした所を、乳輪を指差して再び隠すようにゼスチャーで示すと、彼女はあわてて手ブラで隠しながら、頭を下げた。


「私こそ、よろしくお願いします」



翌4月1日からの3日間、短いけれど、ふたりだけの春の休暇を過ごしたのだった。

決してエイプリルフールではない!





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