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第17話 南方のコルトバ教会

平日は17時と19時の2回予約投稿の予定です。



郵便部隊の男達が首長の回答を持って、順次戻って来た。

初めての仕事の結果を、面会形式で、村のようすを含めて聞く。


北のブラセン市は、隣接するタラベナ市を占領下に置いたトレド派のベラスコ司祭軍からの密偵を捕らえ、警戒レベルが上がっているそうだ。


手紙には郵便事業に対する感謝の言葉と、陶器の生産に向けて順調である事が書かれていた。



西のメンリオ村からは、『わざわざ手紙を取りに来なくても、必要な時に持って行くから』と書かれた手紙が帰ってきた。


西側は高い山と、その手前の断崖絶壁の谷底が侵入者を阻んでいる。

そのため巡回ルートから外すことにした。


同じように短い距離で、害獣駆除をおこなったトリヒリ村だが、南のサンタクルス村を襲撃したコルドバ市の司祭軍は来なかったらしく、害獣駆除のお礼だけが書かれていた。


次回の手紙には、サンタクルス村の件を連絡して、警戒だけはしてもらおう。



南西90Kmに位置するバダホースから南のメリダ経由で戻ったゴンザレス。

両首長とも危機感はないようだ。


手紙の回答には『住民リストの作成には時間が掛かる』という主旨以外の内容は書かれていない。



だが、ほぼ同時に戻った南東ミアハダス村は、私達が行った時にもピリピリした感じがしていたのだが、どうやら私達の前にコルドバ市の司祭軍が来たらしく、レンガ製の低いゲートで衝突があったそうだ。


回答の手紙には、村の守備隊と司祭軍が衝突した際に、狩人が馬車へ放った弓に怖気づいた司祭が撤退を指示し、結果的に被害は出なかった事が記されていた。


徒歩で往復をした郵便担当も、厳重な警戒がされていて中へ入るのに苦労した事と、村の偵察が、南に戻ってくる司祭軍を発見したと報告があり、緊張状態だったと答えた。



私とサラは万一の事態に備え、馬でミアハダス村へ急行することにした。

まだまだ実戦は怖いので、安全な位置から遠距離攻撃をしたいのだが…。


村まで馬で3時間。


ちょうど北門の守りを固めたところへ司祭軍が現れたようで、大盾と槍を持った鎧姿の歩兵が門扉をこじ開けようとしていた。


サラの指示で、私は後方の捕虜らしき若者たちの所へ行き、木製の手枷を破壊することになった。


合計5組ものカップルが捕まっていたので、順番に岩の上に手枷を乗せてもらい、私がステンレス剣で木を割っていく。


サラは、馬車の扉を破り、中にいた司祭を引きずり出して、私が与えた結束バンドを腰のマジックバッグから取り出して、司祭を後ろ手に拘束してしまった。



サラ

「コルドバの暴徒ども!よく聞け!」


その声で歩兵たちは、後方の捕虜と司祭を奪われた事にやっと気づいたようだった。


「武器を捨て、投降しろ!さもなくば!」


そう言って、衣装を破られ後ろ手に縛られた司祭の首にナイフを押し当てていた。


司祭はたまらず


「たのむ!武器を捨ててくれ!」


と叫んでいる。


歩兵のひとりが進み出て


「お、おい!武器を捨てるから、マヌエル司祭を殺さないでくれ!」


と言うと、次々と槍と盾を地面に捨てる歩兵たち。



「地面にうつ伏せになれ!」


サラはそう言ってから、村の者に結束バンドを渡し、使い方を説明していた。



全員の拘束が終わり、村人には歩兵の装備を剥がしておくように言っておく。


捕虜になっていたセントクルス村の者には、移民ではなく奴隷として連れて行かれるはずだった事を説明した。


自然物である太陽や湖を信仰の対象としている民には、わけの分からない人物を偶像として崇めている教会の怪しさは、まだ分からないようだ。


「人を神だと言い張るような宗教は、信用してはいけない」

その一言で充分だろう。


捕虜になっていた5組の男女は、このミアハダス村に加えてもらうように村長に言って、司祭と司祭軍の兵達は、捕虜として連れ帰る事にした。


司祭と兵士にぼろ布を着せて、屋敷に連れ帰り、事情聴取をする事にした。


村で縄を借りて彼らを腰ひも状態でつなぎ、屋敷まで歩かせる。


兵士達は若くて素直だが、司祭は中年だから苦しそうだ。


屋敷に戻り、離れの倉庫に腰ひもを付けたまま押し込み、今後の処置を考える事にした。



部下の男達が捕虜を見て、彼らの家の横に木の杭を7本打ち込んでいた。

どうやら、ここでは杭に繋いでおくのが一般的なのだろう。





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