表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/61

第15話 郵便事業

平日は17時と19時の2回予約投稿の予定です。


難民たち15名を引き連れ屋敷に戻り、話をした。


「私がこの聖域カセレスの統治者、ロキ・マクダネルだ。隣にいるのはサラ。私はみんなを雇う事にした」


サラが細かい指示を飛ばす。


「ご主人様の事は『ロキ様』、私の事は『サラ様』と呼ぶように。ひとまず役割を決めたい。家族の単位に固まりなさい」



バラバラと横並びに距離を取り始めた。

夫婦と子供2人、夫婦と子供1人が3組、母親と子供が3組、女性単独が2組だ。



「男性のいない5組は屋敷内に泊まってもらいます。付いて来なさい」


これから皆の食事の用意が必要なのと、部屋割もあるのだろう。

母親と子供の3組の家庭と、女性の単身者を2人連れて行った。



次は私の番だ。


「男性がいる4組は、屋敷の外に住まいを作らなければならないが、それまでは離れの小屋に住んでもらう。付いて来なさい」


離れの厩舎小屋に、馬の世話ができる夫婦を配置した。

厩舎横の小さな倉庫が3つ、この中を整理して残り3組に住んでもらう。


屋敷の中では、厨房の向かい側から続く小部屋に、母子3組と単身者2人を配置し、交代勤務にすることで乳児に対応する事にしたようだ。


幼児から小学生ほどの子供が5人いるので、母子家庭の女性には保母のような仕事も割り当てた。


男4人と私で、屋敷の外に簡易の家を建てていくことになる。


先代マクダネルは、魔法で家を建てる事ができたらしいが、私にはできない。

そこで倉庫から日曜大工の道具箱から『のこぎり』を持って来て、電柱サイズの木に、くの字型に切りこみを入れたあと、斧で切り倒した。



男たちと枝を払い、建築予定の場所に穴を掘り、電柱サイズの木の柱を立てて行く。


彼らも私が何をしたいのかを理解したようで、次々と柱を埋めていった。

そのうち、小学生の子供がお父さんを手伝い始め、奥さんもやってきた。


どうやら食事の用意が出来たようだ。


まるでキャンプの延長のように、この屋敷から離れた場所で、家族単位で食事をしているので、ひとまず、私とサラは屋敷に戻り食事を取った。


それ以降は、私は現場監督となり、木の柱を地面から50cmの高さに切り揃え、家の土台とし、倉庫にあった平らな木を床材として張った。


あとは彼らが思い通りに細い柱を追加したり、壁板を張ったりして、思い思いに家を作っていた。


一部の人は、私よりも家に詳しいようで、任せていれば大丈夫のようだ。




あれからおおよそ1週間が経った。

さすが同じ村の出身者たち。

ずらっと5軒の家が建ち、倉庫で過ごす者はいなくなった。


屋敷横の井戸から水をくみ上げ、洗濯する者。

交易所に買い出しに行く者など、やらなければならない事を手分けして処理していた。


厩舎の係りになったゴンザレス一家は、すぐ横の部屋に一家で住み込んだため、家は必要なかったようだ。


すぐ隣の井戸はすばらしいと言っていたが、理由は桶の巻き上げが軽く、水質がとても良いらしい。

時間があれば、巻き上げのラチェット機構について考えてみようと思う。


私もサラも、ウォーターの生活魔法を使うので、井戸水の状態は知らなかったのだった。




サラが依頼していた男女の使用人の制服と、女性用メイド服が出来上がってきた。


私が彼らに期待しているのは、聖域連合の首長間の郵便事業だ。

ついでに市場の状況調査ができればいいのだが…。


馬は2頭いるので、これを活用しながら任務の遂行を指示した。


厩舎のゴンザレスが代表になり、質問をしてきた。


「どのような間隔で手紙の配達と回収をやれば良いんですか?」


「自分達が無理をしない範囲、具体的には外泊は1泊までにすること。プラセン市とバダホースが遠いので、このルートに馬を使えば良いだろう」


「郵便事業の開始時は、私から首長あてに手紙を書くから、それを持って行き、返答を回収することが、最初の任務だ」


サラが補佐して言う。


「任務遂行のための具体的な行動計画は自分達で決めなさい、とロキ様は仰っているのです。分かりましたか?」


「分かりました。自分達で考えます」





お読み頂き、ありがとうございます。

『この作品を読んでみよう』とか、『面白そう』とか思われた方、

是非、ブックマーク登録や、いいねボタンをお願いします。

励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ