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七話 初ハンター依頼 ジャイアントバッファロー

 

 東門から出る、ここから真っすぐ東へ向かって鉄道と車が走る道路がずっと伸びているのが見える、少し南東側には山があり麓まではここからでも見える距離だ、何やら作業員か何か人が動いているのが小さく見える、一行が今日用事があるのは南側、ブルズ平原だそして平原の水場を探して歩く。


 ジャイアントバッファローは水場に良く現れる。


 とはいえ水場に集まるのはジャイアントバッファローだけでは無い、多種多様な生物が水場に水を求めて集まる、水の中にはワニ等が水場を求めて集まる他の生き物を狙っている、大型のネズミ型モンスターが今も水側で更に大きなワニの様なモンスターに引きずり込まれている。


「なんていうか、デカイな色々」

「まあな、ここの平原はモンスターのパラダイスだからな、水場も草も木もあらゆるモンスターにとって餌という餌に困らないからな」


 その分天敵も多いが、生態系としては割と好循環な地域である、異常な程強いモンスターなどもおらず、一般的な野生動物が大型化した程度に収まっている。

 遠くの方では鹿のような野生動物を大型の猫科のモンスターが追いかけている、また違う場所では肉食の野生動物がジャイアンバッファローに踏みつけられている。

 群れで襲えば野生動物でもモンスターのジャイアントバッファローを倒す事も出来るが時には返り討ちにあう、モンスター同士で戦ったりモンスターと野生動物が戦ったりしている。


 ギン・レオ・フウとライルのパーティ一行は荷車を引きながら、数が少ないジャイアントバッファローの群れを探して草原を歩く、ジャイアントバッファローは食用として需要が高くブルズの街以外にも輸出や行商人に売り買いされる、そこそこに高価な肉だ、その為常に依頼が出ている。

 しかしジャイアントバッファローはその巨体もあり強い、そうそう簡単に倒す事が出来ないし、苦しんで死んで行く肉は味も落ちてしまう為倒すのが難しい傷の少ないジャイアントバッファローを持って帰らないと報酬も下がる。




 歩きながら少し辺りを見回すと遠くの水辺でジャイアントバッファローと戦っている五人組のハンターが見える、ハンター達は何度も何度も攻撃をしてジャイアントバッファローは傷だらけだ、更に致命傷に至る様なダメージも無く長い攻防を続けている様だ。


「あの倒し方がダメだって訳じゃないんだがな、アレだとやっぱり値段はガタ落ちだろうな」


 ライルがそんな風に言うがレオが疑問に思って聞いてみる。


「あんなでけぇのどうやって傷付けずに倒すんだ?」

「ノッキングって分かるか? 弱点に攻撃して気絶させるんだが」


 ノッキング、街の中の食肉加工場では電気ショックなどを使って気絶させているうちに屠殺しているが、要は似た様なものである、ライルのパーティではシスティが電気ショックの魔法(エレメンタルフォース)で気絶させているらしい。


「へぇ、そういうのがあんのかぁ」


 ライルは更に先程の五人組のハンター達には恐らく魔法使い(エレメンタリスト)が居ないのだろうと考察して、まぁ魔法がなくても強力な打撃等で気絶させたり、一撃で倒したり方法は他にもあるが、あの連中はそういう決定打がないんだろうなと言っていた。






 暫く歩き、近くの水場から去って行く三頭程のジャイアントバッファローを見つけた、ライル達が手本を見せてくれると言っている、ギン達は後ろから見ている事にした。


「俺達の動きを良く見とけよ!」


 ライル達の作戦は、ボッスとライルが引きつけて、一頭のジャイアントバッファローを抑えて、その間にシスティが頭に魔法(エレメンタルフォース)で電気ショックを与える、気絶を確認したらセイラが確実に銃で脳天を打つ、というものだ。

 ライル達のパーティメンバーの構成は、ライルが右手に長剣と左手に軽盾、ボッスは左に大楯と右手に剣、システィは魔法に指向性を待たせやすいとされる杖(内部に伸縮するパイプ状の部品をいくつも重ねている金属製のロッド、魔法使い(エレメンタリスト)は自らの魔法(エレメンタルフォース)に指向性を持たせやすいと、こういった武器を好む)セイラは銃、ライフルを扱う。


「よし、じゃあ作戦開始だ!」


 ライルがそう言ってライルのパーティメンバーが配置に着く、ギン達もライル達の作戦を確認して、実際にどういう動きになるかをしっかりと見る。


 ジャイアントバッファローが水場から離れて走り去ろうとした時にセイラが銃を発砲する、ターン! と乾いた音がして三体の内二頭目と三頭目の間の足元を打ち、三頭目の足が止まり此方を向く他の二頭は慌てて走り去って行く、上手く一頭だけを引き離す事に成功する。


「よっし、上手くいった〜」


 セイラは軽やかに言っているが、本番はここからだ、すかさずライルとボッスが前に出る、敵と認識したジャイアントバッファローがライルとボッスに向かって突撃して来た。


「うお! やっぱり毎度すげー迫力だな」


 ライルはいつ見てもちょっとビビるなと言ってボッスは、だが止めないとな、と言っている。


『うぉぉぉぉぉぉ!』


 ライルとボッスは雄叫びを上げ二人とも(フォース)を高めて突っ込んでくるジャイアントバッファローに備える、ライルは左手に付けた盾を前に腕をクロスさせ足を踏ん張っている、ボッスは大楯を地面に立てて肩と膝を盾に当てて衝撃に備える。

 ドガガガガガガっと衝撃と共に地面を靴底で削りながら二人が押し込まれる、前傾姿勢で受けて跳ね飛ばされるのを防ぎ何とかジャイアントバッファローの動きを止める事に成功した。


「システィ! 早くしてくれ!」


 ライルが叫ぶ! 動きは一見止まっているがジャイアントバッファローもライルもボッスもフルパワーのせめぎ合いだ。


「はいオッケー!」


 とシスティが軽い口調で杖から電気ショックの魔法をジャイアントバッファローの頭に直撃させる、すると全身が震え一気に力が無くなり、ジャイアントバッファローは真横に倒れ込む。

 そのまま、セイラがライフルで頭を打ち抜き無事ジャイアントバッファローを仕留める事に成功した。


「よし! 上手くいったぜ!」


 ライルがそう言って、ボッスも頷いている。


「まあ、殆ど私達のおかげだけどね」

「ねー」


 システィとセイラが言うと、お前らアレ止めるの分かってても無茶苦茶怖いんだからなと抗議している。


「おぉ、すげぇな結構あっさり倒しちまったぞ」

「うん凄いね、あの電気の魔法、私も出来るかな?」


 フウが電気ショックを使おうとするがギンが手の内は周りに見せない方が良いと爺さんの言葉を思い出しコッソリフウに言う。


「じゃあどうしようかな?」

「俺達の場合はそうだな……レオが引きつけて……」

「問答無用で俺かよ、まぁしょうがねぇか」

「そうだな、フウには最初群れから一頭を引き剥がしてもらうか」

「わかった、それなら炎で良いね」


 ギンは自分が、ノッキングをすると言って作戦会議をしていく、するとライルが作戦は上手く出来たか? とこっちに来た。


「とりあえずの作戦は立ててみたよ」

「そうか、上手く行くと良いな。じゃあ次のジャイアントバッファローを見つけに行く前に、アレ荷車に積むの手伝ってくれ」


 と後ろで倒れているジャイアントバッファローを指差す。


「ああわかった、レオ行こう」

「おぉ、わかった」


 二人はボッスが首筋を切り血抜きをしているジャイアントバッファローの元まで行く、ライルも来て四人で荷車に積む、重い身体の力が抜けてだらだらになった

 ジャイアントバッファローの身体は酷く重かった、なんとか乗せて、四人は座り込む。


「これが大変なんだよな」


 とライルが言う、レオとギンもこれは重いなと思いながらなんとか荷車に載せた。


「一応ジャイアントバッファローの討伐依頼としてはこの一頭でも成功なんだが、次はお前らのジャイアントバッファローを探しに行くか」

「俺も倒してぇからな」


 レオがそう言うとボッスがアレの突進は結構凄いぞと

 レオに言っている。



 少し休憩してから行こうと、水場から離れた場所で休憩していると、四頭のジャイアントバッファローが水を求めてやってきた。


「お、あれいいんじゃないか?」


 ライルがそう言うと、三人も頷いてあの四頭を狙う事にする、休憩をすぐに辞めて三人は臨戦態勢に入る。


 水場から離れていくのを待つ間に三人はもう一度打ち合わせをする、ギンがノッキングをすると言っているがレオは一発で行けるなら俺がやってもいいかと言っている、ノッキング無しでレオが首を刎ねようと言うのだ。


 すると、ジャイアントバッファローの群れが水場から去ろうと動き出す。


「フウ頼むぞ」

「うん、任せて」


 レオとギンが配置に着くのを見て


(炎の壁みたいな感じで良いかな)

「いくよ!」


 フウがそう言って懐から右手に白地に金色の左手には黒地に金色の二丁拳銃を取り出し四頭のジャイアントバッファローの、三頭目と四頭の間を狙う。


 タンタンと銃声がした直後、三頭目と四頭目の間から炎の壁が立ち昇る、一、二、三頭目のジャイアントバッファローは一瞬後ろを振り返り慌ててその場から走り去っていく、四頭目だけが取り残され此方を向き突進姿勢になる。


「上手くいった」


 レオとギンがすかさず前に出る、ジャイアントバッファローはギンとレオを敵と認識し突進してきた。


 ドドドドと土煙を上げ、その巨体と角がより一層迫力を増している。


「ギンやっぱ俺一人でやらせろ、あのでけぇの斬れるのか試してぇ」

「あー、わかった」


 そう言ってギンはいつでも援護出来る位置に移動する、レオは腰を落とし気を練る真っ黒な大刀を右側下段に構え、ふーっと軽く息を吐き出し程よく脱力してジャイアントバッファローを待ち受ける。


「おい! あいつ何やってんだ?」


 ライルが叫ぶ、するとボッスはあいつ一人でやる気かと言って、ライルのパーティメンバーが援護の為に駆けつけるやいなや


 ジャイアントバッファローがもうレオと接触する所まで来ていた、接触する瞬間レオの身体が左側にブレた様に見えたと思った時にはジャイアントバッファローの頭部が宙を舞う、遅れて頭部を失ったジャイアントバッファローの首から鮮血が吹き出す、力が無くなり惰性で前のめりに崩れる様に倒れたジャイアントバッファローを見てレオは満足気にライル達の方を見ていた。


「おいおいおい、あのガキ、マジかよ……見たかボッスいや見えたか?」

「見てはいたが見えたかと言われれば完全には見えてはいないな……」

「だよな……ハハッなんだよあれ」


 完全に驚き呆けていると、レオがこっちに来てジャイアントバッファローを積むのを手伝ってくれと言っている。


 ギンとフウもレオの元へ行き、レオは斬り飛ばしたジャイアントバッファローの頭部を拾って


「これも持って行った方が良いんだろ」


 そう言って頭部を掴んで持って来た。


「ああ、ソレも角は結構な値段になるからな、大きな角だと削り出しでナイフも作れる、そこらの金属製ナイフよりも鋭いナイフがな」


 だから値段も結構良いぞと教えてくれる、そして皆んなで倒したジャイアントバッファローを荷車に積み込み、二頭も倒せば十分だと今日はブルズの街へ帰る事にした。





 また暫く、今度はブルズの街の東門を目指して平原を歩く、今もまだ平原にはハンターらしき人達が何組か依頼の目標を探して行き来しているのが見て取れる、

 そんな風景を見ながら歩き、ライルがレオにさっきの戦闘の質問をしていた。


「お前さっきのどうやって倒した? 大刀を右側下段に構えて、接触の瞬間は見えないくらいだったぞ」

「あぁ、ありゃただ単に突進を左側に避けて大刀で下から上に斬っただけだよ」


 するとボッスが


「随分簡単に言うな」

「まぁそんなに難しい事じゃねぇしな」


 女衆も女衆でフウに質問していた


「あなたの銃それ魔法を発射出来るのね」

「あ、はい一応」

「しかも見てた感じだと着弾点から魔法を発動させる事が出来るみたいね」

「結構見てるんですね」

「まあ一応これでも魔法で仕事して来た訳だしね」


 セイラも銃使いとしては羨ましいと感じているのか


「すごいよねー、銃としての機能と魔法使い(エレメンタリスト)ととしての役割を兼任出来ちゃうんだから」

「ほんとよねぇ、私達だと分担してる事を一人で出来るなんて、やっぱり天才っているのね」

「天才だなんてそんな私達なんて全然経験不で……」


 そんな風に話しながら歩いていく、ライルが更にお前らってどこでそんな高度な戦闘技術を身につけたんだ? と聞かれ


「俺達はじじいに育てられててそこで勉強とか訓練とかしてる内に身に付いたんだよ」

「きっとその爺さんも只者じゃないんだろうな」

「あぁすげぇじじいだったよ」

「だった?」


 もう亡くなってしまった事を言うと、ライルは頭を掻きながら悪い事聞いたなと謝って来た。





 そうこうしている内に、東門へ到着する。

 東門入り口を改めて正規の通行証を見せて門をくぐり入り口付近の荷車の貸し出し場に行き、荷車返却の手続きを行う荷車の貸し出しを行っているのは、ハンター協会なので荷車に積んであるジャイアントバッファローも一緒に管理してくれる。


 そのままハンターギルドまで歩き中に入っていく、今はまだ昼を過ぎ夕方前くらいの時間なので、殆どのハンターがまだ依頼の最中なのか中はかなり空いていた。

 早速依頼の達成報告に向かう、達成報告はカウンターの右側の方だ。


 ライルが受付の女性職員に達成報告に来た事を告げ


「無事に戻られた様で何よりです、確かライルさん達のパーティと今日新しく登録された三名との合同でのジャイアントバッファローの討伐依頼でしたね」

「ああ、そうだジャイアントバッファローは二頭持ち帰っている」

「少々お待ち下さい、東門荷車貸し出し場ですか?」

「そうだ、確認してくれ」


 そう言うと、女性職員が電話で荷車貸し出し場に連絡して詳細を訪ねている、数や種類、傷の有無、重さや量等を荷車貸し出し場で検品しているらしく、その内容で報酬が変わるそうだ。


「お待たせ致しました。確認が取れましたので依頼達成を受理しました。報酬の方が達成報酬五万ダウと今回のジャイアントバッファローは傷なども少なく大きさもあるので一頭十五万ダウとなり全額報酬は三十五万ダウとなります。宜しければ確認のサインを合同パーティのリーダーがサインして下さい」


 ライルがサインをして報酬の三十五万ダウを受け取る、分配は後腐れがない様にパーティで完全に折半しようとライルに言われた、フウは最初は私達はおしえて貰った身だからと達成報酬五万はライル達が持っていった方が良いと言ったが、折半にしようと押し切られた。


 フウがもう一度今度は自分達が持って来たオーガの素材の報酬と集落の件の情報提供料で合わせて十五万ダウを受け取った。


 ギルド職員にこれだけの依頼をこなせるならきっとすぐにランクも上がりますねと笑顔で言われた。


 それを聞いていたライルは思う、どこにオーガ五体を三人で倒してくるGランクがいるんだよ、絶対Gランクじゃねーよ。






 三人はライル達のパーティと別れて今は民宿に向かっている、今日は依頼も達成したし、報酬もしっかり入ったので一度民宿に戻るという事になった。


「結構お金が貰えたねー」

「そうだな、全部でどの位あるんだ」

「今日の報酬で二十三万八千五百ダウ位あるね」

「結構あるなぁ」


 でもこれからお金が必要になるから無駄遣いは出来ないね、とフウが言っている。


 ハンターは何かとお金がかかる、服や靴や武器の整備等ハンターとしてやって行く為だけでもお金がかかるのだ。


 装備でも見に行きたいなと、レオが言うので一旦民宿に戻りその後行こうと言う事になった。


 ただいまーと大きな声で民宿に入って挨拶すると、直ぐにおばさんがきてあら、お帰りなさいどうだった? と聞いてくれた、フウは無事にハンターになれた事や依頼を達成出来た事をおばさんと話している。



 ギンとレオは部屋に戻っていった、ちょっとしてフウも部屋に戻ってくる。


「この民宿の女将さんてお母さんみたい」

「そうかぁ?」

「わかんねーもんなお母さん……」

「良いんだよ、細かい事は。じゃあいこーか街も見て回ってみたいし」


 民宿を出て街へ向かう出て行く時に女将さんがまた行くのかいと声を掛けてくれた、行ってきますと言って三人は民宿を出た。


「それにしても広い街だなぁ」

「そうだねー」

「武器とか防具類を売ってる店ってどの辺にあるんだ?」

「さっき、女将さんに聞いて来たよ。色々な場所にあるけどハンター協会の近くにも何件かお店がある商店街があるって言ってたよ」


 またあっちかーと言いながら歩いて行った。

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