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二話 「付き合って欲しいです! どうでしょうか!」
2月になったとは思えない陽気だったその日。
学校帰り、家路に着くべく電車を降りた僕は、夕陽に照らされる川を渡る橋の上で後ろから声を掛けられて振り向いた。
少し息を切らしたセーラー服姿の女の子が立っている。
僕はあまりどこの学校がどういう制服かだとかそういうことには詳しくないので、自分とは違う学校の生徒だな、としか分からなかった。
中学で一緒だったというわけでもなさそうだ。
顔見知りではないと思われる。
呼び止め方も「すみません、少しだけいいですか」だった。
知り合いだったら名前を呼ぶのではないだろうか。
色々考えても分からないことは分からない。それより、僕に用があるというのにいつまでも答えないのも失礼だ。
「なんでしょうか」と僕は向き直って答える。
女の子は少しの間逡巡したようだが、意を決したように拳に力を入れてこう言った。
「好きです!」
僕を真っ直ぐに見つめる。
「付き合って欲しいです! どうでしょうか!」




