殺意
殺したい。
ただ漠然と思う。殺したいと。
豚でもない。牛でもない。鶏でもゴキブリでも蚊でもハエでもない。
ただただ同族を、同種を殺したい。
法律では人を殺してはならないとなっている。
勿論豚や牛も一般的には殺してはならないのだろう。
だけれど屠殺場があるように、仕事として殺すことは、許されている。
よくはわからないがそうなっている。
食うために殺してもいいことになっている。
ならば人を食らえば殺していいのかと思えば、それはやはり駄目なのだ。
人を殺して食らっては駄目なのだ。
まあ別にそんな気持ちがあるわけではないのだが。
私はただただ殺したいのだ。
欲のために殺したいのだ。
だから私は殺してもいい世界を手に入れた。
それが例え別の人から与えられただけのちっぽけな資格だとしても。
私はそれを喜んで使おう。私はそれで生きていく。
人を殺して生きていく