2章(出会い)
『自分の存在価値が分からない、限界』そんな事ばかり考えてたある日、先生が『席替えをします』と言い始めたのである。
私にとって席替えは、新しいイジメっ子が近くになる可能性のある最悪イベントだったのだ。正直迷惑である。
席替えが終わり、両隣に男子、前に女子、後ろも女子そして両隣と後ろももれなく席を離される…わかってたけど。
しかし突然『これからよろしくな』と前の方から言葉が聴こえてくる、しかし私は『私に話しかけてるわけないやろ』と思いこれを1度無視する。
『原村さん聴こえてないんか?』何と前の女子が話しかけてきたのである。
しかし私はその時もうすでに、心が限界を迎えており、人を信用する事ができず『私と話してたら友達が居らんくなるよ』といきなりとんでもないことを言い放ってしまった。
ここで予想もしない返答『こんな事で友達じゃなくなる奴とか友達じゃないから、大丈夫。それとうちは原村さんの事よく知らへんからこれからよろしくな。うち佐藤結花』この言葉に唖然としてしまい、この時の私は、頷く事しかできなかった。
この日の帰り道、これまでの学校生活を振り返りながら帰っていた、『イジメられ続けて、初めてできた話せる友達、無視されず、自分を1人の人として接してくれる人』知らず知らずに涙が出て来て家に帰った。
次の日、学校に行くのが少し楽しみだった。通学路では何の話をしようかとか考えながら学校に迎う。
学校について、教室に入ると佐藤はまだ学校に来ていなかった、すると後ろからオタクグループの1人がぶつかってきた『うわ…朝から原村菌におかされるわ、最悪、もう学校来んなよ』といきなり言ってきた。恐らくこのオタクも別の奴に虐められてて私をストレスのはけ口として使っているのだろう。
私は限界になり教室を出ようとした、その時佐藤が登校してきた。『何々?どうした?』限界をむかえていた私の顔を見てすぐに気づいた。
佐藤はすごい怒った顔で教室に入り、叫んだ『原村が帰ろうとしとんやけど?何で?誰や?』教室の中は一瞬静まった。
『ここで何も言えやん奴が、裏でこそこそやっとんなよ』そういい放ち教室を出ていった。
その事がきっかけで原村への虐めはかなり減少した、それからは学校が本当に楽しみになった、登校したら話せる人が居るだけで楽しかった。
そして一年生最後の登校日。佐藤から突然話があると校舎の裏に呼び出された。『とりあえず今日で一年生も終わりやな。まあクラス変わるけど、あんたは良い奴なんやで、もっと自信もっていけよ。頑張れ‼』俺は本当に嬉しかった、佐藤が居たおかげで中学生活が楽しくなったし、心の奥から感謝した。そして二年生になった。




