「リゼリア」のあらすじ(GA文庫大賞 一次通過)
2015年 GA文庫大賞(後期)応募 一次通過
「純黒のリゼリア」を長編に改稿して応募したものです。
異端審問官を目指す十三歳のクオンは、適性検査をパスし、王都へ向かうカレドナ鉄道に乗り込む。
しかし席を追われ、たどりついた貨物車で不思議な石を見つけるも、何者かに襲撃されて棺に閉じ込められる。
一方、兄の依頼で「奇石」を探していた魔女リゼリアは、朱眼を見た相手の「妹になる」魔法を使って運び屋に接触していた。運び屋がもっていた棺から出てきたのがクオンだ。
狼の一族であるメルルはクオンから「奇石」の気配を感じる。
戸惑うリゼリアだったが、そこへ奇石を奪いに来たコルニクス教団兵や異端審問官のエリアーデが襲撃をかけてくる。
クオンを連れて逃げ出し、左胸に埋まった奇石を奪うため魔法を使ったリゼリアだったがなぜかクオンには効かない。しかしリゼリアは魔法をかけた相手に奉仕しなければならず、クオンが云うまま、共に王都に向かうことになる。
クオンは叔母でありエリクシアが魔女と呼ばれてセイラムの街を焼き払った理由が知りたかった。
エリクシアはクオンが持って生まれた石を使って街の人たちの病を治していたものの、それはクオンの命そのものだった。
その事実に気づいたエリクシアは罪を償うため自ら魔女を名乗り出て火刑柱に縛られる。
ときを同じくして魔女を疑われて火刑柱に縛られていたリゼリアは、エリクシアに求婚していたアレクススに初めての魔法を使ってひとりだけ助かる。
炎に包まれるエリクシア。その罪を清算するように、クオンの石で命を救われた人々も炎に包まれる。それが真実だった。
エリクシアを蘇らせようとするアレクススを止めるため屋敷に乗り込んだクオン。
アレクススに発砲されて倒れたさい、リゼリアに「解除の言葉」を告げる。
リゼリアはアレクススに魔法をかけ、クオンの前から姿を消す。
三年後、リゼリアはふたたびクオンの前に現れ、「愛している」と告げる。
すると封じられていた記憶がよみがえり、クオンはリゼリアのことを思い出したのだった。